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《喫茶 静香》
西陣にカフェ文化を花開かせた喫茶店
京都の美味しいレトロ建築③

2023.12.17
《喫茶 静香》<br>西陣にカフェ文化を花開かせた喫茶店<br><small>京都の美味しいレトロ建築③</small>

古都・京都は、実は明治・大正・昭和初期にかけて生み出された、近代建築の宝庫である。この秋は、懐かしい空気に包まれたレトロな空間と美味しいものに心ときめく旅をぜひ。
 
今回は1938年に改修オープンした「喫茶 静香」を紹介。昭和の面影漂う店内でくつろぎのひとときを過ごしたい。

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昭和の薫りに満ちたアイテムいろいろ

ついこの間まで現役だったというレジスター。すべて初代の収集品だそう

千本今出川の交差点からほどなく「Shizuka」の赤い文字が目に飛び込む。1938(昭和13)年、先斗町の芸妓・静香の住まいを初代・宮本良一が買い取り、改修して開いたというカフェだ。いまは初代の孫にあたる3代目一家が営み、外観は少し明るくなったが、汽車をイメージしたベルベット張りの椅子、数珠のような愛らしいデザインの柱など店内は昭和の趣のまま。「いっぱい並ぶコーヒーミルは曾祖父が集めたものです」と副店長の宮本 明さん。旬の果物に自家製クリームがたっぷり入ったフルーツサンドをはじめ、すべて一から手づくりというメニューにも心がほどける。

壁にはセピア色になった世界地図やコーヒーミルがずらり

タイル貼りから一段上がった木の床に客席がある店には、温もりある空気が満ちる。

◎1919年竣工、1938年改修
◎設計|不詳 改修|岡田工務店
◎木造2階建、瓦葺

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フルーツサンド900円、この日はホワイトグレープをはじめ9種もの果物入り。ドリンクセットで150円OFFに

 

喫茶店《築地》
昭和レトロな空間でウィンナー珈琲を。

 
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喫茶 静香
住所|京都市上京区今出川通千本西入ル南上善寺町164
Tel|075-461-5323
営業時間|10:00〜17:00(L.O.16:30)
定休日|水曜、ほか不定休月1〜2回あり

《京都の美味しいレトロ建築》
1|salon de 1904
2|フランソア喫茶室
3|喫茶 静香
4|築地
5|レストラン菊水
6|INDÉPENDANTS
7|東華菜館

text: Kaori Nagano, Makiko Shiraki, Minami Mizobuchi(Arika Inc.) photo: Mariko Taya
Discover Japan 2023年11月号「京都 今年の秋は、ちょっと”奥”がおもしろい」

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