寒冷地から亜熱帯まで広がる食の探究
後編|全国各地にある実学主義を実践する施設とは?

実学主義を推進する東京農業大学は、3つのキャンパスをはじめ、全国各地に研究・教育フィールドを展開。寒冷地から亜熱帯、山頂から海洋まで実学の現場が網羅されている。今回は、3つのキャンパスと全国各地にある施設をご紹介!
実学主義を実践する施設が充実

東京農業大学は、日本全国の地域特性を肌で感じながら実習や実験、研究に打ち込める多様なフィールドを持つ。
網走寒冷地農場といった亜寒帯から熱帯・亜熱帯農業を学ぶ宮古亜熱帯農場、東京にある森林で生物の多様性を研究する奥多摩演習林、多種多彩な魚介類を管理するオホーツク臨海研究センターなど、山頂から森林、里山、河川、海洋まで実学の現場が充実。
五感で学ぶフィールド科学を重視した実学主義の伝統が現在も連綿と受け継がれている。
line
「食と農」の博物館

農業の古道具や資料、農作物の標本、家畜の剥製全国の銘酒コレクションや生きた動植物の展示など、農学の多様性を楽しみながら学べる。
学校
・東京農業大学稲花(とうか)小学校

東京農大のリソースを活用した授業を通じ、農業、食、環境に関する実践的な研究を初等教育の場で展開。未知の世界に挑戦する冒険心を育む。
・東京情報大学
・東京農業大学第一高等学校・中等部
・東京農業大学第二高等学校・中等部
・東京農業大学第三高等学校・附属中学校
奥多摩演習林

東京・奥多摩の標高650〜1452mに位置する研究フィールド。人工林と天然林が混在し、動植物や地質、林業などの研究に活用。
群馬分収林

群馬県の標高約1000mの山岳地帯に位置する分収林。測樹、測量、森林経営計画の作成といった実習やさまざまな研究が行われている。
line
伊勢原農場

食用、工芸作物、果樹、野菜、植物、造園や農業機械など各部門の実習教育と試験・研究を行う施設。各学科の教員が密接に協力して活用。
棚沢圃場(ほじょう)

伊勢原農場の北東約15㎞にある教育・研究用圃場。水稲を中心とする水田圃場に、工芸作物の畑圃場を加え、実習教育や試験・研究を行う。
富士農場

1941年に開設された歴史ある農場。約33haのフィールドでは乳牛や肉牛、豚、家禽が飼育されさまざまな取り組みが行われている。
line
網走寒冷地農場

北海道網走市にある約43haの広大な農場。網走市、JAなどと協議しながら運営し、地元の営農集団にも参画。大規模農業も実践で学べる。
宮古亜熱帯農場

年間平均気温23℃の亜熱帯環境の中、約9.8haの圃場と研究棟で熱帯作物や果樹の栽培など、熱帯・亜熱帯農業の実習教育・研究を実施。
オホーツク臨海研究センター

多様な魚介類を飼育し、サケ・マス類の行動生理学研究やアザラシやクジラなどの高次捕食者の生態解明やDNA分析などの研究に取り組む。
line
01|「東京農大物語」設立から100年【前編】
02|「東京農大物語」設立から100年【後編】
03|寒冷地から亜熱帯まで広がる食の探究【前編】
04|寒冷地から亜熱帯まで広がる食の探究【後編】
05|「世田谷キャンパス」食と農を守り紡ぐ理由【前編】
06|「世田谷キャンパス」食と農を守り紡ぐ理由【後編】
07|「厚木キャンパス」未知の世界の開拓学
08|「北海道オホーツクキャンパス」地方創生の学び舎
09|食文化と農産業に育てられる 「農大稲花小」【前編】
10|食文化と農産業に育てられる 「農大稲花小」【前編】
11|「食と農」の博物館へ行こう!【前編】
12|「食と農」の博物館へ行こう!【後編】
13|江口文陽学長にインタビュー!
text: Ryosuke Fujitani photo: Atsushi Yamahira,Tomoaki Okuyama
2025年6月号「人生100年時代、食を考える。」