長崎県雲仙温泉で体験できる
心身が整う温泉ワーケーション!
長崎県島原半島の中央に位置する雲仙温泉。硫黄の匂いがたちこめ、白い噴気でけむる雲仙地獄は圧巻。ここは標高700mの高地。夏の平均気温は札幌と同じとあって、実はワーケーションに最適。温泉で地球のエネルギーに触れ、高原の緑の中で体を動かせば、仕事がはかどるばかりか生きる力もチャージされる。
温泉と自然を楽しみながら
静かな環境で仕事ができる
雲仙温泉が開かれたのはおよそ1300年前。当時は「温泉」を「うんぜん」と呼び、女人禁制の霊山として栄えたそうだ。明治から昭和初期にかけては外国人の避暑地としてにぎわった。そして昭和9年、日本で最初の国立公園になると同時に「雲仙」と表すようになった。雲仙は古い歴史と格がある温泉郷なのだ。お湯は硫黄を含む強い酸性泉。雲仙地獄を中心に旅館街が広がり、さまざまな趣向で良質な温泉を楽しめる。
温泉や四季折々の自然を楽しみながら、静かな環境で仕事ができる雲仙温泉。コロナ禍を経たいま、「雲仙福田屋」、「雲仙九州ホテル」、「雲仙観光ホテル」をはじめ、ワーケーションルームや専用のワークスペースがある旅館やホテルが増加中。雲仙の町全体でもワーケーションに力を入れていて、2021年夏にはかつて保養所だった建物がコワーキングスペースとして生まれ変わる予定だ。
温泉街には昔ながらの共同浴場もある。「だんきゅう風呂」の名で親しまれる「湯の里温泉共同浴場」はもっとも歴史のあるお風呂。だんきゅうとはらっきょうのことで、昔はらっきょう漬け用の大きな樽を風呂桶に使っていたのだとか。現在はその名残で、楕円形で深さがある浴槽に源泉がかけ流しで注がれている。お湯につかって地元の人とおしゃべりすれば、火山とともにある日常が見えてくる。
雲仙の自然や歴史をめぐる
雲仙岳の中腹にある雲仙温泉は、季節ごとの美しい風景も自慢の一つ。温泉街から歩いて絹笠山へ、エメラルドグリーンに輝く池へ。少し足をのばして、仁田峠からロープウェイに揺られて妙見岳山頂へ、周囲2.7kmが遊歩道になっている「おしどりの池」へ。雲仙は仕事の合間にこういった自然の中でリフレッシュできるコンテンツが充実していて、その一つが絹笠山での登山茶会だ。
「松尾カメラ時計展 喫茶室」の店主で日本茶インストラクターの松尾亜樹さんは、ほぼ毎日絹笠山を歩いているというだけに、ちょっとした山の案内人だ。温泉街から絹笠山山頂までは、登山道をゆっくり歩いて30〜40分。気持ちのよい森を抜けて山頂に立つと、東に温泉街を見下ろし、西には眼下に海が広がる。登山茶会は、松尾さんのガイド付きで絹笠山を歩き、山頂でお茶を楽しむというもの。森林ウォーキングを経て絶景の頂で味わうお茶は格別。
雲仙温泉内の移動に便利なのが電動アシスト自転車「E-Bike」のレンタル。街中はもちろん、標高1000mの仁田峠など、歩くにはつらい場所へもE-Bikeなら楽々。「UNZEN旅チャリ」は、雲仙の見どころをつなぐ3つのコースを設定していて、E-Bikeで雲仙の歴史や自然をめぐることができる。
雲仙滞在中のアクティビティでもう一つおすすめしたいのが、身体全体を動かす有酸素運動として世界で注目されているノルディックウォーキング。雲仙では毎日予約制で早朝ウォーキングやセミオーダー体験会を開催しており、インストラクターがポールの持ち方から教えてくれる。参加者の体力に合わせて行われるため、初心者でも安心して参加できる。
“美味しい雲仙”にも注目!
雲仙の温泉ワーケーションには「温泉でリラックス」、「自然の中でリフレッシュ」に加え、「美味しい」というキーワードもある。たとえば「雲仙福田屋」の鉄板焼きは感動ものだ。島原半島で育つ20種類ほどの野菜を低温でじっくり焼いて旨味を引き出し、アワビの発酵バター蒸しや長崎牛ステーキなどに合わせるのだが、どちらが主役かわからないほど野菜が美味しい。
雲仙地獄の近くのカフェレストラン「グリーンテラス雲仙」の「雲仙牛のオムハヤシ」も絶品! 子牛の骨と香味野菜を10日間煮込んだフォン・ド・ヴォーに、トマトをふんだんに使ったルーを合わせ、赤ワインで8時間煮込んだ雲仙牛のすじ肉を加えて……。ふわふわ卵とご飯の間には、とろ〜りチーズが3種類。手間と愛情をかけた極上のひと皿だ。
現在、雲仙ではポータルサイトを立ち上げ、10年後の雲仙温泉のヴィジョンを広く発信している。目指しているのは、雲仙温泉や海側の小浜温泉、さらには広く島原半島全体が一体となり、5泊6日したくなる滞在型リゾートにすること。すでにワーケーションの環境はどんどん整備され、家族も一緒に訪れて楽しめるプログラムの準備が進められている。これからの雲仙がとても楽しみだ。
今回訪れたスポットはこちら
民芸モダンの宿 雲仙福田屋
住所|長崎県雲仙市小浜町雲仙380-2
Tel|0957-73-2151
https://www.fukudaya.co.jp
湯の里温泉共同浴場
住所|長崎県雲仙市小浜町雲仙303-1
Tel|080-5286-2576
営業時間|9:00〜22:00
定休日|火曜
松尾カメラ時計展
住所|長崎県雲仙市小浜町雲仙152
Tel|0957-73-3651
営業時間|冬12:00~18:00、夏12:00~19:00/登山茶会10:00~12:00、金曜開催 ※グループ予約の場合日時は要相談
定休日|不定休
※登山茶会の開催日程・予約はInstagramを参照
Instagram:@matsuo_camera
UNZEN 旅チャリ
Tel|0957-73-3434(雲仙温泉観光協会)
営業時間|9:00~17:00
料金|1時間1500円、3時間3000円
※下記の予約フォームから申し込みの上、雲仙温泉観光協会の窓口にてレンタル
https://select-type.com/rsv/?id=CEVKECEn1Xc
グリーンテラス雲仙
住所|長崎県雲仙市小浜町雲仙320
Tel|0957-73-3277
営業時間|11:00~17:00(L.O.)季節による変動あり
定休日|なし
http://greenterrace-unzen.jp/
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雲仙温泉観光協会
一般社団法人 雲仙温泉観光協会
住所|長崎県雲仙市小浜町雲仙320
Tel|0957-73-3434
文=増本幸恵 写真=繁延あづさ(雲仙地獄、雲仙福田屋、松尾カメラ時計展 喫茶室、グリーンテラス雲仙)