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滋賀・美冨久酒造
県産食材×地酒カフェ《薫蔵~KAGURA~》
酒蔵を改造したカフェで酒文化を愉しむ。

2021.9.29
滋賀・美冨久酒造<br>県産食材×地酒カフェ《薫蔵~KAGURA~》<br><small>酒蔵を改造したカフェで酒文化を愉しむ。</small>

滋賀県・美冨久酒造が、自社の酒蔵を改造したカフェ「薫蔵~KAGURA~」を2021年9月にオープンした。美冨久酒造で醸した日本酒に合うメニューや、日本酒用の米・酒米3種を炊いた食べ比べできるおにぎり、甘酒を使ったスイーツなど、お酒を飲まなくても楽しめるメニューなども用意。滋賀県産の食材にこだわり魅力ある近江の美食を味わえる。

美冨久酒造
1917年(大正6年)に藤居本家より新家として新しい藤居孝三家をもらい甲賀・水口の地に創業。現在は4代目蔵元 藤居範行(ふじい・のりゆき)が代を引き継ぎ伝統技法「山廃仕込」でふくよかさと奥行きのある味を醸す美冨久(みふく)、「吟醸造り」でフレッシュでフルーティーな飲み口を提供する「三連星(さんれんせい)」という銘柄を全国、海外へ販売している。また、毎年3月には「美冨久春の蔵まつり」と銘打って蔵開きを行い5000人以上の方に美冨久酒造の魅力、日本酒への興味を持ってもらえるイベントを行っている。

築80年の酒蔵に新たな命を吹き込む。

自社の酒蔵を改造したカフェは、元々資材置き場となっていた築80年の蔵の一角をリノベーション。

範行さん 15年ほど前から、せっかく雰囲気のある建物なので、ここでくつろいでもらえる空間を作りたいという想いを持っていました。普段であれば全国各地を巡っている時期ですが、コロナ禍で難しい状態になってしまいました。ですが、逆に今なら蔵の改装・展開が出来ると思い立ち、2020年の夏に思い切って計画を具体的に進めて来ました。

薫蔵とは文字の通り「薫り」の「蔵」で日本酒の薫り漂う酒蔵として、ただくつろぐだけではなく、日本酒の文化や伝統、雰囲気に触れて、日本人が日本の魅力を再認識してもらえる空間を創りたいという想いを込めているそうだ。

岡喜牛・蔵尾ポークの酒粕ハンバーグ

牛の飼育から解体、卸、直営のレストラン展開と元祖六次産業の形態をとられている牛の厳選された岡喜牛(おかきぎゅう)のミンチと、甲賀のお隣日野町のブランド豚「蔵尾ポーク」別名「バームクーヘン豚」のミンチを使用。 隠し味に美冨久の酒粕を練り込ませ、ボリュームと品質、そして美冨久のお酒に合うハンバーグだ。

薫蔵は、料理をより美味しく感じることができるうつわにもこだわり、信楽焼のうつわを使いプレートは、酒蔵で糀(こうじ)をつくる際に使用する、糀蓋(こうじぶた)に乗せている。

近江の3種盛り

左から)赤こんにゃく&永源寺こんにゃく、鮒味特製だし巻き卵、鮒ずし

小鉢の3種プレートには、滋賀の「鮒ずし」、祇園の料亭仕込みの「鮒味特製だし巻き卵」、近江の2大こんにゃく「赤こんにゃく&永源寺こんにゃく」。鮒ずしを中心に、豊富アイデアと伝統を引き継いで醗酵させている各種珍味は、美冨久酒造のお酒には欠かせない一品。

「鮒ずし」は、鮒をご飯で漬け込んだ醗酵食品だが、この醗酵は乳酸発酵。米の成分が乳化しヨーグルトの様な甘酸っぱい酸味を引き出すことで雑菌を淘汰し、保存に利く食材にしたものだが、この乳酸発酵は日本酒の発酵にも通じており、特に美冨久酒造の得意としている「山廃仕込(やまはいしこみ)」は、この乳酸発酵を行う事で健全な酵母を育てる伝統技法。

酒米おにぎり

滋賀県は酒米の元祖「渡船(わたりふね)」発祥の地。そこから続く酒米の血統をおにぎりにした。酒米の代表「山田錦」と、この米の父親株にあたる「渡船六号」、山田錦と玉栄を掛け合わせてつくった「吟吹雪」。祖父・父親・孫の三世代の米を食べ比べてみるのもおすすめ。

そのほかにも、甘酒を使った「冷やし甘酒」「ソフトクリーム」「パフェ」などのスイーツも用意。

滋賀を訪れた際には、滋賀の食材を使った、美冨久酒造ならではのランチやスイーツを味わってみてはいかが。

蔵カフェ 薫蔵~KAGURA〜
住所|滋賀県甲賀市水口町西林口3-2
営業時間|11:00~16:00(11:00~14:00ランチタイム)
定休日|毎週木曜日

美冨久酒造
https://mifuku.co.jp/

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