《広島》で日本遺産から
石が育んだ文化を知る
香川の歴史とものづくりをめぐる塩飽諸島のクルーズへ
涼しい海風を感じる秋は、島旅のベストシーズン。香川の歴史とものづくりが息づく島々をクルーズ船でめぐる、アイランドホッピングツアーが新たにはじまった。 今回は、日本遺産から石が育んだ文化を「広島」を通して知る。
塩飽諸島で一番大きな広島は、廻船業で栄えた豪邸「尾上邸」が残る。また花崗岩の一種・青木石の採石で発展した歴史をもち、日本遺産「せとうち石の島」のひとつ。島内の随所に巨大な採石跡地があり、生い茂る緑の中に突如現れる岩肌は圧巻。石の島ならではの景色だ。
また、広島には塩飽諸島の最高峰である王頭山(312m)があり、山頂付近は風化した花崗岩による砂漠の中に、風化しかけた巨大な花崗岩が点在することから、「王頭砂漠」と呼ばれている。
王頭砂漠
登山口からおよそ1時間で、天空の砂漠のような世界に到着。ゴツゴツとした岩の向こうに、瀬戸内海と塩飽諸島の島々が展望できる。
住所|香川県丸亀市広島町
問|広島市民センター
Tel|0877-29-2030
尾上邸
江戸時代末期に廻船業により財を成した、尾上家の住宅。長屋門、母屋など随所に塩飽大工の高い技術力がうかがえる。青木石を積み上げた石垣も圧巻で、日本遺産「せとうち石の島」の構成文化財のひとつとして登録されている。
住所|香川県丸亀市広島町立石443
Tel|0877-29-2332
料金|一般1万円、小学生以下5000円、未就学児無料
https://onoetei.wixsite.com/official
※宿泊予約がない場合は、事前予約で見学(500円)も可能
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地産地消のクラフト
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1|はじまり
2|江戸時代からの姿を残すかつての塩飽水軍本拠地《本島》
3|《広島》で日本遺産から石が育んだ文化を知る
4|《手島》の小さな集落から生まれる地産地消のクラフト
text: Akiko Yamashita photo: Shintaro Miyawaki, Mikuto Tanaka
2023年11月号「京都」