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皇室献上級のカニは福井にあり!【後編】
冬の味覚の王様「越前ガニ」

2020.12.9
皇室献上級のカニは福井にあり!【後編】<br><small>冬の味覚の王様「越前ガニ」</small>
花のように身が開くカニ刺しは淡い旨みが身上。ダシベースの淡い酢がつく。カニの他にも日本海ならではの甘エビやバイ貝、白身魚のお造りや冬野菜の端正な料理が並ぶ。酒は黒龍

冬の味覚の王様といえばカニ。とくに、みずみずしい甘さと淡いけれど深い旨みは越前がにが随一。そのため、皇室献上を許されています。なぜ献上に値するのでしょうか。11月6日解禁になったばかりの三国港の夕セリと名宿をたずね、そのわけを探ってみました。後編では、カニ通も思わずほころんでしまう絶品のカニを堪能できる名宿へとご案内します。

≪前編を読む

カニ通もうなる“熟成”ガニの名宿へ
海心荘 若ゑびす

海に突き出た部屋は海風と潮騒で満たされる。露天風呂も魅力的

全国のカニ通がそわそわするこの季節。三国港からすぐの三国温泉では、カニ漁解禁の声とともに料亭旅館や料理民宿も活気づく。最高のロケーションに位置する「望洋楼」、「荒磯亭」とともに御三家のひとつにあげられる「若ゑびす」では“熟成”させたカニでさらなる高みの味わいを経験できる。

落ち着いた和風の部屋のほかベッド仕様の部屋も

当然だが、越前がには現地で食べるのが一番美味しい。その上カニ料理の技術と、カニに合った酒があり、海が見えておまけに温泉などあればこの上ない。そんなすべての希望が現実となるのが三国温泉だ。海に突き出したようなロケーションに、ひときわ品格を漂わせる和風宿。ここが「海心荘 若ゑびす」だ。風格のある部屋に入れば目の前が一面、海、海、海……。食卓に座し、カニ料理越しに外を見ればまるで海に浮かんでいるよう。カニの身を頬張り酒を飲めば、はた、ここは竜宮城かと錯覚を起こしてしまいそう。

カニしゃぶはみずみずしさが特徴

ズワイの中でも最高の越前がにだが、中でもここは「若ゑびすブランド」といえる特別な風味をもつカニを提供する。独自の手法でカニを“熟成”させるのだ。最高級のカニを仕入れた後、館内にある生簀でカニを寝かせる。温度や酸素を調整しながら何段階かに分けカニの泥の匂いをとる。工程の中で弱いものは死に、いいものだけが厳選される。実際、熟成させたカニは食べたときに手に匂いがつかない。逆に旨みや甘みが増し、カニそのものがもっている海の滋味がより鮮明になりカニ本来の味を体験できるのだ。全国各地から訪れるカニ通が「今まで食べてきたカニはなんだったんだ」という声をあげるという。「11月6日の解禁のあと熟成期間が必要ですから11月20日ころからがおすすめ。3月までお楽しみいただけます」とは4代目若女将北山佳代さん。生簀を案内しながらの言葉の端々や「カニが恋人」とほころぶ顔には並々ならぬ想いが感じられる。

焼きガニは甘さを楽しむ。焦げると美味しさ半減なので女将やスタッフが丁寧に焼く。焼き加減の好みにも答えてくれる
生簀を前に女将の説明で熟成の工程がよくわかる

海心荘 若ゑびす
住所|福井県坂井市三国町米ケ脇4-3-41
Tel|0776-81-3155

福井県沖の海の豊かさをSDGs視点で読み解くと!?

人間、地球及び繁栄のための行動計画として、持続可能な開発目標として国際的に採択されたSDGs。17の目標のうちゴール14の「海の豊かさを守ろう」に注目してみると、福井県は「漁獲量及び養殖収獲量の前年比増減率(2019年度)」で全国第3位です。

漁獲量及び養殖収獲量が増えたことを示すデータは、福井県沖の海の豊かさをあらわす一つの指標と言えるでしょう。おいしい越前蟹をこれからもずっと楽しみ続けられるように、海の生態系を守る行動を意識したいですね。
(解説協力:サステナブル・ラボ株式会社

text:Akiko Tomoda photo:Akito Ochiai
2012年12月号 特集「冬の味覚でおもてなし」


≫“海の京都”で極上の松葉ガニを心ゆくまで堪能できる宿「茶六 別館」

≫伊勢海老にアワビ、鰻、フグなど「海鮮系お取り寄せグルメ」前編

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