FOOD

富山県南砺市利賀村「L’évo レヴォ」
地方料理は進化を遂げる【後編】

2021.4.6
富山県南砺市利賀村「L’évo レヴォ」<br>地方料理は進化を遂げる【後編】

地産地消がうたわれて久しいなか、かつてここまで土地と料理が融和したレストランがあったでしょうか。2020年12月末、富山県の山奥にある人口500人の村に移転オープンしたミシュラン星つきレストラン「L’évo」では、店名の通り、究極に「進化」を遂げた富山尽くしの料理を堪能することができます。「富山が自分の料理観を変え、利賀村(とがむら)が価値観をさらに変えてくれた」と語るのは、オーナーシェフの谷口英司さん。富山に惚れ込み、利賀村に惚れ込んだ、谷口シェフの理想がかたちになったこのレストランには、とっておきの体験が待っています。今回は、谷口シェフに伺った利賀村、L’évoの魅力を3つの記事でご紹介します。

≪前編を読む

料理の数だけ、シェフの“真心”がある。

山海の恵みに加えて、郷土に脈々と伝わる伝統食が残る富山。谷口シェフが選び抜いた食材で腕を振るう「究極の13皿」を紹介する。

①「Prologue」
ペアリング|黒文字のスパークリングワイン
A)L’évo鶏のレバームースと赤ビーツのメレンゲ/富山ガラス工房(富山市)
B)香箱蟹の最中/シマタニ昇龍工房(高岡市)
C)山羊のチーズと酒粕のグジェール/Tiny workshop 奥野健一(石川県・能登)
D)熊の手のタルト、ゲンゲ/釋永 岳(富山市)

②「寒鰤」
うつわ|釋永 岳(富山市)
ペアリング|満寿泉
令和2年12月22日搾り「土遊野」(桝田酒造店)
富山の特産品の赤大根に寒ブリを挟み込んだL’évo特製の「ブリ大根」。海外産よりも塩分控えめで仕上げた自家製のキャビアをあしらい、かぶらのソースを添えて。

③「月ノ輪熊(春)」
うつわ|Shimoo Design(富山市)
ペアリング|ensemble
ヴィオニエ、メルロー、マルスラン2020(Domaine Beau)
冬眠明けの春に捕れた熊肉は、赤身が多く軟らかな食感が特徴だ。春捕れの熊肉を甘みののったウニや、ススタケ、干しゼンマイなどの山菜と一緒に華やかなひと皿に。

④「水蛸」
うつわ|釋永 岳(富山市)
ペアリング|ensemble
ヴィオニエ、メルロー、マルスラン2020(Domaine Beau)
薪窯で絶妙に火入れをした水ダコの中にクレソンを入れ、梅肉のピューレと大葉のオイルをかけた。薪の香りが鼻を抜け、噛み応えのある水ダコの旨みが口中に広がる。

⑤「真鴨」
うつわ|神谷麻穂(高岡市)
ペアリング|C’est si bon
メルロー&マルスラン2020(Domaine Beau)
鴨肉のミンチを富山県氷見市のワイナリー「セイズファーム」のブドウの枝に付けて、薪窯で焼き上げた臨場感あるひと皿。鴨の内臓と血のソースで重厚な味わいに。

⑥「大門素麺」
うつわ|釋永 岳(富山市)
ペアリング|C’est si bon
メルロー&マルスラン2020(Domaine Beau)
富山県砺波市で江戸時代からつくられている「大門素麺」の半生麺をアルデンテにゆで、黒部の山羊のチーズとふきのとうのオイルで香り豊かに仕上げた。

⑦「月ノ輪熊(冬)」
うつわ|釋永 岳(富山市)
ペアリング|三笑楽 純米吟醸(三笑楽酒造)
脂がたっぷりのった冬の熊肉を薄くスライスし、キジから取ったブイヨンでさっと火を入れた。優しい味わいのキジのスープ、ネギ・水菜とともに深い味が楽しめる。

「L’évo鶏」
うつわ|釋永 岳(富山市)
ペアリング|黒文字ビール
黒文字フレーバーのクラフトビール(Latticework BREWING)
餌にこだわるなど鶏の生産者とタッグを組んだ谷口シェフのスペシャリテ。鶏皮の中に、熊の内臓とともに炊いたご飯を詰め、焼き目をつけた食べ応えのある一品。

「赤蕪」
うつわ|Shimoo Design(富山市)
ペアリング|SAYS FARM アルバリーニョ2019(SAYS FARM)
利賀村名産の赤カブを腐葉土で包み、蒸し焼きにした(P91参照)。赤カブの旨みと甘みが凝縮し、地元の酒・満寿泉の貴醸酒とバターのソースでコクのある野菜料理に。

「真鱈」
うつわ|釋永 岳(富山市)
ペアリング|SAYS FARM CHARDONNAY 2018 FOR CUISINE REGIONALE(SAYS FARM)
加賀藩主が将軍家に献上したといわれる富山の珍味「イカの黒作り」に倣って、真鱈に黒作りのソースを塗って熟成させ、カリフラワーのピューレとともにいただく。

「仔猪」
うつわ|釋永 岳、ナイフ|刃/高村刃物(福井県)×柄/TAPP(射水市)
ペアリング|SAYS FARM ROUGE 2019 FOR CUISINE REGIONALE LEVO(SAYS FARM)
イノシシ肉を薪窯で焼き、利賀村産のチョロギ、ほうれん草の根っこ、陰干しした大根をあしらった。ジビエから取ったソースは滋味深くもさっぱりとした味わいだ。

「よつぼし苺」
うつわ|小路口力恵(富山市)
ペアリング|IWA5(桝田酒造店/リシャール・ジェフロワ)
富山県名産の「よつぼし苺」をイチゴのチップ、スープ、ソルベとふんだんに使ったデザート。モッツアレッラチーズと春菊のオイル、トマトのジュレとともに。

「あんぽ柿」
うつわ|釋永 維(富山市)
ペアリング|IWA5(桝田酒造店/リシャール・ジェフロワ)
地元のあんぽ柿をマスカルポーネチーズのムースでくるみ、ユズの粉と液体窒素で固めたリコッタチーズをかける。あんぽ柿の甘みとチーズの塩味のバランスが絶妙だ。

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L’évo
住所|富山県南砺市利賀村大勘場田島100
Tel|0763-68-2115
客室数|貸し切りコテージ3棟
レストラン開始時間|ランチ12:00/12:30、ディナー18:00/19:00 ※要予約。提供はコース料理のみ。2万円(税・サ別)
定休日|水曜 ※8月上旬に夏季休業あり
コテージ宿泊料|タイプ別に4万円、5万円、7万円(税・サ別、朝食別途3500円)
IN|15:00 OUT|11:00
Wi-Fi|レストラン棟のみあり ※客室は春頃に開通の計画
施設|レストラン、ラウンジ、サウナ(宿泊者限定)
アクセス|新幹線/富山駅から車・タクシーで約1時間30分、新高岡駅からJR高山本線で越中八尾駅まで30分の後車・タクシーで約1時間
飛行機/富山空港から車・タクシーで約1時間10分
車/富山ICから約1時間15分、砺波ICから約1時間、福光ICから約45分、五箇山ICから約30分
※宿泊者に限りJR越中八尾駅まで送迎可(別途料金)

text: Tomoko Honma photo: Atsushi Yamahira
Discover Japan 2021年4月号「テーマでめぐるニッポン」


地方料理は進化を遂げる【前編】
地方料理は進化を遂げる【後編】
忘れられない1泊2日に。

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