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大分・臼杵市《陶芸家・宇佐美裕之、料理家・宇佐美友香》
つくる、触れる、味わう焼物空間
|九州観光まちづくりAWARD2024 金賞 食部門

2024.10.2
大分・臼杵市《陶芸家・宇佐美裕之、料理家・宇佐美友香》<br><small>つくる、触れる、味わう焼物空間<br>|九州観光まちづくりAWARD2024 金賞 食部門</small>

2024年、2回目を迎えた、JR九州が主催する「九州観光まちづくりAWARD」。食・ものづくり・賑わいなど、風土と人を生かしたさまざまな取り組みに触れることは、心震わせる感動の連続! 今回は、九州観光まちづくりAWARD2024 金賞 食部門受賞者「陶芸家・宇佐美裕之、料理家・宇佐美友香」。かつて臼杵で生まれた幻のうつわを、臼杵焼として復活させた宇佐美裕之さんと、そのうつわに滋味豊かな料理を盛りつける妻の友香さん。二人が織りなす、美しいもてなしで盛り上がる「うすき皿山」を訪ねた。

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幻の焼物が、200年の時を
経て復活し、人を呼び込む!

中国茶を臼杵焼で提供する「皿山喫茶室」

平安時代から鎌倉時代にかけて彫刻された国宝・臼杵石仏が鎮座する臼杵市。この地には、約200年前の江戸時代後期に臼杵藩の御用窯としてはじまるも、十数年で途絶えた幻のうつわ・末広焼があった。

宇佐美さんの作品が並ぶギャラリースペースは見応え十分。ぜひ時間を取ってお気に入りを見つけたい

そのうつわを復活させたのが、大阪芸術大学で陶芸を学んだ宇佐美裕之さんだ。家業である「石仏観光センター・郷膳うさ味」を営みながら、地域に人を呼びたいと「USUKIYAKI研究所」を立ち上げ、文献などを読み解き、末広焼を現代風にアレンジした「臼杵焼」として復興。かつては菊の花を模したかたちが多かったが、いま臼杵が蓮の名所であることから、蓮もモチーフにしているという。「うつわは料理の額縁である」という思いでつくられたうつわが放つ美しさ、クオリティの高さに思わず目を奪われてしまう。うつわづくりは、10人ほどの職人の雇用や若手育成にもつながっている。

蓮の花びらをイメージした稜花蓮弁皿1万3200円

また2023年、アトリエやギャラリーが並ぶ、うつわと食の複合施設「うすき皿山」をオープンさせた。ここでは妻・友香さんによる、地元の有機栽培の野菜を生かした滋味深い料理やスイーツを臼杵焼で堪能できる。

写真中央の宇佐美裕之さん、友香さん夫妻を審査員が囲んで。裕之さんが文献を読み込み、臼杵の古い家々を訪ねて末広焼を見せてもらい、その味わいに魅せられていったといううつわの話や、友香さんの彩り豊かな料理の話で視察は大盛り上がり!

菓子研究家・福田里香さんは「ご夫婦それぞれのセンスが素晴らしい」と絶賛。臼杵の歴史、文化、ものづくり、夫妻の思いがひとつになり、うすき皿山で美しいシンフォニーを奏でている。

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ワークショップ、アートなど、五感で臼杵焼に触れられます!

工房の一角で臼杵焼体験ができる。型打ちからろくろでの高台つけまで本格的なうつわづくりを体験できる型打ち体験(3850円~)や、欠けたうつわを直す「臼杵焼金継ぎ体験」1万1000円など
菓子を販売。店内には臼杵焼のほか、宇佐美さんがセレクトした逸品が揃う
中庭では、臼杵焼のうつわを大小何枚も並べて描いた、大きな曼荼羅を発見!うすき皿山では、施設内の至るところでアートを感じることができる

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福岡・宗像市
ひのさと48

 
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うすき皿山
住所|大分県臼杵市深田816-3
Tel|0972-65-3113(石仏観光センター)
営業時間|アトリエ/10:00~16:00、ギャラリー/11:30~16:00、喫茶室/11:30~16:00(L.O.15:30)
定休日|月・火曜、ほか不定休あり(月曜が祝日の場合は水曜休)
https://usukiyaki.com

text: Nozomi Kage photo: Hiromasa Otsuka
Discover Japan 2024年10月号「自然とアートの旅。/九州」

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