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日本最西端の秘境、西表島【前編】
《世界自然遺産をめぐる旅》

2021.9.9
日本最西端の秘境、西表島【前編】<br><small>《世界自然遺産をめぐる旅》</small>
仲良川のマングローブ林を約2時間カヌーで漕ぎ、約30分程度トレッキングをして、ようやくたどり着けるナーラの滝。広々とした滝つぼで泳ぐこともできる

2021年7月26日、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が新たに世界自然遺産に登録されました。各エリアの見どころや評価されたポイントを「生物多様性」をキーワードに紹介していきます。

島の約9割がジャングル!
日本最後の秘境の島

島のほとんどが手つかずのジャングルに覆われている亜熱帯の秘境・西表島。日本にまだこんな場所があったのかと思わせる壮大な自然をカヌーやトレッキングなどで楽しめる島だ。

西表島は東の一部を除き、全体が標高300〜450mの起伏がある島だ。南部には仲間川、北部には沖縄最長の川・浦内川をはじめ、大小無数の川が流れ、川は山地を削って深い谷をつくり出している。沖縄で最も落差が大きい「ピナイサーラの滝」や「マリユドゥの滝」、「神の座」を意味する「カンビレーの滝」をはじめ、100を超える滝がある。また河口には日本最大のマングローブ林が広がる。メヒルギとオヒルギのほか、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ、マヤプシキ、ニッパヤシを加えた全7種があり、これは日本のマングローブ林で見られるすべての種類だ。滝やマングローブ林は、カヌーやトレッキングで楽しむことができるが、きちんと知識をもった認定ガイドによるツアーに参加をしたい。島の環境を守るのはもちろん、ジャングルを安全に楽しむためにも重要だ。

そして「ヤマネコが生息する世界最小の島」でもある。絶滅危惧種になっているイリオモテヤマネコだが、交通事故やノネコからの病気の感染などが問題となっている。イリオモテヤマネコを交通事故から守るため、道路標識や侵入防止のフェンスの設置、道路構造の工夫などを行っている。島に住んでいる人でも出会うのは難しいイリオモテヤマネコだが、車道に現れることがあるので、島内では十分に注意して運転することが必要だ。また病気のイリオモテヤマネコの保護飼育や野生復帰にも取り組んでいる。

島の西部に位置する星のかたちをした砂がある「星砂の浜」。波が穏やかで、大きな岩があり魚もたくさん。海水浴やシュノーケリングが楽しめる

秘境探検が楽しめる西表島。人がほぼ足を踏み入れていない島だからこそ、世界自然遺産になったことで環境が悪化することはあってはいけない。訪れるほうも島の環境を守る意識をしっかりともつ、エコツーリズムが必要だ。

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text: Discover Japan photo: Yuichi Yokota
Discover Japan 2021年8月号「世界遺産をめぐる冒険」

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