《信濃屋 ワイン館》この夏イチオシのウイスキー6選
|名酒販店が選ぶ!夏にこそ味わいたい酒⑪
明治時代に創業した老舗から新進気鋭の酒販店まで、日本酒、焼酎、クラフトビールなど6つのジャンル別に、夏におすすめの日本の酒とその愉しみ方をご紹介。
今回は、100年近い歴史を誇る東京の老舗酒店「信濃屋」が登場。定番品から稀少な銘柄まで手広く取り揃える中から、この夏イチオシのウイスキー6銘柄を挙げてもらった。
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<ブレンデッド>
01|イチローズモルト&グレーン クラシカルエディション
現代によみがえったオールドブレンデッド
1980年代後半の「JOHNNIE WALKER」や「WHITE HORSE」の味わいをイメージして造られた一本で、同銘柄のホワイトラベルと比較してモルトの比率が大きい。スモーキーな原酒を使用することでピート香がアクセントになっており、どっしりとした立体的な甘さも感じられる。濃いハイボールにして飲むと、味わいのよさが生きる。
[ハイボール]
価格|7700円/700㎖
原材料|モルト、グレーン
アルコール度数|48度
問い合わせ|秩父蒸溜所
Tel|0494-62-4601
<ブレンデッド>
02|イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル
ハイボールで樽ごとの違いを感じて
埼玉・秩父にある秩父蒸溜所の代表銘柄。ボトル裏にバッチナンバーが表記され、番号ごとに微妙な味わいの差がある。ブレンダーが試行錯誤を繰り返すことで、ボトルによってスモーキーさが強かったり、甘さが前に出ていたりと、個性を楽しめるのがクラフトウイスキーの長所。ハイボールにすると香りの差がわかりやすい。
[ストレート][ハイボール]
価格|4235円/700㎖
原材料|モルト、グレーン
アルコール度数|46度
問い合わせ|秩父蒸溜所
Tel|0494-62-4601
<ブレンデッドモルト>
03|GREEN DRAM
ハーフロックで香りも涼やかな一杯に
大分・竹田の久住蒸溜所による、ブレンデッドモルトウイスキー。世界各国の原酒を使用しつつも、久住で醸された若い原酒をしっかりと使用することで、より“らしさ”を楽しめる一本に。ナチュラルな味わいの設計に、同社のこだわりが感じられる。水1:ウイスキー1:氷でつくるハーフロックでいただくのがおすすめ。
[ハイボール][ハーフロック]
価格|7700円/700㎖
原材料|モルト
アルコール度数|46度
問い合わせ|久住蒸溜所
Tel|0974-76-0027
ウェブサイト|https://kujudistillery.jp
<ジャパニーズグレーン>
04|シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士
バーボンロック風で夏にぴったり
グレーンウイスキーは、もともとはモルトのよさを伸ばす目的で使用されるもの。それが静岡・御殿場の富士御殿場蒸溜所により、「クリーン&エステリー」をモットーに、プレイヤーとして戦えるウイスキーとして登場した。澄み渡ったフルーティな香りが特徴的で、ロックで飲むと味わいの変化を楽しみやすい。
[ハイボール][ロック]
価格|6600円/700㎖
原材料|グレーン、モルト
アルコール度数|46度
問い合わせ|富士御殿場蒸溜所
Tel|0550-89-4909
ウェブサイト|www.fujiw.com
<シングルモルト>
05|YUZA シングルモルト ジャパニーズウイスキー サードエディション2023
暑さを忘れるクリーンな味わい
焼酎メーカーで造られたシングルモルトで、伝統的なスコッチウイスキーの製法を採用している。味わいはクリーンで素直。ミズナラ樽で熟成することでオリエンタルな香りを感じることができ、熟成年数が進むにつれて味わいに重奏感が出てくる。ストレートでも美味しいが、ハイボールにすると繊細な香りが開く。
[ストレート][ハイボール]
価格|1万6500円/700㎖
原材料|モルト
アルコール度数|55度
問い合わせ|遊佐蒸溜所
Tel|0234-25-5321
ウェブサイト|https://yuza-disty.jp
<シングルモルト>
06|シングルモルト ジャパニーズウイスキー 桜尾
暑い日に飲みやすい軽めのボディ
個性がはっきりした酒質。出荷前の桜尾を寝かせている海沿いの熟成庫は、寒暖差の影響から一年を通して樽の呼吸が大きく、熟成が早く進むという。樽の影響は十分に受けられるため、豊かな樽香があり、青リンゴやバナナのようなニュアンスを感じられる。ストレートで楽しめる、夏にぴったりな軽めのボディ。
[ストレート][ハイボール]
価格|6600円/700㎖
原材料|モルト
アルコール度数|43度
問い合わせ|SAKURAO DISTILLERY
Tel|0829-32-2111
ウェブサイト|www.sakuraodistillery.com
※紹介する酒は季節限定銘柄なども含むため、売り切れの可能性があります。
個性を引き出すハイボールが◎
100年近い歴史を誇る東京の老舗酒店「信濃屋」。品揃えのよさに加えて、価格の安定感が強みだと、チーフスピリッツバイヤー・秋本勇達さん。
「『山崎』の例でもわかるように、昨今のウイスキー人気で需要に供給が追いつかず、転売などもあって市場は大変な高騰を見せています。ですが、弊店は入荷さえあれば適正価格で販売していますから、その点では購入しやすいと思います」。
2009年に「角ハイ」からはじまるハイボールブームが訪れて以降、その波はいまも健在だ。「世界各国の人が日本を訪れハイボールを飲んで、その美味しさに感動し、自国に持ち帰る流れも起こっています。ハイボールは邪道な飲み方という意見もありますが、ウイスキーのいろいろな表情を引き出すことができる、非常によい飲み方なんです」
クラフトウイスキーの参入もあり、より多彩な広がりを見せるウイスキー業界は、若者からの注目度も高い。
「知識がついてくると、バーでの飲み比べなどが一段とおもしろくなりますよ」
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この夏イチオシのワイン10選
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信濃屋 ワイン館
住所|東京都世田谷区代田1-42-1 秋元第一ビル
Tel|03-3412-2418
営業時間|11:00〜22:00、土・日曜、祝日10:00〜22:00
定休日|なし
ウェブサイト|https://shinanoya.co.jp
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text: Misato Aizawa(Baboon Inc.) photo: Norihito Suzuki
Discover Japan 2024年6月号「おいしい夏酒」