TRADITION

「和香木(わこうぼく)」
香り高い日本の樹木
|日本の香りの素材

2025.5.10
「和香木(わこうぼく)」<br>香り高い日本の樹木<br><small>|日本の香りの素材</small>

日本古来の香りであるお香には、線香や塗香、薫物などさまざまある。その芳香は、地球が長い時間をかけて育んだ香木や、生薬としても使われる草根木皮をはじめとする自然の恵みから生まれる。今回は、香り高い日本の樹木「和香木」をご紹介。

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「和香木」とは?

日本固有種を含め、日本で古くから親しまれてきた樹木の香りは、神秘性とともに重宝されてきた。近年は和香木として香道の世界でも注目されている。「日本香堂」では、「六種の薫物」や六国五味といった日本のお香文化を踏まえ、下の樹種にアカマツを加えて「和香六木」としてとらえている。

代表的な「和香木」の種類

〈クスノキ〉

丈夫で生育が早く、巨樹となるものも多い。葉や枝から抽出した樟脳(しょうのう)は、防虫・消臭作用で知られる。写真は屋久島産。

 

〈コウヤマキ〉

耐水性に優れ、水廻りの道具に用いられてきた。穏やかに香るため調理道具にも重宝される。清涼感のある森の香り。写真は高野山産。

 

〈杉〉

まっすぐに天高く育つ姿は古来、神の宿る木と考えられてきた。香りのもととして杉の葉の粉を加える杉線香もある。写真は屋久杉。

 

〈檜〉

抗菌性や耐水性に優れ、昔から建築や水廻りの道具に用いられてきた。すがすがしい香りはリラックス効果があるとされる。写真は木曽檜。

 

〈ヒバ〉

抗菌・防虫作用のあるヒノキチオールを豊富に含む、爽快感のある香り。写真は国内蓄積量の約8割を占める青森県のヒバ。

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お香のもとになる“香原料”とは?
 
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日本の香りの素材
01|香木
02|和香木
03|香原料

text: Miyu Narita photo: Maiko Fukui
2025年5月号「世界を魅了するニッポンの香り」

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