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ガラス職人・田井将博
|毎日使いたいガラスのうつわ

2021.8.5
ガラス職人・田井将博<br>|毎日使いたいガラスのうつわ

見て美しく、手にして使いやすい、田井将博さんのガラスのうつわ。多くの人が魅了され、食卓の定番として愛用するファンが絶えない、田井さんのうつわはどのように生まれるのか。香川県の工房を訪ね、うつわづくりの背景をじっくり見せてもらいました。

紹介する商品は、渋谷パルコDiscover Japan Lab.および公式オンラインショップにて入荷予定。大人気のためお求めの方はいますぐチェックを!

田井将博(たい まさひろ)
1977年、香川県高松市生まれ。香川県立高松工芸高等学校デザイン科卒業。’99年、倉敷芸術科学大学工芸学科ガラスコース卒業後、岡山県清音村(現・総社市)で石川昌浩さんとともに硝子工房ライを設立。2003 年に独立し、香川県綾川町にガラス工房「グラスタイム」を設立。’02年、工芸都市高岡クラフトコンペティション審査員賞・特別賞。琥珀色のガラスを巻いた「輪花モール」シリーズは田井さんを象徴する作品。
@glass_tai.m

一瞬の驚きよりも日々の感動を大切に

印象的な縁取りはこうして生まれます! 琥珀色のガラスで縁取った「輪花モール」シリーズのうつわは、アンティークの雰囲気を醸しつつ毎日使いたくなる安定感が魅力

香川県中部、綾川町の田園風景にぽつんと建つ、「グラスタイム」の工房を訪ねると、田井将博さんとアシスタント二人が息の合った動きでひとつのガラスのうつわをつくっていた。田井さんが整形した透明なガラスの上から、アシスタントの女性が熱して赤くなったガラスをのせていく。花びらをかたどった縁に、琥珀色のガラスをまとわせた「輪花モール」シリーズは、この工房で生まれている。

のどかな田園風景に建つ「グラスタイム」の工房では、毎日さまざまなうつわが生まれている

田井さんがガラスの世界に入ったきっかけは、倉敷芸術科学大学の学生だった頃。倉敷ガラスで知られる作家・小谷眞三さんの工房を訪れ、手づくりのレンガ窯を見て興味をもったという。やがて地元の香川で自身の工房をもち、さまざまな作品をつくっては都市部のショップで販売してもらおうと自ら営業活動に出ていた田井さん。しかし当時は、作風が定まらず、さまざまなかたちや模様をつくっては模索していた。

そんな中、営業で訪れたアンティークショップが気に入り、「その店に似合ううつわをつくろう」と思い立って誕生したのが、輪花モールシリーズだった。

金属粉を混ぜたガラスで縁取ると、色が変化して琥珀色になる。金属粉の配合によって色の濃淡が出るのも味わい深い。現在は、琥珀色のほかに深いグリーンのシリーズもある。

ふたつの窯を使い分け、ガラスを何度も出し入れしながら作品をつくる。アシスタントとともに朝から夕方までひたすらつくり続けても、1日に20枚程度しかできないという

田井さんがつくるうつわは、品がありつつも、ぽってりとした厚みをもち安定感がある。

「僕自身、グラスで飲み物を飲むときに、割ってはいけないという緊張感がありました。けれど僕がつくりたいのは、毎日使ってもらえるような暮らしのうつわ。気軽に使えるよう、厚みと重さのバランスを考えています」

そう話す背景には、恩師の小谷眞三さんによる教えが根づいている。
「はっと驚くような作品ではなく、人を感動させるガラスをつくりなさい。そう言われたのです」

手に持つと、厚みのあるガラスに温かみを感じる。和洋さまざまな料理をのせて毎日の食卓に並ぶ。ちょっと手が当たったくらいでは転ばない安定感がある。そうした、日常に寄り添ったうつわは、人々の日々にじわじわと感動を与えているのだ。

ぽってりとしたガラスの縁に、終盤で放射状の型で模様をつけた途端、輪花モールのかたちが浮かび上がる
棚に並べてしばらくすると温度が下がることで縁取りが琥珀色に変わる

Discover Japan Lab.で出合う
田井さんのうつわ

「Discover Japan Lab.」でも高い人気を誇る3つのうつわにフィーチャー。公式オンラインショップからも購入できます!

田井さんの食卓を拝見!
見た目だけでなく、使い心地を大切にしているため、試作品は必ず使ってみるそう。料理を盛り付けたときの見栄えや、食卓に運ぶ際に感じる重さなど、妻の意見を取り入れながら改良を重ねる

ふわっと花が開いたような
料理が際立つフォルム
「輪花モール平鉢」

絶妙な大きさは山盛りのかき氷が似合う

かき氷のうつわをイメージしてつくったという、定番人気シリーズ。おひたしなどの素朴な副菜も、真ん中にちょこんと置くだけで、食卓のおしゃれ度がぐっと上がる。

SIZE|Φ150 Å~ H45㎜ WEIGHT|220g  PRICE|3850円
≫購入はこちら

カフェオレをつくりたくなる魅惑のグラス
「カフェオレグラス」

試作品がインスタで人気爆発!

試作品にスタッフが2層仕立てのカフェオレを入れてSNSに投稿したところ、話題となり定番商品に。下に重心が置かれているので安定感抜群でうっかり倒れる心配もなし。

SIZE|Φ66 Å~ H137㎜ WEIGHT|230g PRICE|6600円
≫購入はこちら

料理はもちろんデザート皿にも
「輪花モール鉢 (小)」

ぽってりとした手のひらサイズの小鉢

しっかりと厚みのあるうつわは、和の総菜にもぴったり。ガラスなので、アイスクリームなどのプリデザート皿としても使え、和洋問わず登場シーンが多そう。

SIZE|Φ105 Å~ H45㎜ WEIGHT|135g PRICE|3300円
≫購入はこちら

 

 

 

田井将博の作品一覧

text: Akiko Yamashita photo: Shintaro Miyawaki
2021年9月号「SDGsのヒント、実はニッポン再発見でした。」


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