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“由布院暮らし”ができる
滞在型宿《STAY玉の湯》
|由布院温泉に見る
これからの温泉保養地の在り方①

2024.2.27
“由布院暮らし”ができる<br>滞在型宿《STAY玉の湯》<br><small>|由布院温泉に見る<br>これからの温泉保養地の在り方①</small>

ついに由布院の温泉保養地としての動きが加速した。由布院温泉を代表する名旅館「由布院 玉の湯」が新たな滞在宿をオープン。丁寧で上質な温泉暮らしのセカンドホーム、人生を楽しくする滞在型温泉保養へ出掛けよう。

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あの名旅館「由布院 玉の湯」の新展開とは

玉の湯の大浴場も利用できる。バーや売店などパブリック部分も利用できるので気分転換に出掛けたい

“由布院温泉”といえば御三家(※)と呼ばれる旅館が浮かぶ人も多いのではないだろうか。実はそれぞれのルーツは、ゆっくり保養滞在する別荘のような存在であった。その根本はいまもぶれていないが、憧れの存在ゆえに高級名旅館のイメージが膨らみ、敷居が高いと思っている人もいるかもしれない。
 
※「亀の井別荘」、「由布院 玉の湯」、「山荘無量塔(むらた)」
 
そのひとつ「由布院 玉の湯」は、1953年に禅寺の保養所として設立。1966年に溝口薫平さんが経営に加わり、水田だった敷地を造成して一つひとつ木を植えて雑木林にした。約1haある敷地はこんもりとした森になり、回廊でつながる16室の部屋まで野鳥の声が響く。由布院に森を増やそうという想いは、長女であり現社長の桑野和泉さんが引き継ぎ、いまも敷地にコツコツ樹木を増やしている。そんな桑野さんが「由布院 玉の湯ではできないこと」をかたちにしたいと、2024年1月にオープンさせるのが滞在型の「STAY玉の湯」。最短3泊から最長1カ月までの滞在が対象で、朝食はパンとコーヒーの提供はあるが夕食は自由。キッチンがあるので簡単な自炊が可能だ。住む感覚と旅行の間、温泉に入りながら心地いい暮らしを感じる滞在で心身を癒せる。スタッフには介護や看護の資格をもつ人も。少し身体に不安や持病があっても、隣に内科のクリニックがあるので安心だ。温泉地へ移住はできなくても、安心できるセカンドルームをもてる気持ちになれそうだ。
 
このような滞在宿が誕生したのも、由布院温泉は暮らしている人が多いという環境が大きい。古くから、さまざまな人々を受け入れてきた土地柄もあるだろう。散歩の途中で立ち寄れる「ちょっといいもの」が買える店があり、どちらかというと観光客向けではなく、実際に由布院を愛して暮らしている地元民が、愛用している店だったりする。美味しいチーズでワインを楽しみ、お気に入りのコーヒー豆をミルで挽いて飲み、お気に入りの店で一杯。暮らすような温泉滞在ができるのだ。由布院温泉での温泉保養滞在は、もっと自由に、もっと軽やかになっていくだろう。

滞在スタイル別で選べる客室

サンルームが畳で茶の間のような過ごし方ができる部屋
ベッドに寝転ぶとちょうど由布岳が眺められる設計になっている
スイートは大きなダイニングテーブルがあるリビングとベッドルームがあり、休息と生活空間を分けることができる。天井までの大きな窓から雄大な由布岳が見える

キッチンのあるラウンジで交流も

部屋にはレンジと冷蔵庫だけなので、冷凍庫や調理機具を使うときはパブリックラウンジのキッチンへ
朝食時は近くのパン店「グランパ&グランマ」から届く焼きたてパンとコーヒーが提供される
夜はすぐ裏の由布院チーズ工房のチーズでワインを飲みながら交流したい

「由布院 玉の湯」の施設も利用可能

玉の湯のレストラン「葡萄屋」の「季節の山里弁当」7200円は届けてもらえる
葡萄屋で玉の湯に宿泊する時と同じ内容の料理も食べられる。写真は鴨鍋コース2万2000円

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由布院で保養滞在できる2つの宿
 
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STAY玉の湯
住所|大分県由布市湯布院町大字川上2711-1
Tel|0977-85-8717
料金|1泊2万500円〜(税・サ込 ※3泊からの利用)

text: Hiroko Ishii photo: Azusa Shigenobu 取材協力=九州観光機構
Discover Japan 2024年2月号「人生に効く温泉」

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