FOOD

7号酵母発祥の日本酒「真澄」の大吟醸、夢殿・七號・山花がリニューアル!
宮坂醸造

2021.6.7
7号酵母発祥の日本酒「真澄」の大吟醸、夢殿・七號・山花がリニューアル!<br><small>宮坂醸造</small>

優良酵母として知られる七号酵母発祥の酒蔵である長野県諏訪の宮坂醸造。その七号酵母で醸した代表銘柄「真澄」の純米大吟醸、「夢殿」「七號」「山花」がリニューアル。杜氏や蔵人が「真澄らしい大吟醸」をあらためて追求し、原料や味わいも新たに生まれ変わった。

諏訪大社の宝鏡を酒名に。
七号酵母で醸した「真澄」

長野県諏訪の地は、八ヶ岳や南アルプスからもたらされる山の恵み、諏訪湖や川からもたらされる水の恵み、鋭利な刃物となる大地の恵み黒曜石を求めて、縄文時代から多くの人が交流していた。江戸時代初期の1662(寛文2)年、甲州街道の宿場町となっていたこの地に宮坂醸造は創業した。

諏訪では、原始の神がいまでも祀られており、歴史の表舞台には出てこない不思議な伝承や信仰が、数多く存在する。この地において唯一無二の聖地である、建御名方尊(タケミナカタノミコト)を主神とする諏訪大社の神宝である真澄の鏡から名を取り、「真澄」は誕生した。

大正時代、蔵元・宮坂 勝氏と窪田千里杜氏が品質第一の酒造りへと舵を切ると、 全国新酒鑑評会で数多くの表彰を重ねるように。 1946年、後に優良清酒酵母として知られることとなる「協会七号酵母」が、諏訪蔵にある発酵中のモロミから発見される。真澄酵母とも呼ばれる七号酵母はたちまち日本各地の酒蔵で採用され、近代酒質確立の礎となった。

酒造りの技術や哲学は現在の技術者たちにも受け継がれ、さらなる技の高みに向かって進化を続けている。

諏訪蔵の奥まった一角には、山田正一博士の揮毫による「七号酵母誕生の地」のプレートが埋め込まれている

"究極の食中酒"を目指した、
3種の純米大吟醸。

今回生まれ変わった3種の純米大吟醸が目指したのは、ずばり”究極の食中酒”。七号酵母の個性を活かしながら、原料をあらためて厳選。杜氏や蔵人の技術を結集し、真澄らしい大吟醸とはどうあるべきか、その姿を追い求めた結果、極上の逸品に仕上がった。

今回リニューアルされた3種の味やおすすめのペアリング料理を、ソムリエ・大越基裕氏のコメントとともに紹介。

ワインテイスター/ソムリエ
大越基裕(おおこし もとひろ)
1976年札幌市生まれ。3年間渡仏し栽培、醸造の分野を学びディプロマを取得。2009年帰国後銀座レカンのシェフソムリエに就任。2013年ワインテイスター/ソムリエとして独立。ワインだけではなく、日本酒や焼酎のペアリングにおいては、和食以外のレストランで明確に提案したパイオニアの一人でもある。

厳選素材で作り上げる最上の酒
「夢殿」

夢殿は明治時代から真澄が最上の酒に冠してきた名称。厳選した酒米を七号系自社株酵母で醸し、袋搾りの雫だけを製品化した、稀少な一本だ。

テイスティングコメント
・白桃やバナナに柑橘類やフローラルなニュアンスも加わったアロマを持つ上品かつ華やかな香り
・穏やかな甘味と味わい全体を心地よく余韻まで誘う酸味とともに、終始輪郭の整った優しく滑らかなテクスチャーが印象的
・ 透明感と抜け感のある米の旨味がとても綺麗に、そして長く余韻に残る

相性のよい料理
「エビの蒸し餃子、鯛の塩釡焼き、ホタテのカルパッチョのように、日本酒の上品さを活かすために素材本来の旨味と日本酒の透明感のある旨味をシンプルに掛け合わせます」

夢殿 YUMEDONO
価格|1万1000円(720㎖/桐箱入り)
分類|純米大吟醸酒
原材料|米、米こうじ
米の品種|兵庫県加東市山国地区産 山田錦
精米歩合|35%
アルコール|15度

信州の風土を表現した
「七號」

蔵がある長野県産の米だけを原料にした一本。七号系自社株酵母を用いて伝統的な山廃造りで醸している。

テイスティングコメント
・完熟したバナナや黄桃のニュアンスに、僅かなシリアル様のアロマを持つ上品さと複雑さを併せ持った香り

・控えめな甘味に透き通る様に広がる旨味、心地よい酸味と苦味がタイトでしっかりした骨格もたらしている
・厳格さがあり、僅かにスパイシーな余韻を楽しませる

相性のよい料理
キスの天ぷら、揚げ春巻き、アスパラの胡麻和え、たけのこの土佐煮の様に完熟バナナやスパイシーな風味と料理の香ばしさとのハーモニーを作ったり、透き通るような旨味と出汁の組み合わせなどでバランスを取るように合わせます

七號 NANAGO
価格|1万1000円(1800㎖/箱入り)、9900円(1800㎖/箱なし)、6600円(720㎖/箱入り)、5940円(720㎖/箱なし)
分類|純米大吟醸酒
原材料|米、米こうじ
米の品種|長野県木島平村産 金紋錦(特別栽培米)
精米歩合|40%
アルコール|15度

八ヶ岳に咲く可憐な花をイメージした
「山花」

華やかで優しい香りが特徴的。厳選した山田錦と七号系自社株酵母が生み出す落ち着いた佇まいは、海外でも人気の一本だ。

テイスティングコメント
・白桃、バナナ、スチームドライス、ほんのりサワークリーム様のアロマを持つ華やかで優しい香り
・穏やかな甘みと、米の旨味が染み渡り程よい酸味と少量の苦味によるコントラストなバランスが心地よい
・柔らかで、広がりのあるテクスチャーで僅かなミルキーな風味とともに静謐な余韻を感じさせる

相性のよい料理
「いちじくの白和え、モッツァレラと白桃のサラダ、スモークサーモンのおから和えの様に料理の甘味とお酒の甘味の強さ、互いの柔らかなテクスチャーを合わせます」

山花 SANKA
価格|5500円(1800㎖/箱入り)、4400円(1800㎖/箱なし)、3300円(720㎖/箱入り)、2640円(720㎖/箱なし)、1485円(300㎖/箱入り)、1100円(300㎖/箱なし)
分類|純米大吟醸酒
原材料|米、米こうじ
米の品種|兵庫県加東市山国地区産 山田錦
精米歩合|45%
アルコール|15度

夢殿/七號/山花
販売場所|真澄 取扱販売店、蔵元ショップCella MASUMI、真澄オンラインショップほか
Tel|0266-52-6161
https://www.masumi.co.jp

text=Discover Japan


≫父の日に贈りたい、とっておきのビールとグラスのギフトセット

≫知っているようで知らない酒知識

≫菌と一緒に楽しく造る自然酒。千葉県香取郡 寺田本家

長野のオススメ記事

関連するテーマの人気記事