長野県松本市
開運堂の「ピケニケカステラ」
発売満30周年を記念し、新デザイン箱にリニューアル!
《福田里香の民芸お菓子巡礼》
民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は平成元年に発売以来、西洋菓子の中でも特に人気がある長野県松本市・開運堂の「ピケニケカステラ」を紹介します。
福田里香(ふくだ・りか)
お菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。12年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中
開運堂の「ピケニケカステラ」の意匠は、柚木沙弥郎さんの作品です。
今年めでたく100歳を迎えた柚木さんは、1955年に銀座の「たくみ工芸店画廊」で初の個展を開催し、1984年には日本民藝館評議員に就任するなど、民藝運動に深くかかわりながら、作品をつくり続けてきました。
昨年から今年1月まで東京都立川市の「PLAY! MUSEUMとPARK」で開催された「柚木沙弥郎 life・LIFE」を観覧された方も多いでしょう。展示は絵本の原画にはじまり、岩手県の老舗民藝店「光原社」のためのポスター、抽象的な図案が美しいタペストリー群という、観る者を惹き付ける3部構成でした。画業74年、多彩な作風を生み出し続けた創作活動はむしろいまが絶頂期です。
柚木さんの原画を元にした「ピケニケカステラ」の箱絵は、絵本をほうふつとさせるかわいらしさ。ピケニケはポルトガル語でピクニックのこと。お土産には卵の風味豊かな「ピケニケ鶏卵」とコーヒー味の「ピケニケ珈琲」の詰め合わせがおすすめです。
開運堂
住所|長野県松本市中央2-2-15
Tel|0263-32-0506
営業時間|9:00~18:00
定休日|なし
https://www.kaiundo.co.jp/
text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
Discover Japan 2022年3月号「第2の地元のつくり方」