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UMIKARA<ウミカラ>
高浜に誕生した体験型フィッシュマーケット
人々を”海”で繋げる新しい漁師町の形。

2021.7.23
UMIKARA<ウミカラ><br>高浜に誕生した体験型フィッシュマーケット<br><small>人々を”海”で繋げる新しい漁師町の形。</small>
©︎Yohei Sasakura

若挟湾に面した福井県・高浜町は、古くから漁業で栄えた漁師町。その地で漁業の人々をつなぐ新しい取り組みが注目されている、高浜町6次産業プロジェクトの体験型フィッシュマーケット「UMIKARA」がオープンした。

人々を「海」でつなぐ、
持続可能な「新しい漁師町の形」

©︎Yohei Sasakura

高浜町の魅力はなんといっても「海」。それは単に「海水浴」だけではなく、さまざまな海のアクティビティを楽しみ、海を見渡すロケーションで海の幸を味わい、憧れのウォーターフロントで暮らすといった魅力的な海辺のライフスタイルを具現化できる町であるということ。

この夏、そんな高浜の海の魅力を最大限に生かすことができる体験型フィッシュマーケット「UMIKARA」が、漁港のそばに開業。地元の海産物の販売はもちろん、魚が泳ぐ水槽から好きなものを選んで料理してもらえる食堂や、漁師から直接魚を買える昼市など、より海や漁師の文化、その恵みを体感できるようになる。

美しい海と美味しい魚、そして海を愛する人々。高浜町が目指すのは、漁師や地元の人々、そして高浜を愛する来訪者を「海」でつなぐ、持続可能な「新しい漁師町の形」。

漁業再生のために、
「魚の価値」を上げる。

©︎Yohei Sasakura

かつて日本有数のリゾート地として、観光業とともに、高浜町の核となる産業だった漁業。時代は流れ、今は若者の魚食離れによる魚価の低迷、後継者不足、漁獲量の減少、漁港の老朽化などさまざまな問題を抱えていた。

とくに買い手の減少による魚価の低迷は、高浜の漁師の後継者問題にも大きな営業を及ぼしている。漁師がいないと魚が取れない、食べられないというマイナスのスパイラルとなる。深刻化する担い手不足に歯止めをかけるには具体的な仕組みが必要だった。

高浜の未来の魚食スタイルを描き出す。

そんな中、高浜町の地域商社である株式会社まちからは、町の産業。特産品、観光資源まで、地域をまるごと他地域へ売り込み、町を潤わせることを目的としている。漁港に隣接し、リニューアルした水産加工場(はもと加工販売所)を運営。

未利用魚の活用や新しい加工品を研究・開発。「骨があること」「調理しにくいこと」など、魚離れの原因となる不安要素をクリアし、美味しさを追求した加工品の開発に努め、高浜の未来の魚食スタイルを描き出す。

「獲る、作る、売る、伝える」を、
UMIKARAがつなぐ。

©︎Yohei Sasakura©︎Yohei Sasakura

そして、2021年の夏、若挟湾で獲れた新鮮な海産物の販売や食堂での提供、地元漁師たちとの連携で取り組む昼市や漁師体験など、海の文化と恵みを丸ごと体感できる施設「UMIKARA」が誕生する。UMIKARAは、町の地域商社「まちから」、そして漁業関係者とパートナーシップを組んで、「獲る、作る、売る、伝える」を創造している。

高浜漁業の6次産業化施設であるUMIKARAは、商業施設の役割だけでなく、漁業に関わる人たちに潤いを、魚の美味しさを忘れてしまった人たちに気づきを、そして漁業を再生・発展させる責任を背負っている。

若挟を代表する
「魚と食の複合型マーケット」

©︎Yohei Sasakura

高浜漁港近くの立地を活かし、採れたての魚介を新鮮なまま提供する特化型フードマーケットと、干物やオリジナルの特産品など、お土産にも最低な商品を揃えたセレクトショップ、そして、新鮮な魚料理を食べなら海の景色を楽しめるレストランを備えた「魚と食の複合型マーケット」。

青葉山と若狭湾が一望できる屋上テラスや建物周辺の敷地内では、定期的にさまざまなグルメ屋台や体験イベントを楽しむことができ、地元住民の憩いの場として、また、観光客への魅力発信の場を目指している。

漁港に隣接、魚介特化型フードマーケット
「マーケット」
高浜漁港に隣接し、どこよりも新鮮な魚を販売。併設された食堂スペースにて、購入したものを直ぐにその場で食べる事ができる。臨場感やシズル感あふれる、地域密着型の売り場です。店内には、荒天時でも魚が提供できるように活魚用の水槽完備。

若狭のええもん、おすそわけ
「UMIKARA select」
海を見晴らす窓辺の明るいカフェ&ショップ。地産のトマトやハーブを使用したドリンク類やスープ類、オリジナルのクラフトビールなど。ショップで販売している商品や、隣接するワイン売り場の商品などの試食や試飲(有料)も可能。

©︎Yohei Sasakura

おいしい若狭と出会う”みんなの漁港食堂”
「うみから食堂」
スーパーのイートインスペースと食堂が一緒になった、海辺の開放的な空間。子連れも安心の小上がり席もあり、老若男女がリラックスできる「みんなの食堂」。昼は券売機を利用したセルフサービス、夜はフルサービス多様な交流の場を提供。

美味しい楽しい、海風テラス
「UMIKARA TERRACE」
高浜の海と青葉山を眺めながら、開放的なテラス空間で軽食を楽しむことができる。また、夏の夜は、魚介を中心としたBBQグリル&ビアガーデンとなり、地元も観光客も楽しむことができる場所。

定置網漁が最も近くに感じられる昼市
「昼市」
舟から直接卸したばかりの鮮魚を買うことができる、漁港に面した、臨場感たっぷりの昼市。鮮魚のみならず、魚介を使ったワンハンドフードや、地元の野菜や加工品も同時に買うことができる、施設を象徴する名物イベント。

©︎Yohei Sasakurav

水揚げされたばかりの鮮魚売り場や食堂など「魚食」に特化した商業施設という役割のみならず、漁業にかかわる人たちを潤し、魚の美味しさを消費者に伝え、そして漁業を再生・発展させることを目的とする。漁業とともに持続可能な地域となるべく、未来の魚食をつくり出そうとしているこれからの高浜町に注目したい。

高浜町6次産業施設「UMIKARA」
住所|福井県大飯郡高浜町塩土5号1番地
Tel|0770-72-3528
https://www.umikara.co.jp/

水産業につよいまち「福井県」をSDGs視点で解説!

2021年8月現在
解説協力:サステナブル・ラボ株式会社

人間、地球及び繁栄のための行動計画として、持続可能な開発目標として国際的に採択されたSDGs。

17の目標のうちゴール14の「海の豊かさを守ろう」に注目してみると、福井県は「漁獲量及び養殖収獲量の前年比増減率」が全国3位!「研究費当たりの水産技術関連の研究費割合」は7位です。

さらにサステナブル・ラボが都道府県のSDGsデータをAIで見える化したSDGsスコアの「水産業につよいまち」ランキングでは、福井県は全国1位となっています。

福井県は令和2年度から「ふくいの水産業基本計画」という新たな5ヵ年計画を策定。重点施策として「新技術を活かした生産拡大」、「次世代型漁業の創生」、「消費・流通の拡大と漁村の活性化」を掲げています。

高浜町をはじめとした福井県の漁村地域がますます持続可能に、魅力的になりそうですね!

詳しいデータはこちら

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