「丹後ちりめん」創設300年の美と技が詰まった、ドレスの全貌
2020年10月19日まで、渋谷PARCO 1階の「Discover Japan Lab.」で開催中の「丹後ちりめん」のポップアップ。その目玉となるのが、丹後ちりめんの創設300年を記念して、デザイナー・岩谷俊和氏が手掛けた、白生地・着物幅のドレスだ。「Yumi Katsura Paris Couture」の中で「TANGO OPEN “WHITE COLLECTION”」として発表もされる、3着のドレスの全貌を、岩谷氏のコメントとともに紹介する。ぜひ、会場で目の当たりにしてほしい。
『丹後ちりめん』創業300年の門出を祝うドレスを渋谷PARCOで初公開!も合わせてご覧ください
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担当デザイナー
岩谷俊和(いわや・としかず)
文化服装学院アパレルデザイン科を卒業後、アト・ワンズに入社し、2002年にDRESSCAMPをスタート。’12年より桂由美氏のクリエイティブチームに参加。’19年7月、’20年2月にYUMI KATSURA COLLECTIONにおいて丹後生地を使用したドレスを発表した
着物の歴史をアップデートするドレスづくり
通常、ドレス制作には「広幅」が使用されることがほとんどであるが、今回、デザイナーの岩谷氏は、あえて「着物幅(小幅約40cm弱)」を使用。着物生地の新たな活用法を打ち出し、丹後ちりめんの将来に繋げる取り組みとしても注目したい。
岩谷氏は、「300年の歴史を持つ丹後の絹織物は、着物の代表的な生地として和装文化を支えてきました。伝統と格式がもたらす、素材の上質感。そこから培った唯一無二の魅力と技法。そのハイクオリティな素材を用いたドレスが『WHITE COLLECTION』です。これまで日本の伝統技術、伝統文化をドレスにのせて世界に向けて発信してきたYumi Katsura Paris Couture Collectionが、日本文化を世界へ、未来へ紡ぐ新たな美のはじまりをTANGOと共に提案します」と、今回の取り組みへの思いを語る。
「WHITE COLLECTION」として降臨した3着のドレス
萩の花とカキツバタを刺繍した帯封のリボンがついたストレートシルエットのちりめんドレス。
絡み織りと紋意匠を複合させたジャガード織「丸撚り銀―紋紗大波更紗模様―」、無地の絡み織りでありながら紋意匠の技法を取り入れて更紗模様を表現したジャガード織「丸撚り銀―紗更紗柄―」が使用される。
生地提供=安田織物(株)
随所にレースをあしらった、ビスチェ型のキモノドレス。ちりめんの最も特徴的な技術である「水撚り八丁撚糸」の緯糸を使用した、平織のちりめん「渚ちりめん」を使用している。
生地提供=田勇機業(株)
ボリュームのある襟と袖のユニークなミニドレス。
使用される「フレスコ生地」は、着物の絡み織りを駆使し立体的な情を出すため、すべて手織りで制作。経糸には蛍光染、緯糸には生成りでシルクの白のコントラストを表現している。
生地提供=クスカ(株)
丹後の名品も渋谷PARCOに集結!
「WHITE COLLECTION」のドレス3着のほか、会期中(~2020年10月19日)には、丹後の16社による、こだわりの詰まった織物商品、加工食品、地酒なども販売。自宅用、手土産、贈り物にもぜひ!
▽出展事業社
(株)一色テキスタイル
(株)大江
クスカ(株)
タカモトシルク(有)
PARANOMAD
フィルタンゴ
丸仙(株)
安田織物(株)
(株)山藤
遊絲舎
(株)吉村商店
竹中缶詰(株)
長十水産
(株)田園紳士
白杉酒造(株)
谷口酒造(株)
丹後ちりめん創業300年事業実行委員会事務局
Tel|0772-68-5222
Mail|300info@tanko.or.jp
Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO1F
Tel|03-3464-5111
営業時間|10:00~21:00
定休日|不定休
10月23日~11月3日まで、ドレス3 着と新作が見られます!
Yumi Katsura Prêt-à-Porter Collection POPUP
期間|10月23日~11月3日
会場|桂由美ブライダルハウス本店
住所|東京都港区南青山1-25-3 2F 桂由美ブライダルハウス本店
Tel|03-3403-6758(2F フォーマルサロン直通)
営業時間|11:00~18:00
定休日|水曜
text: Discover Japan photo: Kazumi Kiuchi