おひとりさま、一人旅歓迎の温泉旅館や名旅館はこちら！

せっかくの休日。大人のひとり旅に出るのなら、宿選びにもとことんこだわりたい。１日ゆっくりと過ごすための宿は、極上の温泉や旅先の特産品や旬な食べ物を味わえる食事、手厚いおもてなしも欠かせない。今回は、そんな全国のこだわり宿を厳選してご紹介。

【東北】

名湯と地酒を心ゆくまで楽しめる
福島県「お宿 花かんざし」

安達太良山のふもとに位置し、開湯1200年の歴史を誇る岳温泉。その中にある「お宿 花かんざし」では、源泉掛け流しの露天風呂に浸かりながら地酒を楽しめる。湯三昧した後は、山海の幸を取り合わせた会席仕立ての夕餉を愉しむ。お供はもちろん地の酒。地元二本松には、250年を超える長い歴史を誇る、ふたつの酒蔵「大七」と「奥の松」があり、どちらも料理によく合う酒だ。

【関東】

和洋折衷の上質な空間
群馬県「香雲館」

名湯として古くから知られる伊香保温泉。多くの温泉宿が建ち並ぶが、中でも随一の名宿が「香雲館」だ。文久年間創業という宿の別館として建てられたこの宿は、わずか10室のみの小さな規模だが、それぞれの部屋の意匠が異なる。それらの客室が、平安の都から、室町時代、江戸の昔、はてはルイ王朝の盛りまで、まさに伊香保がたどってきた年代をデザインされているのは実に趣が深い。

【中部】

歴史160年以上の国登録有形文化財
岐阜県「八ツ三館」

飛騨古川にある160年以上の歴史がある宿「八ツ三館」。21ある客室は、すべて趣が異なる。明治38年に再建、国登録有形文化財にも指定されている伝統建築の「招月楼」をはじめ、昭和初期の数寄屋を改築したモダンなデザインの「光月楼 池月」まで、よく手入れの行き届いた部屋が揃う。

【関西】

絶景と近江牛尽くしを愉しむ
滋賀県「旅館 紅鮎」

パワースポットとして知られる竹生島を望む琵琶湖のほとり、絶景を独り占めできる「旅館 紅鮎」に、滋賀名物の近江牛を堪能しに行こう。玄関を入ってすぐのロビーや、客室、そして大浴場からも同じ眺めを得られ、それは穏やかな湖面が静かに広がる、まさしく絵に描いたような、湖の絶景である。ぼーっと眺めているうち、心がまるく穏やかになる。

近江の美味に舌鼓
滋賀県「料亭旅館やす井」

琵琶湖の畔に建つ国宝・彦根城。そのすぐ近くに明治2年創業の「料亭旅館やす井」がある。“料亭旅館”だけあって近江の美味をふんだんに使った料理はピカイチ。経験豊かな料理長が厳選した食材を、繊細な技で仕上げる。舌で味わい、目で愉しむ。さすが井伊家ゆかりの料亭だけあって、膳の上に品格が漂う。

ミシュラン掲載、京都らしさを体現する宿
京都「要庵 西富家」

京都の中心部に世界が認めた日本旅館がある。明治6年創業の「要庵 西富家」だ。ミシュランガイドで星を獲得し、世界の一流ホテルとレストランが加盟する「ルレ・エ・シャトー」の会員として京都で初めて選出された。「伝統は革新の継続」を掲げる老舗旅館は、世界中のゲストを魅了している。部屋数が少なく落ち着けるのも人気の一つだ。

極上の松葉ガニを堪能
京都「茶六 別館」

日本海に面し、京都市とは違った趣を見せる宮津にある日本旅館「茶六 別館」。冬なら松葉ガニと寒ブリ、初夏から夏であれば丹後とり貝や岩ガキ、秋の甘鯛など、四季折々の丹後の美味を満喫できる。宮津には良質の温泉が湧き出ていて、無論のこと、この宿の大浴場にも温泉が引かれている。四国青石を使った岩風呂風の露天風呂は格別の心地よさで、旅の疲れを芯から癒してくれる。

【中国】

日本庭園が主役
広島県「庭園の宿 石亭」

日本三景のひとつ「宮島」を対岸に望むロケーションにある「庭園の宿 石亭」。この宿の特徴は美しい日本庭園。この庭園を囲むように客室は配されている。手入れの行き届いた芝を踏みしめ、池で跳ねる鯉の水音に心を騒がせる。庭のそこかしこにある東屋でしばしまどろむ。思い立ってフロントに連絡すればスプマンテなぞを運んで来てくれる。池のすぐ前にあるライブラリーやラウンジで、ぱらぱらとページをめくるのもいい。ゆるゆると流れる時間は、この庭があればこそだ。

棟方志功も愛した鄙びた温泉街
岡山県「名泉鍵湯 奥津荘」

岡山県北部、かつて「美作国（みまさかのくに）」と呼ばれた地にある奥津温泉。古くは津山藩主専用の湯であった。奥津荘は昭和2年創業。棟方志巧に愛され、その作品が残る宿だ。上がり込んでまず目に入るのが、棟方志巧の衝立の絵。谷崎潤一郎の『鍵』という小説の表紙をはじめ、挿絵に描かれた女性と同じ顔立ち、身体つきで横たわり、嫣然としている。奥津渓の宿と谷崎がここでつながる。

【九州・沖縄】

旬の美味を唐津焼で愉しめる日本旅館
佐賀県「洋々閣」

日本を代表するうつわの産地・唐津。この唐津の町にある「洋々閣」では、唐津焼の第一人者である陶芸家・中里隆さんの作品をはじめとした唐津焼に盛りつけられた、玄界灘の海の幸が堪能できる。部屋でひと息ついたらまずはギャラリーへ。うつわ好きには何よりの目の保養。気に入ったうつわがあればその場で購入できる。はて、このうつわには何を盛ろうか、と思いを馳せるのも愉しい。

琉球文化の魅力を凝縮
沖縄「百名伽藍」

沖縄といえばきらびやかなビーチリゾートホテル。そんな定説から脱皮宣言するかのように現れたのが「百名伽藍」。琉球文化を背景に、日本旅館の上質さを併せもつ、新しいスタイルが魅力だ。旅館の目の前に広がる海。その海を眺めるに、これ以上は望めないだろう、堂々たる建物の美しさ。どんな美辞麗句を駆使したとしても、この場に立ち、五感すべてで感じ取る感動を超えることなど、決してできはしない。

歴史のある温泉でのんびりしたい、訪ねた土地の旬な食材を味わいたい、美味しいお酒が飲みたい……。忙しい日常生活を離れ、一人でのんびりと過ごしたいときこそ、細やかにもてなしてくれる宿で特別な時間を過ごしたいもの。この冬は、ディスカバージャパンな一人旅へ出掛けよう。

Discover Japan_TRAVEL「味わいの名宿」