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日本酒の酒蔵見学と人気店めぐり
“おきゃく”を体感する注目スポット
後編|土佐のおきゃくを味わう冬の旅へ

2025.12.22 PR
日本酒の酒蔵見学と人気店めぐり<br>“おきゃく”を体感する注目スポット<br><small>後編|土佐のおきゃくを味わう冬の旅へ</small>

清らかな水に恵まれた酒処・高知。後編では、土地に根ざした酒蔵から市内の人気店まで、“おきゃく”文化が息づく4つのスポットを巡り、美酒と賑わいを楽しむ高知旅をご紹介。

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高知が誇る食材と酒を心ゆくまで
「かもん亭」

はりまや橋のほど近く、居酒屋がひしめくエリアで2008年に開業

県外からのリピーターも含め、予約で満席続きの繁盛店。店主の伊藤優介さんは、京都の料亭で研鑽を積んで帰郷し店を構えた。気軽な居酒屋でいて、仕事は細やか。ウツボは店内でさばいて塩を当て3日置き、ツガニは生きたままつぶして旨みあふれる汁に、土佐あかうしは藁焼きで巧みに火入れ、と地元食材の持ち味を巧みに引き出し、記憶に残るひと皿に仕上げてくれる。土佐の地酒を中心に豊富に揃う日本酒は、唎酒師の資格をもつ伊藤さんに見立ててもらうのが正解。

ウツボの唐揚げ950円。低温調理してから揚げるので、中はしっとり柔らか。冬場はコラーゲンをたっぷり蓄えている
「お客さんが食べたいものに寄せていき、いまの料理になりました」と伊藤さん。地元である市内西部の宗安寺から届く、新鮮な野菜の一品も評判
ふっくらとしてジューシーな、土佐ジロー玉子焼き850円。産みはじめのサイズの小さい卵は特に味が濃く、卵かけご飯もおすすめ。日本酒1合850円から

かもん亭
住所|高知県高知市はりまや町2-3-13
Tel|088-885-0855
営業時間|18:30~食材がなくなり次第
定休日|火曜
※予約は前々月末日0時から開始

 

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気鋭ホテルの一角で地ビールを堪能
「hotel nansui」オキャクバ

香美市「TOSACO」や仁淀川町「MUKAI CRAFT BREWING」など、高知のクラフトビールを全社味わえる。「チョイつまえのき」などおつまみも県産

坂本龍馬の生家跡に佇むラグジュアリーホテル「hotel nansui」が、宿泊客だけでなく地域に開放したモダンなフリースペース。旅行者と地元住民が交流できる、気軽な“おきゃく”拠点として話題を呼んでいる。こちらで楽しめるのは、高知県下の多彩なクラフトビールやおつまみ。昼下がりからゆるりと小さな宴をはじめてみては。

通りに面した開放的なスペースで昼から飲める

「hotel nansui 」オキャクバ
住所|高知県高知市上町1-7-12
Tel|088-821-8895
営業時間|10:00~19:30
定休日|月~水曜
https://nansui.kochi.jp

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ハイエンドな日本酒に特化した蔵で、酔鯨ブランドを発信
酔鯨すいげい酒造 土佐蔵」

蔵見学の特典として無料試飲2杯とオリジナルお猪口をプレゼント。プレミアム酒を含む有料試飲も見逃せない

良質の食中酒「酔鯨」で知られる高知市長浜の酒造会社が、ハイエンド商品を追求するべく2018年に構えた酒蔵。原料米の精米にはじまり、商品瓶詰め後の冷蔵保管までを一貫して行う。スムーズな動線の蔵で醸されるのは、純米吟醸クラス以上。実際の酒造りの工程に沿って見学が可能で、酒造りの期間中は発酵工程などを間近で見られる。土佐蔵限定品を含む酒や鯨ロゴのオリジナルグッズなどを扱うショップ、甘酒や酒粕を使ったスイーツを提供するカフェも併設。

土佐市の山あいに佇むコンクリート造の建物は、酒蔵のイメージを覆すモダンな印象。鯨の尾びれをかたどったテールマークが目印だ
カフェではソフトクリームやパフェなど、甘酒や酒粕を生かしたノンアルコールのメニューが楽しめる
蔵では最新の醸造設備を取り入れつつ、酒造りの神さまを祀る神棚も。日本酒の神聖さをあらためて認識させられる

酔鯨酒造 土佐蔵(すいげいしゅぞう とさぐら)
住所|高知県土佐市甲原2001-1
Tel|088-856-8888
営業時間|10:00~17:00
定休日|なし
※見学500円(試飲付き。要予約)

 

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清流・四万十川を望む町の蔵が再スタート
文本ふみもと酒造」

「高知で一番小さな酒蔵」を標榜。杉玉を吊るした昔ながらの佇まいに、スタイリッシュな「fumimoto brewery」のロゴが光る

1903年創業の老舗蔵が、休止と事業承継を経て2023年にリブランディング。茨城からこの地に移り住んだ杜氏の石川博之さんが、四万十川の伏流水と地域で栽培された仁井田米を使い、テロワールを感じる酒造りに取り組む。コロナ禍での瓶不足を機に導入したスパウト容器入りの酒は軽く持ち運びやすく、丸めて捨てやすいと好評に。かつての町名として親しまれた「窪川」を冠した新銘柄も注目を集める。母屋をリノベーションした併設のカフェバーでは、フードメニューと日本酒のペアリングや各銘柄の飲み比べを楽しみたい。

欄間などを残して改装されたカフェバー
新銘柄「窪川」は酒蔵限定販売
酒蔵見学後は日本酒8種飲み比べを。仕込みに使用した仁井田米のご飯も一緒に
オリジナルラベルの手書き体験も

文本酒造(ふみもとしゅぞう)
住所|高知県高岡郡四万十町本町4-23
Tel|0880-22-0039
営業時間|11:00~21:00、月曜~20:00(14:00~17:00を除く)
定休日|火~木曜
※見学5000円(飲み比べセット、純米大吟醸「SHIMANTO」付き)

 

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3月7日(土)~3月15日(日)に開催!
「土佐の『おきゃく』2026」へGO!

高知の街全体を大きな宴会場に見立てた毎年恒例のイベント「土佐の『おきゃく』」。市街地を中心に商店街や公園などに畳が敷かれ、電車で宴会ができる「おきゃく電車」の運行など、至るところで酒が酌み交わされる。食や酒のほかにも音楽、郷土芸能、ダンスなど数多くのイベントが各所で開催されるので、スケジュールをチェックして訪れよう。

開催場所|高知市中心商店街ほか
問い合わせ|土佐の「おきゃく」事務局
Tel|088-823-0989(オキャク)
https://tosa-okyaku.com

土佐のおきゃくを味わう冬の旅へ
01|高知の宴文化“おきゃく”とは?
02|日本酒の酒蔵見学と人気店めぐり

text: Aya Honjo photo: Azusa Shigenobu
2026年1月号「世界を魅了するローカルな酒」


≫東高知の伝統と芸術に触れる旅
≫塩の道をゆく高知旅

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