《花梓侘/かしわい》
朝から雅な寿司体験を。
京都で朝ごはん|寿司編
訪れるたびに旅人たちを魅了する街・京都。料亭のエッセンスが詰まった和食から麺やカレー、スイーツまで、いまどんな朝ごはんを京都で楽しみたいですか? 今回は雅な寿司をご紹介。
朝から雅な寿司体験
京都府立植物園の北を走る北山通で、趣味のいいうつわの店として人気を集めていた「セゾン・ド・ジャポン」。店を運営していたのは、「花梓侘」のオーナーである柏井順子さん。主に食卓に並ぶうつわを中心に扱っていた柏井さんは食にも関心が高く、名店の味を夫婦で日々楽しんでいたとか。そんな柏井さんの舌を信用して、遠来の常連客は京都に来た際のごはんをリクエストするようになり、それに応えるかたちで食事を提供する「花梓侘」をオープン。店は2021年に少し北の現在地に移転したものの、うつわと食事の両方を楽しむスタイルは変わらずそのまま。新幹線で朝、京都に着いたばかりの人たちに、京都らしい食事で一日をはじめてもらおうと朝9時から営業している。
つまみ寿司と名づけたひと口サイズの寿司は、京都の和菓子にヒントを得ている。京菓子司のショーケースに並ぶ上生菓子は、日本的な美意識に富み、その雅やかな世界を柏井さんは寿司で表現。たとえば大原の柴漬けを使った寿司のモチーフとなったのは、「きんとん」と呼ばれる和菓子。あん玉にそぼろあんを一つひとつ丁寧に付けながら成形する手法を寿司に置き換え、細かく刻んだ柴漬けで寿司飯を飾っている。仕切りのある漆黒の箱は色とりどりの寿司が映え、ここにもこれまで多くのうつわを選んできた柏井さんのセンスが光る。献立の内容は春、初夏、夏、初秋、秋、冬と年に6回変更。ともに働く娘の梓さんと一緒に京都の味を届けている。メニューは10貫と15貫の2種を用意し、それぞれ吸い物とデザートが付く。朝食メニューはほかにもあり、「京のおたぬきさんと豆皿セット」は、おかずをのせたシャリを京湯葉で包んだ“京のおたぬきさん”が主役。つまみ寿司は持ち帰りも可能で、テイクアウトは柴漬けのお寿司が季節の生菓子に替わる。
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花梓侘
住所|京都府京都市北区小山下内河原町3-3
Tel|075-491-7056
営業時間|朝食9:00〜10:30、昼食11:30〜13:30
※テイクアウトは〜17:00
定休日|水曜、第2・4火曜
-おしながき-
◎つまみ寿司15貫 3630円
◎つまみ寿司10貫 2640円
※つまみ寿司は赤出汁、デザート付き
◎京のおたぬきさんと豆皿セット 1650円
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text: Mayumi Furuichi photo: Takuya Ohshima
Discover Japan 2023年5月号「ニッポンの朝食」