『grad. ice』薩摩切子が歴史と技法を守りつつ魅せる
新たな日本の伝統美
薩摩びーどろ工芸の新ブランド「grad. ice( グラッド アイス )」が夏に発売される 。grad. iceは日本の伝統技術を現代的に生まれ変わらせることで注目のプロダクトデザイナー辰野しずかさんがデザインし、薩摩切子が持つグラデーションの魅力をシンプルな造形で引き出したグラス。淡く発色させた色ガラスを厚く被せ、カットする深さや幅によって、豊かなグラデーションが自然と生まれ、光がさすとカット部の濃淡が際立ち、水を入れると美しく揺らぎ、奥行きのある幻想的な世界が広がる。
薩摩びーどろ工芸
江戸時代に発展した薩摩切子の様式や意匠を復刻することはもとより、新色の開発などに独創性を発揮するガラス工芸工房。工房内で吹きとカットの両工程を行える強みを生かし、試作を何回も重ね、新しいデザインや表現に挑戦し続けている。
デザイナー・辰野しずか
1983年生まれ。英国のキングストン大学プロダクト&家具科を卒業。デザイン事務所を経て、2011年に独立。2017年より株式会社 Shizuka Tatsuno Studioを設立。家具、生活用品、ファッション小物のプロダクトデザインを中心に、企画からディレクション、付随するグラフィックデザインなど様々な業務を手掛ける。
薩摩切子とは
1mm以下の薄い色ガラスを被せ、鋭角にカットを施す江戸切子に比べ、薩摩切子は2~3mmの厚い色ガラスを被せ、緩やかな角度でカットするのが特徴。そのため透明なガラスと色ガラスの境目には、美しいグラデーションが表れる。その芸術性の高さ故に、海外への輸出品や大名への贈答品として使われていた。江戸幕府第13代将軍徳川家定に嫁いだ、天璋院篤姫も嫁入り道具の1つとして携えていたといわれている。
商品について
grad. iceは、薩摩切子の魅力をシンプル表現したプロダクト。被せガラスに大胆なカットを施した、ソリッドな印象のグラス。カット面から見える奥行きのある陰影、グラスの底を覗くと現れる万華鏡のような幻影に思わず見惚れてしまう。
グリーン/green
インディゴブルー/indigo blue
丁寧に作られたこのgrad. iceには、ひとつひとつ作り手の想いが詰まっている。特別な日のグラスとしても、何気ない日常にも、幅広く使えるアイテム。
ブルー/blue
ウルトラマリンブルー/ultramarine blue
サイズ|h.150mm×φ59mm(容量約200ml)
価格|単品28000円(税別)2個セット56000円(税別)
8月7日より薩摩びーどろ工芸 grad.オンラインショップにて予約販売開始
https://grad.satuma-vidro.co.jp/item/?colorme_item=152723321
薩摩切子の技術
吹きガラスという成形技法により、ひとつひとつ職人の手で作られている。このように何層にも色ガラスを重ねる技法を被せガラスと言う。世界中のカットガラスの中でも、手吹きの被せガラスからカットまでを一貫して、一つの工房で製作しているのは珍しい。
全体の形とカット面のグラデーションがきれいに見えるよう、丁寧にひとつひとつ深めにカットしていく。主に角山、菱山、かまぼこなど形状のことなるダイヤモンドホイールを回転させ荒ぼりをする。更に、研石に変え、緻密な模様に仕上げる。
ゴム盤・木盤・毛ブラシ・バフという様々な工程がある磨き。ベースト状にした磨き砂をつけながら磨くことで、カット面の細かい傷をとり、美しい艶を出る。丁寧に手で磨きをかけることで、カット部分を際立たせ美しい光の反射を生み出す。
美しいグラデーションが、食卓や、リビングを美しく彩り、豊かな時間をもたらしてくれるgrad. ice。贈り物はもちろん、おうちで薩摩切子を片手にまったりとした時間を過ごすのも良いですよね。
grad.
https://grad.satuma-vidro.co.jp/