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『丹後ちりめん』創業300年の
門出を祝うドレスを渋谷PARCOで初公開!

2020.10.4
『丹後ちりめん』創業300年の<br>門出を祝うドレスを渋谷PARCOで初公開!

「丹後ちりめん」を代名詞に、着物素材の産地として和装業界を支える、京都・丹後地域。300年の節目を迎える今年、丹後の人々の念願となる「白生地のドレス」が完成する。

10月6日~19日の期間、渋谷PARCO1階のDiscover Japan Lab.にて、完成したドレス3着を展示予定。丹後発のプロダクトの展示販売も行います。ぜひお越しください!

担当デザイナー
岩谷俊和(いわや・としかず)
文化服装学院アパレルデザイン科を卒業後、アト・ワンズに入社し、2002年にDRESSCAMPをスタート。’12年より桂由美氏のクリエイティブチームに参加。’19年7月、’20年2月にYUMI KATSURA COLLECTIONにおいて丹後生地を使用したドレスを発表した

今回つくられるドレスは3種。帯をイメージした直線的な左、着物を巻き付けたような中央、大胆なアレンジを加えた右
白生地は丹後の神髄。上品な透け感や、繊細な刺繍等、細部に宿る美に注目してほしい

丹後地域は、国内の約7割の和装用後染生地(白生地)を生産する名産地。そんな丹後の神髄といえる「白生地」を、あえて「着物幅(小幅)」のままドレスに仕立てるのは、パリでも丹後の生地の魅力を伝えてきたファッションデザイナー・岩谷俊和氏だ。丹後の職人と素材への深いリスペクトを根底に、革新的にデザインされたドレスには神聖な空気が漂う。

ドレス誕生の背景には、着物の需要が減少する中、着物以外の新しい活用に目を向けようとする丹後の人々の意思があった。そうした中で発足したのが、着物幅(小幅)の白生地による、ウェディングドレスのような現代的な商品の開発を行うことで、新たな着物幅(小幅)活用を図り、丹後ちりめんの将来につなげていくプロジェクトだ。

今回完成する白生地のドレスを、岩谷氏は「Yumi Katsura Paris Couture」の中で「TANGO OPEN “WHITE COLLECTION”」として発表する。

「はじめて現地を訪れたとき、丹後にはものづくりの原点があると感じました。着物はなくしてはいけない、日本の素晴らしい文化。新しいかたちで未来につないでいくために、着物のよさと洋服のよさを生かし合いながら、丹後の白生地の美しさを表現するドレスづくりに挑みました」と岩谷氏。着物の歴史をアップデートする傑作の誕生に注目したい。

丹後の絹織物・ちりめん産業の歩み

東京・原宿にある岩谷氏のアトリエにて


711年
丹後にて絹織物の生産がはじまる

739年
丹後国鳥取郷より「絁(あしぎぬ)」が朝廷に調貢される

1720年
峰山(現・京丹後市)の絹屋佐平治が西陣より技術を持ち帰り、はじめてちりめん織に成功
2年後には加悦谷(現・与謝野町)の木綿屋六右衛門が派遣した、手米屋小右衛門と山本屋佐兵衛が西陣より技術を持ち帰り、ちりめん織に成功

1921年
織物事業者が大同団結し「丹後縮緬同業組合」を設立

1927年
丹後大震災が発生し、産地機業が大打撃を受ける

1928年
組合による「国練検査制度」全面実施。丹後で精練し、検査を直接行う

1973年
生糸価格の暴騰により、丹後機業有史以来の好景気に恵まれる

1999年
「丹後ちりめん」が団体商標として商標登録される

2017年
「丹後ちりめん回廊」が日本遺産に認定

2018年
新ブランド「TANGO OPEN」を創設

2020年
丹後ちりめん創業300年を迎える

 

丹後ちりめん創業300年事業実行委員会事務局
Tel|0772-68-5222
Mail|300info@tanko.or.jp

Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO1F
Tel|03-3464-5111
営業時間|10:00~21:00
定休日|不定休

text: Discover Japan photo: Kazumi Kiuchi
2020年11月号 特集「あたらしい京都の定番か、奈良のはじまりをめぐる旅か」


≫渋谷PARCOで出合う飛騨高山の匠の技【前編】

≫創設300年「丹後ちりめん」の美と技が詰まった、ドレスの全貌

≫有松・鳴海絞りを支える「括り」と「染色」東海道開通から400年続く地域ブランド

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