TRAVEL

日本最西端の秘境、西表島【後編】
《世界自然遺産をめぐる旅》

2021.9.9
日本最西端の秘境、西表島【後編】<br><small>《世界自然遺産をめぐる旅》</small>
西表島は海の美しさも大きな魅力。船でしか行けない秘境中の秘境の集落・船浮にある白砂が美しい「イダの浜」は、まるでプライベートビーチ

2021年7月26日、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が新たに世界自然遺産に登録されました。各エリアの見どころや評価されたポイントを「生物多様性」をキーワードに紹介していきます。

≪前の記事を読む

西表島の旅のヒント

川、山、海、自然の魅力が盛りだくさんの西表島。日本のエコツーリズムを牽引する島になりそう。

こんな植物がある!

サキシマハブカズラ、ヤエヤマカンアオイ、ヤエヤマヒメウツギ、コケタンポポ、コウトウシュウカイドウなど59種の固有種、6種の国際的絶滅危惧種が記録されている。島の約90%が森林だが、中でもケナガエサカキ-スダジイ群集が全体の67%を占め、マングローブ林と合わせると島の70%が常緑広葉樹に覆われている。仲間川では平らな板状の根「板根」を発達させるサキシマスオウノキの群落が見られる。

コケタンポポ
コウトウシュウカイドウ

こんないきものがいる!

西表島最強のいきものであるイリオモテヤマネコを筆頭に、代表的なほ乳類としてヤエヤマオオコウモリやリュウキュウイノシシ、鳥類ならカンムリワシ、爬虫類はヤエヤマセマルハコガメやサキシマカナヘビ、サキシマスべトカゲ、両生類はリュウキュウアカジカガエル、コガタハナサキガエルなど、この島ならではの固有種・亜種が暮らす。昆虫類では日本最大の蝶・ヨナグニサンも。絶滅危惧種も含まれる。

西表島への理解が深まる代表的な見どころ

仲良川のマングローブ林をカヌーでゆく。汽水域で育つマングローブだが、海水を好んでいるわけでないため、上流にいき塩分が少なくなるほど立派で大きくなっていくのが興味深い。途中、アダンやサガリバナなどが咲いているのも見られる。

 

イリオモテヤマネコを深く知るなら!
絶滅の恐れがある野生生物の保護や調査研究を行っており、島のいきものや自然について剥製や写真から学べる施設。特にイリオモテヤマネコに関しては、生態や保護対策、目撃情報など詳しく解説。

西表野生生物保護センター
所|沖縄県八重山郡竹富町古見
Tel|0980-85-5581
開館時間|10:00〜16:00
休館日|月曜(祝日の場合は翌火曜も休館)、祝日、慰霊の日

西表島のネイチャーツアー

西表島には「竹富町観光案内人免許」を取得した自然観光ガイドがいる。「救命救急」や「水難救助員」の資格など、さまざまな要件を満たし免許を取得しているので、ジャングルでのアクティビティも安心。自然への理解を深め、守るエコツーリズムを実践しよう。きちんと免許をもっているガイドかHPで確認の上、ツアーに参加を。

https://www.town.taketomi.lg.jp/soshiki/1561941707/1618904905/1617000991

食べる&泊まる

絶品マンゴージュースと八重山そば
マンゴー農家が営む八重山そばの店。とろとろに煮込まれたソーキをのせたボリューム満点の軟骨ソーキそば(750円)が美味。食後には濃厚な生マンゴージュース(600円・季節限定)をぜひ。

美々
住所|沖縄県八重山郡竹富町上原397-57
Tel|0980-85-7178
営業時間|11:00〜14:00、18:00〜21:00(L.O.20:00)、金曜11:00〜14:00
定休日|土曜

 

エコツーリズムホテルを目指すリゾート
自然環境の保護、持続可能な観光の仕組みづくりを目指し、エコロジカルなホテル運営、島の魅力と価値を感じるネイチャーツアー、イリオモテヤマネコの保護活動の3つの取り組みを行っている。

星野リゾート 西表島ホテル
住所|沖縄県八重山郡竹富町上原2-2
Tel|0570-073-022(10:00-18:00)
料金|1泊朝食付1万4000円〜(税・サ込)

西表島までのアクセス

飛行機+船
まずは石垣島へ。
羽田空港・成田空港から石垣空港まで約2時間50分〜3時間30分、
関西国際空港から石垣空港まで約2時間25分など。
石垣島から西表島までは、
石垣港離島ターミナルから大原港へ約40分、
石垣港離島ターミナルから上原港へ約45分(高速船の場合)

text: Discover Japan photo: Yuichi Yokota
Discover Japan 2021年8月号「世界遺産をめぐる冒険」

沖縄のオススメ記事

関連するテーマの人気記事