御菓子所高木の「和風クッキー・ふきよせ詰合せ 」
福田里香の民芸お菓子巡礼
民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は、色違いのお揃い缶がかわいらしい御菓子所高木の「和風クッキー・ふきよせ詰合せ (2缶入)」を紹介します。
福田里香(ふくだ・りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。9年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中
広島市の「御菓子所高木」は、大正8年創業の老舗和菓子舗です。この連載に何度か登場していただいたことを覚えていらっしゃいますか。掲載の理由は、多くの商品パッケージを柚木沙弥郎氏が手掛けているからです。御年98歳の柚木翁は、柳宗悦をはじめとする民藝運動の創始者と実際にかかわった世代の人物。芹沢銈介に型染め技法を学んだ染織家ですが素晴らしい画家でもあります。
「御菓子所高木」の「和風クッキー・ふきよせ詰合せ」にも柚木氏の絵が使われています。和洋の焼き菓子2缶セットになった贈答品ですが、和風クッキー缶には銀煤竹色に薄紫色の鶴、ふきよせ缶には薄紫色に銀煤竹色の鶴と、珍しい色違いのお揃い缶になっています。渋い色遣いなのに、かわいらしい。ぐっと心をつかまれます。
和風クッキー缶はそば粉の松葉クッキー、ココア味の黒丸、あっさり味の白丸の3種入り。ふきよせ缶は小豆、ゴマ、青海苔、ショウガ、味噌などで味をつけた薄焼き煎餅の詰め合わせ。贈られた方の笑顔が見える贈り物です。
御菓子所高木 十日市本店
住所|広島県広島市中区十日市町1-4-26
Tel|082-231-2121
営業時間|9:00〜18:00
定休日|元日
text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
2021年2月号 特集「最先端のホテルへ」