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編集者・本屋B&B運営 原カントくん
忙しくても《読書》で自分らしく。

2023.2.27
<small>編集者・本屋B&B運営 原カントくん</small><br>忙しくても《読書》で自分らしく。

1日24時間は平等に与えられているのに、時間に忙殺されず輝いているあの人。そんな人たちが考える「癒し」についてうかがってみると、いそがしくても心を亡くさないためのアイデアが満載でした。

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編集者・本屋B&B運営
原カントくん

東京・下北沢にある「本屋B&B」の運営に携わる、編集者・プロデューサー。テレビ神奈川『イイコト!』、BS12『BOOKSTAND.TV』など、現在数々のTVやラジオにもレギュラー出演し、多岐のジャンルで活躍中

忙しいときこそ読書で息抜きを!

セレクトに定評のある「本屋 B&B」を運営し、多彩なゲストが好きな本を語るトーク番組『BOOKSTAND.TV』の司会も務める原カントくん。「小説よりもノンフィクションや伝記が好き。事実のほうがおもしろいと思っているので」。そんな彼の“癒し”の4冊とは。
 
「ノンフィクションの中でもこれは名著」と太鼓判を押すのが、ミュージシャン近田春夫さんの70歳記念の自伝。「日本の音楽史の最重要人物ですが、ビッグネームなのに過去の栄光に執着せず、飄々と新しいことにトライしていくんです。50歳くらいで人生のインプットは終了と感じている人は、彼の軽やかさに勇気づけられるはず」。
 
一方、『ハレルヤ』は芥川賞作家・保坂和志氏のエッセイ。「たゆたうような日常を描いた小説が多い作家ですが、これは飼い猫の闘病と死を描いた作品。文章が妙に長かったり、句読点が破茶滅茶だったりする。ジャズを聴くように文体のリズムを味わってほしい」
 
漫画家・江口寿史氏の日記は、他人からの依頼や締め切りで疲弊している人に。「吉祥寺でラーメンを食べて、下痢して原稿を落とす。それを延々と繰り返す彼の日常を通して、他人の期待に応える概念を捨てれば大抵のことは解決すると思えます」。『ご自由に〜』は、酒場ライター・パリッコ氏と大阪在住のライター・スズキナオの共著。「折り畳み椅子を持って出掛けコンビニで缶ビールを買って飲む『チェアリング』など、大の大人がしょーもないことばかりして喜んでいる(笑)。半径5mの日常に、いかに楽しさを見出すか考えてみたくなります」。
 
原さん自身、外での読書が習慣で、癒しにもなっているそう。「競艇場で本橋信宏さんのディープなノンフィクションを読むなど、本を読むために出掛けることも。何かに見惚れて魂を奪われている姿が最も美しい人間の姿だと思っているので、その姿にも癒されています」。

原さんの癒しのMyルール

▶︎基本は外で読書
 
▶︎本を読んでいる人を見るのも好き

『調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝』
著者|近田春夫 構成|下井草秀
価格|3080円 発行|リトルモア
日本のロックやパンク、ヒップホップの草創期に立ち会い、CM音楽を量産する日本音楽史の重要人物による貴重な証言の数々
『ご自由にお持ちくださいを見つけるまで家に帰れない一日』
著者|パリッコ、スズキナオ
価格|1980円 発行|スタンド・ブックス
酒飲みユニット「酒の穴」のパリッコとスズキナオによる上機嫌な対話エッセイ集。「デイリーポータルZ」の人気企画を厳選し書籍化
『ハレルヤ』文庫版
著者|保坂和志
価格|539円 発行|新潮社
作家夫婦の家にやってきて18年8カ月生きた片目の猫、花ちゃんとの別れが語られる。川端康成文学賞受賞作「こことよそ」を併録
『江口寿史の正直日記』
著者|江口寿史
価格|990円 発行|河出書房新社
『ストップ!! ひばりくん!』などでお馴染みの漫画家・イラストレーターの“クズ”っぷりが伝わる日記。実録マンガ「金沢日記」も併録

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