祝3周年!走る九州列車《36ぷらす3》
黒で旅する鹿児島⇒宮崎【後編】
|この春、新停車駅「霧島神宮駅」が生まれ変わる
JR九州のD&S列車「36ぷらす3」は、地域に愛されて3周年を迎えた。さらに進化し続ける、列車旅の最前線をレポート! 今回は、2024年3月22日リニューアルする「霧島神宮駅」の新しい姿とその魅力を紹介します。
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おもてなし駅
「霧島神宮駅」到着!
鹿児島中央駅を「36ぷらす3」に乗って出発し、約1時間半で最初のおもてなし駅である霧島神宮駅に到着。霧島神宮駅は、2024年3月22日に駅舎が大リニューアルするいま話題の駅だ。
今回のリニューアルは、ローカル駅の活用を通じて地域の賑わいを創造するJR九州のプロジェクト「DREAM STATION」の一環で、鹿児島の住宅デザイン会社「IFOO」の協力により実現。“時間の中に埋もれた価値に光を当てる”という企業理念の下、代表・八幡秀樹さんが過疎化した地元を盛り上げたいと手を挙げた。
「霧島神宮駅から霧島神宮までは徒歩で約1時間のため“霧島神宮が遠い最寄駅”と呼ばれた時期もありました」と八幡さん。その不便さを逆手に取り、IFOOが提案するのは“まつる駅”だ。待つる・祀る・祭る・奉るという霧島神宮の地ならではの4つの“まつる”をテーマに、駅での時間を楽しむ、旅の目的そのものとなる駅舎を目指している。駅舎内には九州の名産品の販売やガレットを提供するカフェなど、食の拠点になる「茶屋」が完成予定。建材には鹿児島の杉を多用し、鹿児島大学農学部附属演習林から切り出した高さ4mの杉を霧島神宮の御神木としてとらえ配した生命を感じる空間に、誰もが神々しさすら感じるだろう。
IFOOの地域への熱い想いは波紋のように広がり、プロジェクトに賛同する地元企業が集まったことで、駅のそばに石蔵を利用した飲食店やギャラリー、さらに鹿児島の木材を生かしたサウナも誕生予定で期待が高まる!
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ふたつ目のおもてなし駅
「大隅大川原駅」へ
霧島神宮駅を出発すると、その次は「大隅大川原駅」に到着。大きなイチョウの木が見事な無人駅に降り立つと、地元の人のキッチンカーが迎えてくれ、豊かな自然の恵みが凝縮したグルメや素朴なおもてなしが心を温めてくれる。
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自分のエピソードを加えて
「36ぷらす3」の旅は完成!
出発3分前を告げるクルーが鳴らす鐘の音を聞きながら、列車に乗り込んで一路宮崎駅へ。ますます盛り上がる「黒」のルートをたどる列車旅へ出掛けてみてほしい。
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Rail Data
◎木曜/博多▶熊本▶鹿児島中央
◎金曜/鹿児島中央▶宮崎
◎土曜/宮崎空港・宮崎▶大分・別府
◎日曜/大分・別府▶小倉・博多
◎月曜/(佐世保行)博多▶佐賀▶肥前浜▶武雄温泉▶早岐▶佐世保
(博多行)佐世保▶早岐▶有田▶武雄温泉▶江北▶佐賀▶新鳥栖▶鳥栖▶博多
Train Data
名称|36ぷらす3
車両数|6両編成
席数|105席(全席グリーン)
施設|ビュッフェ、マルチカーなど
商品概要|食事付き「ランチプラン」、乗車のみ「グリーン席プラン」の2種類
料金|ランチプラン大人1名1万2600円~(座席)、1万7600円~(個室)
※3月21日から座席1万3600円~、個室1万8600円~
※その他料金詳細は→ www.jrkyushu-36plus3.jp/guidance
text: Nozomi Kage photo: Hiromasa Otsuka
Discover Japan 2024年4月号「日本再発見の旅」