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出雲大社の魅力とは?
出雲大社入門 – 1

2020.10.24
出雲大社の魅力とは?<br><small>出雲大社入門 – 1</small>

日本が神代の国であった神話の時代、出雲大社は創建されたといわれています。太古からの伝統、技術、八百万の神々が集う神在月、多くの神事、私たちの心の奥底に眠る太古のパワーを呼び覚ましてくれます。そんな今も昔も人々を魅了してやまない出雲大社の基礎知識を学ぶ本連載。初回は出雲大社の魅力に迫ります。

60年ぶりの遷宮を終え、新たに生まれ変わった大社

出雲大社の遷宮とはどんなものなのか。そして出雲大社が多くの人を魅了し続けるのはなぜか。万九千神社・立虫神社宮司で元島根県神社庁参事の錦田剛志さんにお話をうかがった。

「出雲大社は『平成の大遷宮』といわれる60年ぶりの大改修が行われ、特に重要である御遷宮と本殿遷座祭が行われました。御修造は平成の年の春まで境内、境外の摂社、末社でも行われます。御遷宮とは御社殿、神さまの装飾や調度、神宝などもつくり改めることをいいます。神さまが鎮座される本殿などを建て替えるときは神さまの遷御(引越し)、遷座祭が行われるなど、神社の中で最も重要な祭儀です。今回の遷宮は平成20年から行われていますので、11年間にも及びます。特に御本殿は平成20年4月20日に主祭神であるおおくにぬしのおおみかみ大国主大神をお仮殿に遷御(引越し)する仮殿遷座祭から平成25年の5月10日までおよそ5年がかりで行われました。出雲大社の御本殿は伊勢神宮が新たに建てるのとは異なり、いわばリノベーションです。修繕するべきところを木工、金工などの多くの職人の手により施されていったのです。

遷宮はまた、原初に帰ることで、よみがえり永遠の若さを持続することともとらえられます。出雲大社での遷宮はほぼ60年ごとに行われています。その理由は諸説ありますが、60年に一度というのは人間でいう還暦。命の貴さを考えることにもつながります。さらにさかのぼり、伊勢神宮と出雲大社がともに遷宮だったのは1953年です。敗戦後、日本はその頃から一気に成長し、繁栄を築いてきたのです。そう考えると2013年の遷宮も日本に元気と活力を与えてくれるものだと思います。

現代は特に物事の遷り変わりやすい時代です。情報化社会の中でスピードは増し、常に流されている自分にふと気がつくときがあります。そんなときにこそ、出雲大社を訪れてみてはいかがでしょうか。出雲大社では多くのお祭りが行われています。太古からの神域、神事や社殿、変わらずに連綿と受け継がれてきたものがいまでもそこかしこに残っているのです。『夫れ汝が治らす顕露之事是吾が孫治らすべし汝はもちて神事を治らすべし』(日本書紀)

これは大国主大神による国譲り神話の一節です。このやりとりにより大国主大神は出雲で神さまたちの神事(かくれたること)を司ることになったのです。

目に見えないもの、かくれたることに頭を下げる。そういう謙虚な気持ちと限りある命の中で生かされているという感謝の気持ちを伝えることはとても大切なことだと思います」

遷宮の中心は御本殿。5年をかけて行われるほどの長期の修造が行われた。特に高さ24メートルにも及ぶ檜皮葺(ひわだぶき)の大屋根は約64万枚の檜皮が葺き替えられて3年の歳月を要した。ほかにも千木や神紋なども新たに生まれ変わっている

出雲大社の遷宮はリノベーション

現在のかたちとなる出雲大社の御本殿が1744年(延享元年)に造営されてから、遷宮はおよそ60年に一度となっており、これで4回目となる。20年に一度、遷宮を行う伊勢神宮がすべての建物を新造することから造替遷宮といわれるのに対して、修造遷宮といわれる。つまり、建物はすべて新造するのではなく、修繕が必要な部分に手を加えるリノベーションだから。総事業費は100億円と神社の遷宮では最大規模となっている。

出雲大社入門
1|出雲大社の魅力とは?
2|素朴な疑問を解決!出雲大社Q&A
3|出雲大社のめぐり方
4|出雲大社の見どころ

※記事内の写真は2013年に撮影されたものです

text: Hisanori Kato,Takenori Nanbu,Discover Japan photo: Haruo Nakano,Takanori Suzuki illustration: Hitomi Iha,Mariya Arai coordination: Tsuyoshi Nishikid
2017年 別冊「伊勢神宮と出雲大社」


≫古事記からひも解く伊勢神宮のルーツ。伊勢神宮入門

≫出雲大社の建築的魅力とは?

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