「お宿 花かんざし」
岳温泉と地酒を心ゆくまで
安達太良山のふもとに位置し、開湯1200年の歴史を誇る岳温泉。その中にある「お宿 花かんざし」では、源泉掛け流しの露天風呂に浸かりながら地酒を楽しめる。お酒を飲む人なら一度は憧れることが、この宿でなら叶ってしまうのだ。
東北新幹線の郡山駅か福島駅。東北本線に乗り換えて、どちらからでも20分ほどで二本松駅に着く。そこから車で15分。たどり着いたのは岳温泉。鏡が池から温泉神社に向かってまっすぐ延びるメーンストリート、ヒマラヤ大通り沿いに建つのが「花かんざし」。14軒もの宿を擁する岳温泉にあって、鄙の空気と雅なしつらえを巧みに取り合わせた人気の宿だ。
福島県岳温泉は安達太良山のふもとにある。東京にはない空が安達太良山の上にはある。『智恵子抄』にはそう記されている。それほどに豊かな自然をたたえる山のふもとにあるのが岳温泉。すこぶる柔らかな湯となって、宿の湯船に横たわる。
この宿にはレトロなタイル貼りの大浴場が2カ所あり、片方には広々とした露天風呂も付いている。時間によって男女が入れ替わるので、両方愉しめる。そしてこの大浴場では地酒のサービスもあり、左党には堪えられない。
レトロモダンなしつらえの「宵待草」の間が一番のおすすめ。緑豊かな庭を眺める和室と、奥にはベッドルームがあり、庭には露天風呂も付いている。
保湿成分をたっぷり含んだ酸性泉。当然のように源泉掛け流し。滔々と流れ出る湯を身にまとい、ゆったりと身体を沈める。四季折々、庭のそこかしこに咲き乱れる野花に目を休め、どこからともなく聞こえてくる鳥のさえずりに耳を澄ます。
湯三昧した後は、山海の幸を取り合わせた会席仕立ての夕餉を愉しむ。お供はもちろん地の酒。地元二本松には、250年を超える長い歴史を誇る、ふたつの酒蔵「大七」と「奥の松」があり、どちらも料理によく合う酒。安達太良の山懐に抱かれ、山間から湧き出る湯に身をゆだね、地酒とともに地の恵みを味わう。湯佳し、味佳しの佳宿である。
住所:福島県二本松市岳温泉1-104
Tel:0243-24-2110
Fax:0243-24-2230
E-mail:info@hana-kanzashi.com
客室数:8室
料金:1泊2食付1万8000〜3万4000円(税込)
カード:AMEX、DC、DINERS、JCB、MASTER、NICOS、UC、VISA
IN:15:00 OUT:11:00
夕食:会席料理(個室または部屋) 朝食:和食(個室または部屋)
温泉:岳温泉(酸性泉/源泉掛け流し/加温なし/加水なし/神経痛、筋肉痛、皮膚病、疲労回復など)
風呂:大浴場男女別各1(15:00〜22:30、温泉)、露天風呂1(時間交代制、温泉)、部屋風呂3(温泉)
アクセス:車/東北自動車道二本松ICから車で15分 電車/JR二本松駅からタクシーで15分または路線バスで25分
館内施設:ラウンジ、ライブラリー、湯上り処、宴会場
Wi-Fi:あり
hana-kanzashi.com
文=柏井 壽
Discover Japan_TRAVEL「味わいの名宿」