「角川武蔵野ミュージアム」が隈研吾建築で埼玉所沢に誕生!
埼玉県所沢市の再開発によって誕生した大規模複合施設「ところざわサクラタウン」内に、図書館と美術館と博物館が融合する「角川武蔵野ミュージアム」が、2020年11月6日(金)にグランドオープンした。
ここは、展示の骨格として「本の知」が充ち、「博物の陳列」が入り込み、「アートの表現」がメッセージを放ち、それらに「ファンタジー」が独特に組み合わさる21世紀型の複合文化ミュージアム。
建物のデザイン監修は建築家の隈研吾氏。巨きな多角形で、外からは1層にも5層にも7層にも見える、有角建築だ。トポグラフィックな異風異体を感じさせる。
館長
松岡正剛(まつおか・せいごう)
オブジェマガジン「遊」編集長、東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授などを経て、現在、編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。80年代「編集工学」を創始し、日本文化、経済文化、物語文化、自然科学、生命科学、宇宙、デザイン、意匠図像、文字などの諸分野をまたいで関係性をつなぐ研究に従事。その成果を、様々な企画、編集、クリエイティブに展開。一方、日本文化研究の第一人者として私塾を多数開催。2000年、壮大なブックナビゲーション「千夜千冊」の連載を開始。同年、eラーニングの先駆けともなる「イシス編集学校」を創立した。近年は、知識情報の相互編集を可能とする「図書街」「目次録」、編集的世界観にもとづく書店空間「松丸本舗」など本を媒介にした数々の実験的プロジェクトを展開。著書に『知の編集工学』『日本という方法』ほか多数。
隈研吾(くま・けんご)
東京大学建築学科大学院修了。東京大学教授。1964年東京オリンピック時に見た丹下健三の代々木屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を目指す。大学では、原広司、内田祥哉に師事し、大学院時代にアフリカのサハラ砂漠を横断し、集落の調査を行い、集落の美と力にめざめる。コロンビア大学客員研究員を経て、1990年、隈研吾建築都市設計事務所を設立。これまで20か国を超す国々で建築を設計し、(日本建築学会賞、フィンランドより国際木の建築賞、イタリアより国際石の建築賞、ほか)、国内外で様々な賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。
The First Floor (1F)
グランドギャラリー
自然、科学、芸術、博物、服飾、環境、社会など、物語を持つすべてのものを展示対象とし、大胆な構成でユニークなメッセージを伝える実験的な展示企画を展開する、約1,000㎡の空間。サイエンスはアーティスティックに、博物はファッショナブルに、アートは物語とともに、そして過去は未来とともに。何かと何かが交わり合うところに「新たな発見」を見出す。
マンガ・ラノベ図書館
KADOKAWAが発信するライトノベルとマンガの世界を読者と共有し発展させる空間。現在KADOKAWAに所属するレーベルの書籍全点をアーカイブし、日本で一番ラノベが読める図書館となっている。話題作品の特集展示コーナーや、充実の児童書コーナーも有り、約2.5万冊の図書を所蔵。
源義庭園
東京都杉並区荻窪にあった旧角川源義邸に聳える泰山木の大樹。昭和30年5月5日、新居完成祝いとして水原秋桜子・富安風生・石田波郷・中村草田男・松本たかしらの俳人仲間から贈られた記念樹である。源義はこの邸宅を「青柿山房」と名づけ、多くの俳人が集うところであった。その応接室の窓際にはロダンの胸像が置かれていた。本庭園は、源義が愛した泰山木を中心に、秋の七草やしだれ桜を「そら植物園」の西畠清順がデザインし、かつての「青柿山房」を再現させている。
The Second Floor(2F)
角カフェ/KadoCafe
所沢が名産地であるサツマイモを使ったスイーツや、美しく写真映えするラテアートなどを提供。
ロックミュージアムショップ/Rock Museum Shop
オリジナルグッズや可愛いアイテム、武蔵野で造られる工芸品など豊富なラインナップ。個性的な館の形状を活かしたグッズも必見。
The Third Floor(3F)
EJアニメミュージアム
EJとは『EntertainmentJapan』の意で、日本が世界に誇るアニメを文化として捉え、独自の切り口で紹介するミュージアム。原作やスタジオ、キャスト、スタッフなど多くの創造性のもとに制作され、書籍や映画、ゲーム、グッズなど幅広い展開を見せるアニメが、作品を取り巻くエンターテイメント全体と共に紹介される。
The Fourth Floor(4F)
エディットタウン-ブックストリート
本の息づかいや賑わいが感じられる“街”のような図書空間。松岡正剛館長の監修により世界を読み解くための「9つの文脈」にそって約2.5万冊の図書が並ぶ。既存の図書館にはない、まったく新しい先進的な配架になっている。また頭上には書影を使ったアートボードや隈研吾事務所による当館の模型、気鋭のファッションデザイナー川西遼平による“本で作る服”ブックウェアなども展示。
エディットタウンとは
エディットタウンとは、4階の《ブックストリート》+《エディットアンドアートギャラリー》+ 《荒俣ワンダー秘宝館》+4階から5階にかけて吹き抜けとなっている《本棚劇場》、そして4階から5階につながる《階段書架「アティックステップ」と文学賞棚(仮称)》、各エリアの総称。
美術館+図書館+博物館が融合したミュージアム。
本棚劇場
360度、高さ約8メートルの巨大本棚にかこまれた空間。KADOKAWA刊行物と、角川源義文庫、山本健吉文庫、竹内理三文庫、外間守善文庫ほかの個人蔵書が一堂に並ぶ。また本棚劇場では定期的に「本と遊び、本と交わる」をコンセプトとした《プロジェクションマッピング》を上映。約3万冊の書籍を所蔵。2020年12月31日の紅白歌合戦では「YOASOBI」のパフォーマンス会場として話題となった。
《プロジェクションマッピング》
開館時間中、30分毎に上映
荒俣ワンダー秘宝館
博物館の中は、展示物を手に取って見られるコーナーを持つ《ワンダーの部屋 半信半疑の地獄》と、生物の美しさや不思議を体感できる《サイエンスアートの部屋 生命の神殿》の2つの部屋に分かれている。
監修:荒俣宏/プロデュース:株式会社ウサギノネドコ
The FifthFloor(5F)
武蔵野回廊
武蔵野回廊に配置する本棚は、「角川武蔵野ミュージアム」を設計した建築家・隈研吾氏がデザイン監修。
また本棚は、所沢市在住の親子19組を招いて「木工教室」が開催され、石巻工房と一緒に隈研吾氏が設計した雑木林のような「武蔵野の本棚」を作成。
東日本大震災で被災した地域の再興を目的に、建築家や有名家具メーカーが出資・協力して開設した市民工房をはじまりとして宮城県石巻市に生まれた家具ブランド・石巻工房によるソファは、埼玉県産のヒノキ材を使用、クッションはコロナ対応で拭き取り消毒できるよう合皮仕様となっている。
武蔵野回廊には、武蔵野回廊には〈武蔵野再発見〉をテーマに、民俗学者の赤坂憲雄先生に監修・選書してもらった。地理、歴史、文学、ルポタージュ、写真集など幅広いジャンルの本が、選書者のコメント付きで収蔵・展示されている。
チケット発売について
角川武蔵野ミュージアム公式WEBサイトにてオンラインチケットを発売中。11月6日(金)のグランドオープン以降は当日券の販売も開始予定だが、予約状況によって希望時間に案内できない可能性あり。公式ウェブサイトでの事前予約を推奨。館内入場制限や注意事項については、角川武蔵野ミュージアム公式WEBサイトにて随時掲載する。
角川武蔵野ミュージアム
住所|埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3ところざわサクラタウン内
開館時間|日~木曜 10:00~18:00(最終入場 17:30)、金・土曜のみ 10:00~21:00(最終入場 20:30)
※レストランのみ 11:00~22:00(LO 21:30)
休館日|毎月第1・第3・第5火曜日(祝日の場合は開館・翌日閉館)
※祝日は該当する曜日の開館時間と同様
※休館日が祝日の場合は翌日休館
※レストランは除く
※開館日・時間は変更される場合もございます。
最新情報は公式ウェブサイト(https://kadcul.com/)をご確認ください。
◎2021年1月1日〜2021年1月3日は10:00-18:00/最終入館17:30
◎12月29日~31日、2021年1月4日〜7日は休館
Tel|0570-017-396(受付時間: 10:00-17:00)
https://kadcul.com/