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宮崎の美味しいと自然と文化を巡る旅
カカオディレクター 石原紳伍

2022.8.12
宮崎の美味しいと自然と文化を巡る旅<br><small>カカオディレクター 石原紳伍</small>

いまからワクワクが止まらない夏の旅計画。日頃から全国各地を拠点に活躍中の気になるアーティスト9人にも、この夏、旅に出るならどこへ? とうかがってみました。今回は、MAISON CACAO創設者兼カカオディレクター、石原紳伍さんに、夏旅スケジュールを伝授してもらいました!

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〈お話をうかがった方〉
石原 紳伍(いしはら・しんご)
1984年、大阪府生まれ。2015年に鎌倉でMAISON CACAOを創業。カカオの可能性を探求するカカオディレクターとして日本全国をめぐり、旬の素材とチョコレートを掛け合わせた新体験を提供する。
https://maisoncacao.com

美味しい自然と文化を探しに行く
夏の1泊2日旅

木崎浜サーフポイント

太陽を浴びに行こう。この数年、僕は宮崎に通い続けている。空港に着いたらそこは南国。太陽の明るさと気持ちいい風が出迎えてくれる。

短パンとTシャツに着替えて海に直行。サーフポイントを見に行き、波がよかったら入水。波がない場合はビーチを散歩する。アフターサーフは決まって青島にある「釜揚うどん岩見」。少しカレー風味のする鯵フライを食べた後に釜揚げうどんをつるっとひと口。つける出汁が少しずつ薄くなり、最後は飲み干して完食。そこから、太陽の恵みをたくさん浴びた柑橘、マンゴー、ライチなどの果実を探しにいく。宮崎は果実の楽園なのだ。

チョコレートに合わせる素材は香りがとても大切なので、水源はどこか聞いてみる。美味しい水でつくられた農作物は味が濃く、香りが華やかなものが多い。実は宮崎にはワイナリーもある。「都農ワイン」で使用されるブドウ品種(キャンベルアーリー)は酸味とエレガントな香りがあり、チョコレートに合わせると、余韻も長くセクシーな味わいに。自然と向き合い、日々想いを積み重ねた果実をチョコレートに合わせ、お客さまに「驚き」としてお届けしたい。

宮崎といえば焼酎の生産が全国1位でもあり、素晴らしい蔵がたくさんある。中でも「黒木本店」の酒造りの姿勢、こだわりは学ぶべきことがあり、よくうかがう。主原料の麦、芋も自ら栽培し、原料を発酵させてつくる焼酎造りの工程はカカオからチョコレートをつくる工程にも似ている部分が多い。香りの表現や、素材の可能性を引き出すエッセンスにはとても共感する。そろそろ夕方になってきた。

ディナーに出発しよう。

マンゴーの実

まずは青島の海が一望できる僕のお気に入りの宿へ。温泉に入り、気分も変わったところで街に出掛ける。宮崎牛の赤身やホルモンが楽しめる焼肉店「みょうが屋」は宮崎に来たら必ず訪れたい店。黒木本店の別蔵・尾鈴山蒸留所の限定酒・山ねこをソーダ割りで乾杯。2杯目からは麦焼酎「中々」のソーダ割りにレモンを加えて、宮崎牛と焼酎をごくごくと身体に流し込む。〆は「元祖辛麺東風屋(こちや)」へ。一辛から二十五辛まで辛さが選べるが、僕は五辛を頼む。麺とスープのバランスが絶妙で、一日の締めくくりに最高だ。

MAISON CACAOは旅をしながら開発のイメージを膨らます。同じ風景を見て、匂いや感覚を肌で感じる体験が製品の仕上がりを格段に上げてくれる。そしてまた、旅に出ると、時に未知に出会える体験ができる。だから旅はおもしろい。明日も早朝から太陽を浴びに行こう。

旅のスケジュール

木崎浜
住所|宮崎県宮崎市熊野2206-1

①釜揚うどん岩見
住所|宮崎県宮崎市青島2-9-5
Tel|0985-65-1218
営業時間|11:00〜17:00(L.O.16:30)
定休日|火曜(臨時休業あり)

②黒木本店
住所|宮崎県児湯郡高鍋町北高鍋776
Tel|0983-23-0104
www.kurokihonten.co.jp

③みょうが屋
住所|宮崎県宮崎市末広1-7-7
Tel|0985-28-2302
営業時間|18:00〜22:00
定休日|火曜

④元祖辛麺東風屋
住所|宮崎県宮崎市中央通7-27
Tel|0985-20-0843
営業時間|18:00〜翌1時
定休日|不定休

 

高知の美酒と美景を味わう旅
 
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illustration: Saki Machida
Discover Japan8月号「美味しい夏へ出掛けよう!」

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