一期一会から始まる福島のECサイト
「シオクリビト」で誰から買う?【前編】


福島県の生産者の魅力を伝えるECサイト「シオクリビト」。何を買うかではなく、誰から買うか。そこから売り手と買い手の新しい“つながり”が生まれる。前編では同サイトの仕組みについて紹介する。
生産者を応援するECサイトが
本格オープン!
2021年10月末、福島県内の生産者を応援するため、福島県商工会連合会が立ち上げたECサイト「シオクリビト」が本格始動した。ECサイトは、商品を販売するためのウェブサイト。インターネット上に無数に存在するが、シオクリビトには、それらとは一線を画すユニークさがある。それは、“売り”が商品(モノ)ではなく生産者(ヒト)であること。総勢45名の生産者のページには、幼少期や青春時代の思い出、趣味、家族の話、仕事に対する考えなど、彼らの日常や人生など、ありのままの姿を物語るエピソードと写真が並ぶ。サイトを訪れた買い手は、それを読み進めながら生産者の人となりに触れ、知らず知らずのうちに共感。その生産者を応援したいという想いが生まれる。つまりシオクリビトは、モノが欲しいからではなく、ヒトを応援したいから買うという、Emotional Commerce(情緒的取引)のECサイト。生産者は品物を、買い手はエールを届ける。そうしてヒトを入り口に広がるつながりは温かく、そして長く続く、売り手と買い手の新しい関係をかたちづくる。
「シオクリビト」は何があたらしい?

1.モノではなく、ヒトが入り口です。
人柄を知ることで、その生産者から買いたいという想いが生まれる。また生産者自身が発信することで広がるつながりもある。

右)ビール・ハイボールによく合うおつまみセット(3160円)
2・人柄を通してモノに出合い、福島が身近になっていく。
生産者の人柄を通して、つくっているモノに愛着がわくのはもちろん、生産者が根ざす地域の魅力にも惹かれるようになる。

3.つくり手は品物を、買い手はエールを届け、つながりが生まれる。
売り買いだけではなく、手紙をやりとりするように温かく、息の長い付き合いを続けてほしいという想いを込めている。
「シオクリビト」の特徴は?
いままでのECサイト
・モノが欲しくて買う
・バラで買える
・段ボール箱を開けるのは作業
・指定した時間に届く
・エレクトロニックコマース(電子商取引)
シオクリビト
・人を応援したくて買う
・バラで買えない 箱売りのみ
・段ボール箱を開けるのが楽しい
・届くのが待ち遠しい
・エモーショナルコマース(情緒的取引)
生産者紹介
シオクリビトの中から一部抜粋した生産者と、各生産者から購入できる商品を紹介します!

右)「柴栄水産」活魚・鮮魚目利き・柴強さん 「浪江町請戸港特産 食べくらべちりめんセット」5000円

右)「やまさ味噌こうじ店」味噌職人・佐藤大義さん「生きた酵素の発酵食品セット(生みそ&生甘酒)」3240円

右)「特産さめがわ合同会社」調味料開発者・斎須信子さん「鮫川村特産えごま商品セット」6840円

右)「土っ子田島farm」農家と食品加工・湯田浩和さん「会津・ふくしまの恵みジュースギフト 200㎖×10本入」4500円



右)「大堀相馬焼 松永窯」窯主・松永和生さん「何事も馬九行久プレートセット」1万2000円

右)「水野谷鶏卵店」黒鶏卵お届け人・ウォード嘉代さん「ナゲット・ソーセージ・つくね詰め合わせセット」3200円

右)「クレールコート」結婚式場オーナー・山崎盛久さん「郷の恵み肉セット(豚・鶏)」4320円
ユニークな仕掛けとは?
後編を読む
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text: Miyu Narita photo: Smiles, Norihito Suzuki
2021年12月号「ストーリーのある贈り物」