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「36ぷらす3」はどう楽しむ?
JR九州×Discover Japan 特別座談会

2020.12.13 PR
「36ぷらす3」はどう楽しむ?<br><small>JR九州×Discover Japan 特別座談会</small>

2020年10月、JR九州の新しい観光列車「36ぷらす3」が運行開始しました。彩り豊かな九州を舞台に、黒い列車が赤、黒、緑、青、金と色分けした5つのルートでぐるりと一周。それぞれに7つ、計35のエピソードを乗せて九州を一周しながら、その魅力を「色」で再発見できる仕掛けです。

Discover Japanでは、色をテーマにした九州旅の連載を2020年7月から開始。今回、JR九州の「36ぷらす3」プロジェクトメンバーとDiscover Japan編集部の特別座談会が実現。誕生秘話や新列車への熱い思いを語り合いました。

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▼JR九州36ぷらす3
www.jrkyushu-36plus3.jp

今回の参加者

余韻、余白を感じる列車旅
「色」で九州を再発見!

中野 JR九州さんと一緒につくり上げてきた「36ぷらす3」沿線の魅力を発信する連載「九州は色で旅する」もついに最終回を迎えます。JR九州さんとの出合いは約2年前でした。

連載「九州は色で旅する」
2020年7・8月合併号から、ルートごとに沿線の魅力を紹介する連載がスタート

 そうですね。2018年の夏に、ディスカバー・ジャパン編集部を訪れる機会があり、九州を一周する列車をつくりたいとお話ししたところ、高橋編集長からもらった「九州の魅力再発見列車ですね」という言葉が、新列車のキーワードになりました。これが“ディスカバートレイン” 「36ぷらす3」という表現につながる、大きなきっかけになりました。

高橋 それはとても光栄です! ありがとうございます。この出合いを機に、西九州を案内してもらい富久千代酒造さんを訪問したり、JR九州さんと編集部で合宿という名の会議をさせてもらいましたね。

富久千代酒造
佐賀・鹿島にある酒蔵で、名酒・鍋島が有名。金のルートで紹介

中野 あの会議で九州を「色」で旅するというテーマが決まりましたよね。色であれだけスポットの候補が出る地域は、九州ならではと感じました。地域の方の反応はいかがでしたか?

 5ルートそれぞれの色が決まって、ホームでおもてなししてくださる地域の方にお伝えすると、歓声が上がりとても喜んでもらえたのが印象的でした。色に合わせたもので乗客をおもてなししようと、皆さん熱意をもって取り組んでくださいました。

 青のルートにある大分・中津駅の駅長も青いマスクや青い靴を買ってホームでお出迎えしてくれるようになりました(笑)。色をテーマにすることで、「今日は黒のルートだね」とお客さまもクルーも意識して、車内で一体感が生まれたのもよかったです。

高橋 色は子どもでもわかるし、イメージが広がるし、いろんな要素を詰め込みやすいのが魅力ですね。

中野 私は北東北にも拠点があるので、北にはない九州独自の原色の華やかさ、土地ごとのカラーがあることに気づけたことが大きかったですね。それを皆さんと共有できたことがとてもうれしかったです。

では、実際に36ぷらす3に乗ってみて、特に好きなルートやおすすめスポットを教えてもらえますか? なかなか選ぶのは難しいと思いますが。

 5つのルートはすべて必ず海が見えるんです。桜島なら黒く穏やかな錦江湾、日向灘は明るいエメラルドに輝く緑の海。ルートのテーマカラーと海の色がだんだん同じ色に見えてきて(笑)。ルートと色がうまくリンクしたなとしみじみ感じました。

日向灘
宮崎県東方に広がる海域。安定した波が寄せるサーフスポットとしても知られる

石井 私はスコールが印象深いですね。車内放送でスコールの紹介があるのですが、それを聞いたお客さまが、SNSで「スコールが車内放送される!」とアップされたりして、これこそ表現すべきだったんだなと感じました。当たり前にあるものに、あえて着目してクローズアップすると、いろんな思いがあることに気づかされるんです。

スコール
宮崎生まれの乳性炭酸飲料。緑のデザインボトルと爽やかな味わいがマッチ

 私は緑のルートがおすすめです。宮崎から大分・別府間は、輸送の路線という印象があり、観光列車が走るところではないと思われがちでした。ですから、延岡や重岡駅でのおもてなしなど、列車での旅そのものの楽しさが、いっそう色濃く出るコースになったと感じています。九州の方にとっても大きな発見になるルートだと思います。

高橋 緑のルートでいただいたお弁当がすごく美味しくて感動しました。車内であのクオリテイはすごい! 実際の店舗に立ち寄りたくなります。地元への貢献は大きいですよね。

 私たちは「自分たちでやる」が基本。この30年間、客室乗務員が自分たちで勉強して自分たちでお客さまに伝えるということを大切にしてきました。また地元の方に協力していただいているところがたくさんある。そのご協力をいただくためには自分たちでやるという熱意が必要不可欠です。

高橋 自分たちでつくろうとする熱意が地域の方を巻き込んで大きな動きになる、それがうれしいですよね。

中野 皆さんは乗客の方々にどんな旅をしてほしいですか?

 この列車だけで終わらない旅にしてほしいです。乗る楽しさ、九州沿線の、そして九州全体の魅力に触れるきっかけになればうれしいです。

石井 列車を降りた後、またその土地を訪れていただきたいです。客室乗務員からのちょっとしたお声掛けで、より楽しんでもらえるよう、サービスの質もグレードアップしていきたいです。

 36ぷらす3は、九州に来てもらうことが目的の列車です。世界的に大変な状況が続いていますが、あらためて旅そのものの楽しさ、鉄道っていいね、と思ってもらえる、余韻や余白を楽しんでもらいたいです。

高橋 私も実際に緑のルートを降りた後に別府へ立ち寄り温泉ざんまいでした。特に鉄輪むし湯が最高でした。36ぷらす3に乗るとこれまで見えなかった新しい九州に出合える、そう実感しました。これぞ、九州“再発見”ですね!

鉄輪むし湯
緑のルートで紹介した大分・別府の公衆浴場。薬草の蒸気で蒸す温泉
車内では、各ルートの魅力が丸わかりの冊子を用意。沿線のストーリーや、移り変わる車窓の景色を案内してくれる!

「36ぷらす3」とは?
九州の魅力がぎゅっーと詰まったD&S列車。テーマカラーが異なる5つのルートに九州を楽しむ35のエピソードを詰め込んで乗客を迎えてくれる。

車両数|6両編成
席数|103席(全席グリーン)
施設|ビュッフェ、マルチカーなど
商品概要|食事付きの「ランチプラン」ときっぷのみで気軽に乗れる「グリーン席プラン」の2種類。木曜ランチプランは大人1名2万500円〜
▼詳細はこちら
www.jrkyushu-36plus3.jp/guidance/

Rail Data
木曜|博多▶熊本▶鹿児島中央
金曜|鹿児島中央▶宮崎
土曜|宮崎空港・宮崎▶大分・別府
日曜|大分・別府▶小倉▶博多
月曜|博多▶佐賀▶長崎▶佐賀▶博多

九州は色で旅する。
1|~赤編~
2|~黒編~
3|~緑編~
4|~青編~
5|~金編~
6|~総集編~
7|~特別座談会~

text:Nozomi Kage photo:Hiromasa Otsuka illustration:A&W Design
2021年1月号「温泉と酒。」


≫女優 奈緒が母の故郷・熊本をめぐる

≫「地獄めぐり」の別府温泉をはじめ、多数の温泉が湧く「大分県」

≫古事記・日本書紀に描かれる神話の舞台「宮崎県」

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