ART

北海道《ウポポイ/民族共生象徴空間》
アイヌ民族の世界を学ぶ。

3|手仕事、グルメ、体験

2022.8.15 PR
<small>北海道《ウポポイ/民族共生象徴空間》<br>アイヌ民族の世界を学ぶ。</small><br>3|手仕事、グルメ、体験

国立アイヌ民族博物館の展示でアイヌ文化を理解したら、体験プログラムに参加しよう。ムックリ、木彫、刺繍、調理と生活に欠かせない手仕事を体験すればアイヌ民族がより身近に感じられる。

≪前の記事を読む

アイヌ文化が身近に感じられるプログラム

アイヌ文化を見て、触れて、体験して学べるのがウポポイの大きな特徴。たとえば、ポロト湖の西エリアの体験交流ホールでは、伝統芸能の歌や踊り、語りを上演。映像と人の演舞が一体化した迫力のあるステージを見れば、一気にアイヌ民族の世界に引き込まれる。また体験学習館では、ムックリの製作体験や弦楽器のトンコリ演奏体験など、手を動かすことで楽しみながら深くアイヌ文化を体験できる、さまざまなプログラムを実施している。

東エリアの工房では、布や木に美しいアイヌ文様を施す刺繍や木彫などの手仕事を実際にやってみることができる。衣服や日用品など生活に必要なものは手づくりしていた伝統的なアイヌ民族。体験を通してその文化の一端に触れることで、アイヌ民族がより身近に感じられるようになるだろう。

さらに、四季折々の食材を使ったアイヌ料理を体験する「ポロトキッチン」や、軽食の調理体験「ポントキッチン」のほかにも、焚火のシンプルな力強さでアイヌ民族の食文化を表現する「焚火ダイニング・カフェ ハルランナ」もある。
 博物館エリアを見学するだけで帰るのはもったいない。身をもってアイヌ文化を体験することで、さらに学びを深めたい。

手仕事を習得!

ムックリが完成したら、自分のムックリで持ち方やひもの引き方、音の変え方など演奏の基本も教えてもらえる

ムックリ製作体験「ムックリ アカン ロ」
「ムックリ(口琴)」はアイヌ民族に伝わる楽器のひとつ。昔からアイヌ民族は自然の音や自分の思いをムックリの音色で表現してきた。こちらは、そんなムックリを自らつくり上げる人気の体験プログラム。三角刀と平刀を使って竹を半分から2/3ほどの深さに彫り、切り出し部分を弾いてみてビィーンと見本の音に近づいたらひもを通して出来上がりだ。

会場|ヤイハノッカラ チセ(体験学習館)
開催日|土・日曜、祝日及び夏休み期間(7/16〜8/28)
参加方法|随時会場で予約受付
定員|10名 料金|1000円
時間|14:00〜(45分)※対象は小学4年生以上(小学生は要保護者同伴)

体験ではオリジナルのスマホスタンドに、文様を彫刻することができる

木彫体験「イヌイェアン ロ」
木材で制作されたものを「オッカイカラペ」と呼び、アイヌ語で「男のつくるもの」を意味する。アイヌ民族の男性はマキリ(小刀)やイタ(盆)など日用品に文様を施してきた。ものづくりのよし悪しは生活にも直結するため、男性が求婚の際にメノコマキリ(女性用の小刀)を贈る風習もこのためだ。

会場|イカラ ウシ(工房)
開催日|毎日
参加方法|随時会場で予約受付(開始5分前まで)
定員|8名 料金|1500円
時間|11:30〜、15:00〜(各60分)※対象は小学4年生以上(小学生は要保護者同伴)

体験では複数の中から選んだアイテムに、アイヌ文様を一針ひと針刺繍する

刺繍体験「イカラカラアン ロ」
縫い・織り・編みの技法でつくられたものは「メノコカラペ」と呼び、アイヌ語で「女のつくるもの」を意味する。刺繍は女性の大事な仕事で、親の手仕事を見て学び、囲炉裏の灰や砂浜に描きながら文様を覚えた。家族のために衣服を仕立てることは一人前の女性として必要な教養のひとつ。

会場|イカラ ウシ(工房)
開催日|毎日参加方法:随時会場で予約受付(開始5分前まで)
定員|8名
料金|コースター/無料、あずま袋・プチフレーム・マスク/1000円
時間|10:00〜、13:30〜(各60分) ※対象は小学4年生以上(小学生は要保護者同伴)

美味しく体感!

朴葉の上に豪快に鹿肉とグリル野菜を盛りつけた「ユク(蝦夷鹿)の焚火ロースト」(2800円、写真は2人前)には、パンとスープが付く

焚火ダイニング・カフェ ハルランナ
ウポポイのゲート手前の入園無料エリアにあるカフェ&レストラン。ミシュランの星を獲得したこともある札幌のフレンチレストラン「Le Musée」のオーナーシェフ・石井誠氏が料理を監修する。オープンキッチンには薪をたく囲炉裏があり、北海道産の鹿肉やラム肉、地元名産の白老牛を、ナラの木ベースの焚火でローストした絶品料理が食べられる。

営業時間|11:00〜15:00(L.O.14:00)
定休日|ウポポイに準ずる

調理体験「ポロトキッチン」
週末と祝日に体験学習館で開催する「ポロトキッチン」は、4〜5品のアイヌ料理をスタッフと一緒に調理し、実食する約3時間の調理体験プログラムだ。具だくさんの汁物「オハウ」を中心に、季節の食材を使った料理は、いずれもレシピを持ち帰り、家庭で気軽に再現できる。

会場|ヤイハノッカラ チセ(体験学習館)「イセポ」
開催日|土・日曜、祝日(詳細は公式ウェブサイトを確認)
参加方法|希望日2日前までに要事前予約
定員|1日2組(1組5名まで)
料金|1500円 時間|10:00〜(180分)
問|体験教育課 調理体験「ポロトキッチン」担当
Tel|0144-82-3914
Mail|upopoy-sukeanro@ff-ainu.or.jp
※対象は小学生以上(小学生は要保護者同伴)
※予約の際は、①参加者名、②参加人数(大人/子ども)、③連絡先(電話/住所)、④アレルギーの有無を要通達

そのほかにもアイヌ文化に触れる体験がたくさん!

演目を通してアイヌ民族の世界観を体感!
体験交流ホールでは、重要無形文化財指定の「アイヌ古式舞踊」やムックリ演奏、ユネスコ無形文化遺産に登録されるアイヌ民族の伝統芸能を上演。

プログラム|「シノッ アイヌの歌・踊り・語り」(最新の映像技術を取り入れた演出。20分) 「イノミ アイヌの祈り・歌・踊り」(伝統儀礼「イヨマンテ」を軸にした演出。30分)
会場|ウエカリ チセ(体験交流ホール)
開催日|毎日 参加方法:座席指定整理券をエントランス棟総合案内所で配布(各回1時間前からは配布場所が体験交流ホールに変更)
定員|272名 料金|無料
時間|10:30〜、11:30〜、13:30〜、15:30〜
※16:30〜(土・日曜、祝日及び夏休み期間7/16〜8/28のみ)
※各回「シノッ」、「イノミ」のいずれか一方を上演

ミュージアムショップ&ライブラリで
気軽にアイヌ文化に触れよう!

国立アイヌ民族博物館の館内には、アイヌ文化や歴史を取り上げた書籍を中心に「開かれた専門図書室」として利用できるライブラリと、日用品から工芸品まで多彩なアイテムを揃えたミュージアムショップも併設。

チセがポロト湖の風景に溶け込む初夏の夕暮れ。——萌える春、生命がほとばしる夏、実り豊かな秋、大地が雪に覆われる長く厳しい冬。そして、また春がめぐる——。アイヌ民族の生活は、地球の呼吸とともにあり、その文化は未来に続く

ウポポイ(民族共生象徴空間)
住所|北海道白老郡白老町若草町2-3
Tel|0144-82-3914
開園時間|9:00〜18:00、土・日曜、祝日9:00〜20:00
※7月16日〜8月28日は9:00〜20:00、11月1日〜3月31日は9:00〜17:00。詳しくは公式ウェブサイトを確認
閉園日|月曜(祝日または休日の場合は翌日休)
入園料|一般1200円、高校生600円、中学生以下無料 ※年間パスポート/一般2000円、高校生1000円
アクセス(北海道各都市から)|
◎新千歳空港…車/道央自動車道新千歳空港ICから約40分、電車/JR新千歳空港駅からJR白老駅まで約40分。下車後徒歩10分
◎札幌…車/札幌自動車道札幌北ICから約65分、電車/JR札幌駅からJR白老駅まで約65分。下車後徒歩10分
◎旭川…車/道央自動車道旭川鷹栖ICから約2時間20分、電車/JR旭川駅からJR白老駅まで約2時間30分。下車後徒歩10分
◎函館…車/道央自動車道大沼公園ICから約2時間50分、電車/JR函館駅からJR白老駅まで約3時間。下車後徒歩10分

 

≫公式サイトはこちら

 

  

text: tomoko Honma photo: Hiroyuki Kudoh
2022年9月号「ワクワクさせるミュージアム!」

北海道のオススメ記事

関連するテーマの人気記事