編集者・本屋B&B運営 原カントくん
忙しくても《読書》で自分らしく。
1日24時間は平等に与えられているのに、時間に忙殺されず輝いているあの人。そんな人たちが考える「癒し」についてうかがってみると、いそがしくても心を亡くさないためのアイデアが満載でした。
編集者・本屋B&B運営
原カントくん
東京・下北沢にある「本屋B&B」の運営に携わる、編集者・プロデューサー。テレビ神奈川『イイコト!』、BS12『BOOKSTAND.TV』など、現在数々のTVやラジオにもレギュラー出演し、多岐のジャンルで活躍中
忙しいときこそ読書で息抜きを!
セレクトに定評のある「本屋 B&B」を運営し、多彩なゲストが好きな本を語るトーク番組『BOOKSTAND.TV』の司会も務める原カントくん。「小説よりもノンフィクションや伝記が好き。事実のほうがおもしろいと思っているので」。そんな彼の“癒し”の4冊とは。
「ノンフィクションの中でもこれは名著」と太鼓判を押すのが、ミュージシャン近田春夫さんの70歳記念の自伝。「日本の音楽史の最重要人物ですが、ビッグネームなのに過去の栄光に執着せず、飄々と新しいことにトライしていくんです。50歳くらいで人生のインプットは終了と感じている人は、彼の軽やかさに勇気づけられるはず」。
一方、『ハレルヤ』は芥川賞作家・保坂和志氏のエッセイ。「たゆたうような日常を描いた小説が多い作家ですが、これは飼い猫の闘病と死を描いた作品。文章が妙に長かったり、句読点が破茶滅茶だったりする。ジャズを聴くように文体のリズムを味わってほしい」
漫画家・江口寿史氏の日記は、他人からの依頼や締め切りで疲弊している人に。「吉祥寺でラーメンを食べて、下痢して原稿を落とす。それを延々と繰り返す彼の日常を通して、他人の期待に応える概念を捨てれば大抵のことは解決すると思えます」。『ご自由に〜』は、酒場ライター・パリッコ氏と大阪在住のライター・スズキナオの共著。「折り畳み椅子を持って出掛けコンビニで缶ビールを買って飲む『チェアリング』など、大の大人がしょーもないことばかりして喜んでいる(笑)。半径5mの日常に、いかに楽しさを見出すか考えてみたくなります」。
原さん自身、外での読書が習慣で、癒しにもなっているそう。「競艇場で本橋信宏さんのディープなノンフィクションを読むなど、本を読むために出掛けることも。何かに見惚れて魂を奪われている姿が最も美しい人間の姿だと思っているので、その姿にも癒されています」。
原さんの癒しのMyルール
▶︎基本は外で読書
▶︎本を読んでいる人を見るのも好き
読了ライン
1|SANUブランドディレクター・本間貴裕さん
2|タレント・女優 清水みさとさん
3|編集者・本屋B&B運営 原カントくん
4|モデル・柴田紗希さん
5|発酵研究家・料理家 真藤舞衣子さん