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発酵食の深淵をのぞきに西へ東へ④
洗練されたデザインに生まれ変わったヤマモ味噌

2019.11.22
発酵食の深淵をのぞきに西へ東へ④</br><b>洗練されたデザインに生まれ変わったヤマモ味噌</b><br class=“none” />

日本の発酵食文化は、地域特有の気候や文化、風習などから独自の発展を遂げ、いま新たな多様性を秘めている。発酵食の代表格であり、歴史深い、味噌、漬物、醤油づくりの地へ向かうと、発酵を軸に、それぞれつくり手が考える日本食の未来が見えてきた。

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洗練されたデザインに生まれ変わった
ヤマモの味噌

現在ヤマモ味噌醤油醸造元の製品は海外にも輸出をする。輸出開始を機にデザインも一新。泰さんが手掛けるスタイリッシュで洗練されたデザインに生まれ変わった。もちろん、デザイン性だけでなく機能性も申し分ない。味噌は海外輸送に耐え得る断熱性と密封性を兼ね備えた素材を採用し、美味しさをそのままに海外へ届けている。

またパッケージにもこだわり、袋型の味噌はあえて中身が見えないものを起用。日本の調味料は中身が見えるものが一般的だが、海外製品では中身が見えないものも多い。固定観念を捨て、デザインでも革新を起こす。その狙い通り、ヤマモの味噌はアパレル業界でも取り扱われ、食品業界とは異なるジャンルからも注目されているのだ。

低温熟成させたこし味噌「YUKIDOKE MISO」。雪解けとともに仕込みを行い、低温の熟成蔵でじっくり寝かせた味噌。酵母を通常の2倍使用し、塩分は8%と低め。甘みとクリーミーさ、豊かな香りは洋食にも活用できる。価格:508円/賞味期限:6カ月
熟成3年味噌使用の肉味噌「NIKUMISO」。旨みを感じる低温で食べてもらうため考案された商品。噛むほどに長期熟成された独特のコクと甘み、旨みが広がり、そのままご飯と食したり、野菜のディップや炒め物にも。価格:680円/賞味期限:1年
なめらかな口溶けの定番味噌「YAMAMO MISO」。ヤマモのスタンダードとして長く親しまれている商品。米糀を2倍使用し、塩分は控えめにすることでバランスが取れた味わいに。いつもの料理の味が違った印象になる。価格:734円/賞味期限:6カ月

醤油も多彩なラインアップを用意

味噌と並び主力商品である醤油は栗駒山系の伏流水を使い食塩分を25%カット。素材を生かした味わいが特徴。あま口醤油や漬け込み醤油などラインアップ豊富

日本を代表する伝統的な調味料、味噌と醤油。ここを訪れれば、味噌や醤油が出来上がる工程を見て、実際に味わって、知ることができます。また、室町時代から伝わる岩崎の竜神伝説を背景とした日本庭園やアートギャラリー、カフェも楽しむことができます。

ヤマモ味噌醤油醸造元
住所:秋田県湯沢市岩崎124
Tel:0183-73-2902
営業時間:9:00〜18:00、カフェ10:00〜16:30(L.O.)
定休日:不定休
https://salon-tea.jp

文=藤村実里 写真=野中 弥真人

Discover Japan 2019年11月号『すごいぜ!発酵』の一部を抜粋して掲載しております。


《あれも発酵、これも発酵》
1|発酵で日本のいまが見えてくる
2|日本の発酵食、実は3つだけ?
3|発酵は生活の中から生まれた知恵の結晶
4|世界的に見ても日本は発酵大国でした
5|発酵の主役は人間ではなく微生物

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