東京農業大学
「食と農」の博物館へ行こう!
日本の食と農のレガシーを具現化!【後編】

東京農業大学の世田谷キャンパス正門から歩いて2分ほどの場所に、大きな鶏の像とスタイリッシュな外観が目印の東京農業大学の「「食と農」の博物館」がある。日本の食文化と農業の魅力を発信する博物館に潜入した。
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日本の食と農の歴史のめぐり方
①まずはトラクターがお出迎え!

「KOMATSU WD30」はいすゞ自動車DL型ディーゼルエンジン搭載の国産トラクターの最初期モデル。動態展示のためいつでも動かせる。
②世界中のリンから農大の実績を知る

化学肥料の製造に不可欠なリン鉱石を南礼蔵が世界中から収集。南研究室所属の麻生昇平教授が整理した「南・麻生コレクション」。
③約120体の鶏の剥製に圧倒される

日本では当初、色や鳴き声を愛で楽しまれてきた鶏。世界中のすべての鶏の野生原種といわれる東南アジア原産セキショクヤケイの剥製も。
④卒業生の蔵元が一堂に会する展示も

人気の「銘酒紹介コーナー」には、北から南まで卒業生の蔵元約70軒のカラフルなボトルが並ぶ。日本の酒造りは東京農業大学が支えてきたのだ。
⑤酒に関するコレクションも見逃せない

酒米を蒸すための大きなうつわである甑や、臼、抱き樽、溜め桶、写真の仕込み桶や酒器など、酒に関する貴重な逸品も展示。
⑥再現された農家で当時の生活に触れる

農家の古民家を再現したジオラマ「村の古民家」。古農具が実際に使われていた様子と歴史的背景がイメージしやすい。
⑦バイオリウムの植物で世界一周!

「バイオリウム」は博物館に隣接する進化生物学研究所が運営する展示温室。マダガスカルや南米に焦点を当て生物多様性を紹介。
⑧最後はマダガスカルの猿「レムール」に癒される

レムールは日本ではキツネザルと呼ばれているマダガスカル生まれの猿。黒や灰、茶など多彩な色の個体が揃う。毎年繁殖も盛んだ。
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「食と農」の博物館
住所|東京都世田谷区上用賀2-4-28
Tel|03-5477-4033
開館時間|9:30~16:30(最終入館16:00)
休館日|日・月曜、祝日、大学が定めた日 ※臨時休館あり
料金|無料
www.nodai.ac.jp/syokutonou
バイオリウム
住所|東京都世田谷区上用賀2-4-28
Tel|03-3420-7449
開館時間|9:30~16:30(最終入館16:00)
休館日|日・月曜、祝日、大学が定めた日 ※臨時休館あり
料金|無料(ツアーは有料)
www.nodai.ac.jp/rieb/biorium/index.html
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text: Seika Mori photo: Atsushi Yamahira
2025年6月号「人生100年時代、食を考える。」