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寒冷地から亜熱帯まで広がる食の探究
前編|東京農業大学の3つのキャンパス

2025.5.30
寒冷地から亜熱帯まで広がる食の探究<br><small>前編|東京農業大学の3つのキャンパス</small>

実学主義を推進する東京農業大学は、3つのキャンパスをはじめ、全国各地に研究・教育フィールドを展開。寒冷地から亜熱帯、山頂から海洋まで実学の現場が網羅されている。今回は、3つのキャンパスと全国各地にある施設をご紹介!

東京農業大学の3つのキャンパス

東京農業大学は全国各地に学びを支える実学施設を有している。その核となるのが3つのキャンパスだ。

世田谷キャンパスは、応用生物科学部、生命科学部、地域環境科学部、国際食料情報学部の4学部が設置されている主要拠点。広大な敷地内では100種類以上の樹木を育成し、東京23区内最大級の教育研究施設「農大サイエンスポート」を有す。

農学部の学びに特化したのが厚木キャンパスだ。施設内に教育圃場ほじょう、温室、動物舎が設置され、作物栽培や家畜飼育、生物資源の管理などの実践的な教育が行われている。

そして北海道オホーツクキャンパスには、人々が生きるための営みを支える学問領域を教育・研究する生物産業学部を設置。海、山、川、湖がすぐそばにある雄大な自然環境は、水産動植物の生態調査や実践的な酪農、農業体験を可能にしている。

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先端科学をリードする
「世田谷キャンパス」

緑あふれる都市型キャンパス。実験圃場や温室、最新機器を備えた施設、5階層の開架フロアと約60万冊収容の地下自動書庫のある大規模図書館など、充実した実学の環境で日本の食と農の発展に貢献し続けている。

〈応用生物科学部〉

農芸化学科、醸造科学科、食品安全健康学科、栄養科学科
生物学と化学で生物の生命現象を追究。農学における最先端の理論と技術で生物の基本反応を理解し、人類の生活の向上と、大気や水質、土壌といった環境問題の解決につなげる。

 

〈生命科学部〉

バイオサイエンス学科、分子生命化学科、分子微生物学科
理学、工学、医学、薬学などとも連携した学際的な学部。生命を調節する分子をデザインし、最小の生命体である微生物の新機能を創製するなど、生命現象の謎に挑戦している。

 

〈地域環境科学部〉

森林総合科学科、生産環境工学科、造園科学科、地域創成科学科
生物に対する深い理解を基礎に置き、自然と人間が調和する地域環境と生物資源を保全し、それらを利活用しながら管理していくための持続可能な科学技術の確立を目指す。

 

〈国際食料情報学部〉

国際農業開発学科、食料環境経済学科、アグリビジネス学科、国際食農科学科
モットーは「日本と世界の食料・農業・農村問題の解決に向けて、国際的情報網の活用のもと、総合的・実践的に挑戦する」こと。多彩な実習、実験、演習で実践力を養う。

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農学の探究拠点
「厚木キャンパス」

コンセプトは「理論と実践の一本化」。キャンパス自体が植物園として指定され、四季折々の約130種類の樹木が自生する環境の中、農学系最先端の設備を備えた「実験実習棟」を中心に、動植物を現場で学べる。

〈農学部〉

農学科、動物科学科、生物資源開発学科、デザイン農学科
植物や動物の生命に関する知識・技術について、基礎から応用レベルまでを科学。その成果を農学の発展につなげる。サステイナブルな社会の構築に向けて新たな農学を探究する。

〈その他〉

・生き物連携センター
・植物園

生き物連携センター
植物栽培や動物を飼育し、よりよい共生社会と健康社会の実現に向けて、動植物の利活用に関する知識や技術を研究する施設
植物園
自生する約130種類の樹木のほか300種以上の植栽樹木もあり、学生自身が育成から収穫まで管理する果樹オーナー制度も導入されている

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自然資源の可能性を拓く
「北海道オホーツクキャンパス」

豊かな自然と世界有数の農林水産資源に囲まれた雄大なキャンパス。農場や家畜舎、食品加工技術センター、臨海研究センターなどの施設も充実し、自然の恵みとその利用、持続可能性について実践的な教育を展開。

〈生物産業学部〉

北方圏農学科、海洋水産学科、食香粧化学科、自然資源経営学科
オホーツクの豊かな大自然を活用し、開発、流通、販売の各段階を一連の流れとしてとらえながら、産業を通して社会貢献するための道を自然科学の視点から探究。社会経済的な視点からの改善も目指す。

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全国各地にある
実学主義を実践する施設とは?

 
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10|食文化と農産業に育てられる
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text: Ryosuke Fujitani photo: Atsushi Yamahira,Tomoaki Okuyama
2025年6月号「人生100年時代、食を考える。」

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