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新潟《越後薬草蒸留所》
発酵のまちに美術館のような蒸留所が誕生

2022.5.31
新潟《越後薬草蒸留所》<br><small>発酵のまちに美術館のような蒸留所が誕生</small>

健康食品メーカー・越後薬草は、80種の野草類から作るクラフトジン「YASO」の世界観を“アートとして五感で味わう”をコンセプトに、美術館のような蒸留所「越後薬草蒸留所」を2022年8月下旬頃にオープンする。SDGsを念頭においた自然環境に配慮した循環型蒸留所は、製造過程で副産物として生まれるアルコールを原料とした“個性的なスピリッツ”と、そこにボタニカルを加えることで生まれる“記憶に残るジン”をアートとして表現している。

健康をテーマに野草酵素の研究を40年以上重ねてきた越後薬草が手がけるスピリッツとジンのブランド「YASO」。ベースとなるのは野草を中心とした80種類の原料で、「80(やそ)」と「野草」の響きから「YASO」と名付けた。

YASOを製造する越後薬草蒸留所は、新潟県上越地域に位置する。夏は高温多湿、冬は低温多湿という発酵に適した場所だ。さらに雪が降り、年間40度以上の温度差があるため、強い菌のみが生き残る環境でもある。この風土の特性を活かし、独自の発酵技術を用いてあえて特別に温度や湿度を調整しない「なりゆき温度」で酵素を製造している。

越後薬草蒸留所では、ごみを一切出さない循環型蒸留所を目指し、「リサイクル」ではなく、「自然環境に配慮したサイクル」を構築。50年、100年先と、自然と地域に密接したさまざまな取り組みを展開していくそうだ。

廃棄物などのロスを無くす循環を可能にする蒸留所を建設することで、野草を中心とした健康食品を製造する過程で生まれたアルコールを回収し、アルコール飲料を製造。酵素飲料、ジン、スピリッツを製造する上で使用した野草ハーブなどの植物原材料は農業用肥料へ加工され、その肥料を使用した畑で、ハーブなどの原材料を生産。そして、畑で育ったハーブなどを酵素飲料、ジン、スピリッツの原材料に使用するサイクルとなっている。

1階は実際に蒸留している様子や蒸留時の「YASO」の香りを体感できる見学可能なファクトリーフロア

越後薬草蒸留所は、「YASOの世界観をアートとして五感で味わう」をコンセプトに、蒸留風景や現代アート、サロンバーなど、上越市の風景も合わせて楽しめる空間づくりがされている。

蒸留所の外壁は木目調のデザインを取り入れており、木目をつける際には型枠に上越の杉を使用している。また、3階のバーサロンのカウンターテーブルには、上越地方の石を使用するなど、素材や形状などにこだわっている。

2階は越後薬草のヒストリーや、植物・発酵をテーマにしたアート作品を期間限定で展示する。蒸留とアートの融合により、越後薬草蒸留所でしか生まれない感性を楽しめる開放型アートギャラリーフロア
3階はバーサロンとして、「YASO」と地元食材を活かしたペアリングを味わえるフロア。全面ガラス張りを採用し、360度パノラマにて非日常空間を味わいながら、「YASO」を楽しめる工夫が施されている

蒸留とアートが融合する「越後薬草蒸留所」は、蒸留所見学とペアリングコースを味える新しいツーリズムを提供してくれるだろう。

越後薬草蒸留所
https://echigoyakuso.co.jp/

YASO
https://yaso80gin.jp/

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