岐阜・大垣《田辺温熱保養所》
薬草たっぷりの蒸気浴空間
|伝統の“蒸し”に浸るプリミティブサウナ①
現存数はわずかながら、いまも日本各地でひっそりと受け継がれる、独創的な和サウナたち。かつて先祖たちも蒸されてきた空間で、古きよき蒸気を浴びて発汗し、素肌で歴史を感じよう。
今回は江戸時代の蘭学医が開発した樽型の蒸し風呂を再現した岐阜・大垣の「田辺温熱保養所」を紹介。
[樽蒸し]
江戸時代の蘭学医が発明した
薬草たっぷりの蒸気浴空間
地元出身の蘭学医・江馬蘭斎が、かつて梅毒患者の療養用に開発した樽型の蒸し風呂を参考に、1946年に民間温熱保養施設として開業。薬草の宝庫である伊吹山ふもとで採取した天然薬草や自家製の無農薬ハーブを釜で煮立て、芳醇な蒸気を床下から樽内に送り込む。入浴者は中央の小扉から入室し、足元から上る蒸気を起立姿勢で浴びる。合間には畳部屋で横になり、徐々に身体を冷まして休息する。
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《山ばな平八茶屋》
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田辺温熱保養所
住所|岐阜県大垣市波須1-515-1
Tel|0584-81-4528
料金|大人2000円〜、子ども1000円〜 ※利用メニューによって変動
サウナ利用可能時間|10:00〜17:00
定休日|毎月5・15・25・26日 ※夏季休業あり
http://tanabeonnetsu.com
<サウナdata>
収容人数| 4名
タイプ|薬草樽蒸し、薬草床蒸し、よもぎ蒸し
温度|55〜60℃
水風呂|なし
休憩スペース|内湯×、外気浴〇
その他の設備|休憩室
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text: Ayana Kobayashi
Discover Japan 2024年2月号「人生に効く温泉」