この冬、長崎を食べに行こう!【後編】
一年中楽しめる長崎フィッシュ・ツーリズム
冬の味覚のひとつ・フグの中でも王者と称されるトラフグ。その養殖生産量においてトップを誇る長崎なら、“高級魚”もぐんと身近に感じられる。良質の漁場、豊富な魚種に恵まれた地で美味なるフィッシュ・ツーリズムを体験してきました。
長崎はお魚天国!
三方を海に囲まれ、入り組んだ地形が多様な魚を育む長崎県。魚種は250種以上と全国1位、総水揚げ量は北海道、茨城県に次ぎ3位に輝く。そう、フグ以外にも魚を味わう楽しみは尽きないのだ。
少し早起きしてぜひ足を運びたいのが、市街地から車で約30分の距離にある戸石漁港。こちらの直売所では、目の前の橘湾で揚がった朝締めの魚介がずらりと並べられる。数尾まとめて200円など、直売ならではの値付けに地元の人がうらやましくなるばかりだが、旅人も諦めることはない。対応できる漁師さんがいれば、丸魚をその場でさばいて刺身にしてくれる。小骨の多い「ヒラ」なら骨切りのため細切りにするなど、魚種ごとの仕立ても見事。海を眺めつつ味わう刺身は、なんとも贅沢だ。
長崎は、古くから鯨食文化が根づいた地でもある。刺身やハリハリ鍋といったクジラ料理で、歴史に彩られた美味を体験するのも楽しい。おでんの練り物や出汁が美味しいのも魚が豊かな土地だからこそ。カジュアルなカフェレストランでも地魚メニューは定番人気。市場直送の魚がふんだんに使われた色鮮やかな手まり寿司は、心弾むランチタイムにふさわしい。
お土産も忘れずに。高級珍味のカラスミや、近海のアゴなどを生かした無添加出汁製品を手に入れれば、自宅の食卓でも長崎の海の恵みを実感できるはずだ。
橘湾の恵みが四季折々に体験できる
フレンドリーな“海の駅”
「戸石フレッシュ朝市」
市場に出せない規格外を含め、橘湾で捕れた鮮魚・活魚を直売。ちくわやすり身揚げなどの加工品、地元産の野菜や果物も扱う。魚のおろし料金は3枚300円、上身500円。「戸石牡蠣焼き」は11~3月の土・日曜に開催され、年々ファンを増やしている。
戸石フレッシュ朝市
住所|長崎市戸石町2164-24
Tel|095-838-7310
営業時間|7:00〜13:00
定休日|火曜、ほか不定休あり
自家製練り物たっぷりの長崎おでんを満喫
「はくしか 銅座店」
1952年に浜町で創業し、1963年にこちらの銅座店をオープン。澄んでいながらしみじみと深みのある出汁が人気を博す。約30種を揃えるおでん160円~のほか、刺身や焼き物、酒肴など一品料理も豊富。持ち帰り用のおでんセットは地方発送も可。
はくしか 銅座店
住所|長崎県長崎市銅座町12-15
Tel|095-824-5949
営業時間|17:30〜24:00(L.O.23:00)
定休日|日曜、祝日
地元食材が気軽に楽しめる
郊外の隠れ家カフェ
「ごはんCAFE長崎茶寮 川德」
創作和食「川德」の系列店として2016年にオープン。お造りや天ぷらなどの和食と、ハンバーグやパスタといった洋食、さらにスイーツまで幅広く手掛ける。明るいテーブル席のほか、ボックス席や畳の個室なども備え、週末を中心にウェイティング続出の人気店。
ごはんCAFE長崎茶寮 川德
住所|長崎県長崎市田中町280-15
Tel|095-833-0500
営業時間|11:00〜21:30(L.O.21:00)
定休日|不定休
心と身体にじんわりと響く、
「便利な本物」の出汁素材
「中嶋屋本店」
生産量日本一を誇る長崎県産のイワシ煮干し、鹿児島県産の鰹節など良質な出汁の素材を扱う。出汁パックや液体出汁といったオリジナルの加工品も、添加物は一切不使用。「考えるのが好き」という現社長のアイデアが新商品を生む。
中嶋屋本店
住所|長崎県長崎市築町4-2
Tel|095-821-6310
営業時間|9:00〜18:00、日曜、祝日10:00〜17:00
定休日|なし
340年にわたり受け継がれる
伝統のカラスミ作り
「髙野屋」
創業は1675(延宝3)年。現在は14代目当主が、昔とほぼ変わらぬ製法でカラスミづくりを手掛ける。艶やかな仕上がりが際立つ一腹・片腹をはじめ、自宅用にぴったりなスライスやほぐしタイプも販売。
髙野屋
住所|長崎県長崎市築町1-16
Tel|095-822-6554
営業時間|9:00〜19:00、日曜、祝日9:30〜18:00
定休日|なし
長崎はこの魚介も要チェック!
長崎魚介カレンダー
お家でも楽しめる、長崎の魚のサブスクも
特殊な技術で急速冷凍させた刺身を、定期的に届ける「おさかなサブスク」。定番から珍しいものまで、何が届くかはお楽しみ。月1コース7560円~。
one bite fish
https://subsc2jsa.base.shop
長崎市の観光情報はInstagramをフォローしてゲット!
長崎市でいま訪れたい場所を発信中。ニュースポットからグルメまで長崎旅の情報が盛りだくさんなので、定期的にチェックしてみて!
text: Aya Honjyo photo: Azusa Shigenobu 協力=一般社団法人長崎国際観光コンベンション協会(DMO NAGASAKI)
Discover Japan 2022年2月号「美味しい魚の基本」