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北海道・旭岳温泉《湯元 湧駒荘》
大自然とも触れ合える宿
|温泉ビューティ研究家・石井宏子が選ぶ
保養スタイル別温泉宿①

2024.2.16
北海道・旭岳温泉《湯元 湧駒荘》<br>大自然とも触れ合える宿<br><small>|温泉ビューティ研究家・石井宏子が選ぶ<br>保養スタイル別温泉宿①</small>

「ゆるりと心身を癒してくれる温泉宿」をテーマに、温泉ビューティ研究家・石井宏子さんが選ぶ保養スタイル別温泉宿を紹介。温泉滞在は連泊してこそ。移動の心配がない「自由な丸一日」ができ、温泉をゆっくり堪能できる。ゆとりがあると心も身体も喜ぶし、旅の楽しみ方が多角的に変わっていく。
 
今回は、5つの異なる泉質を楽しめる北海道・旭岳温泉の「湯元 湧駒荘」を紹介する。

文=石井宏子(いしい ひろこ)
温泉ビューティ研究家・旅行作家。国際中医師。国内外の温泉を年間200日旅して温泉コラムを執筆。杏林大学兼任講師(温泉療養学)。国際中医師の観点で著書『新・温泉ビューティ』(グリーンキャット)を上梓

旭岳のパワーをいただく滞在

源泉が5つあり毎分300ℓ以上の湯が湧出する温泉のワンダーランド。異なる源泉をテイスティングするように、別々の湯船で入り比べるのが楽しい。泉質はマグネシウム・カルシウム・ナトリウム–硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉など。透明のぬる湯に、ガツンと力強い濁り湯の元湯や、ミネラルザクザク系の湯など、見た目も入った感触も異なり、5つともまったく違う感覚なのがとてもおもしろい。

旭岳温泉開湯から歴史を重ねるユコマンの湯は自然の岩を取り込んだ野趣あふれる雰囲気。やや熱めの元湯で発汗したり、ぬる湯で癒されたり、5つの異なる源泉を入り比べながら湯船を渡り歩くと、無限ループの気持ちよさ

湯上がりは北海道の木でつくられた喫茶スペースで、旭岳の湧き水や珈琲を飲んで寛いで。夜はラウンジの暖炉近くのソファが心地よく、山小屋の雰囲気がある部屋も居心地がいい。あっという間に時は過ぎて、とても1泊では足りない。

湧き水が引かれているので、部屋に用意されたコーヒー豆とミルで至福の一杯を味わったり、スノーシューを借りて雪原を散歩したり、石造りの暖炉の前で寛ぐなど静かな時を過ごせる

連泊すると間の日はゆとりがあるので、がらりと雰囲気が違う別館浴場「神々の湯」へも入ってみる。吹き抜けの大空間に差し込む光が神々しく、身も心もリフレッシュできる。身体を動かしたくなったら宿の周りの大自然へ。冬はスキーも楽しめるが、たとえばスノーシューを借りて雪原を歩くだけでもいい運動になる。帰りは旭川へ出て北海道家具の工房を訪ね、美瑛へ足を延ばすのもよい。

木を使ったナチュラルな部屋は長期滞在したくなる心地よさ。山小屋風の部屋の地元工房の木工家具、空気の浄化作用があるホタテを使った漆喰塗り、眠りにこだわった寝具など、山のリゾート気分
蝦夷鮑の塩釜焼は昆布の中からふっくらアワビが現れ、秘湯のイメージを覆す美味しさ。熟成貯蔵したジャガイモ・インカのめざめをコロッケにしたサプライズの一品も乞うご期待

<温泉data>
泉質|硫酸塩泉、マグネシウム−硫酸塩泉、炭酸水素塩泉、ナトリウム−硫酸塩泉、ナトリウム・カルシウム−塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉 
湧出温度|非公開 
かけ流し|〇

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青森県・酸ヶ湯温泉
《酸ヶ湯温泉旅館》

 
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湯元 湧駒荘
住所|北海道上川郡東川町勇駒別
Tel|0166-97-2101
料金|1泊2食付1万5000円〜(税・サ込)
IN|15:00
OUT|10:00
キッチン×/ランドリー〇/Wi-Fi〇/送迎×

text: Hiroko Ishii
Discover Japan 2024年2月号「人生に効く温泉」

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