TRADITION

贈答に欠かせない2つの要素
「結ぶ」編
|贈り方の基本

2020.12.31
贈答に欠かせない2つの要素<br>「結ぶ」編<br><small>|贈り方の基本</small>

贈答の包みに欠かせないのが結びの存在。折形に水引をかけて結ぶことで、さらに贈るかたちが整えられます。まずは、基本の結び方3種の意味を知りましょう。

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教えてくれた人
小笠原 敬承斎(おがさわら・けいしょうさい)
東京都生まれ。小笠原忠統前宗家(小笠原惣領家32世)の実姉・小笠原日映門跡の真孫。聖心女子専門学校卒業。英国留学の後、副宗家を経て、平成8年に小笠原流礼法宗家に就任。礼法の普及のため、各地で指導・講演、執筆活動を行っている
https://www.ogasawararyu-reihou.com

室町時代より伝わり
相手への気持ちを込めて結ぶ

現在では、あらかじめ紙に水引や熨斗柄が印刷されたものを用いることが多いが、昔は贈り主の手によって紙を包んだり、水引を結んだりしていた。「結び目で、贈る相手への気持ちを表現するのです」と小笠原さん。

いま使用されている水引の結びのほとんどは、室町時代に考案されたもの。江戸時代に一般にも普及し、多くの結び方が考えられた。中には、創造性にあふれる装飾を施したものもある。

「現代では『真結び』『あわび結び』『もろわな結び』の3種類を覚えておけば、慶事や一般の贈答、弔事の際に困ることはありません」。

一般的に、結婚式などでは一生に一度という意味で、簡単にほどけない「真結び」や「あわび結び」を使い、何度あってもよい出来事には「もろわな結び」を使う。しかし、そこは贈り主の気持ち次第。

「お祝いはその時に存在する一度限りの節目。よい意味で節目の出来事にするために、ほどけない結びにすることもあります」。

あくまで、相手を思い気持ちを込めることが大切なのだ。

基本の結び方は3つ

シンプルかつ品格のある結び
「真結び」

シンプルだからこそ端整で品格がある結びで、別名「結び切り」とも呼ばれる。慶弔いずれにも使え、公式の儀式にも用いることができる。結婚祝いなどには、あわび結びと同様に、水引の先端を千枚通しなどにかけ、巻きつけてらせん状にした「老いの波」にすることもある。

水引の基本とも言える結び
「あわび結び」

現代では、最も頻繁に目にする結びで、水引の基本ともいえる結び方。別名「淡路(あわじ)結び」とも呼ばれる。そのほか慶事に用いる「あわび返し」と、弔事に用いる「逆あわび」がある。儀式の際には、正式なあわび結びである「相生(あいおい)結び」を使用する。

何度重なってもよい出来事に用いる
「もろわな結び」

一般的には蝶結び(リボン結び)と呼ばれる結び。「双輪(もろわ)」「諸輪(もろわ)」とも書き、ほどけやすいことが特徴。何度重なってもよい出来事に対して用いられるため、弔事では使用しない。左右の輪と水引の端を引くように伸ばすと美しいかたちに整えることができる。

水引のバリエーション

弔事

白黒
弔事に最も広く使われている組み合わせ。白を左、黒を右にして結ぶ。
白黄
弔事用だが白黒ほど直接的な印象を与えない。黄色を右、白を左にして結ぶ。
双白
一般的に目にすることの多い半分ずつ染め分けられた水引と違い、白一色の水引。用途は白黄と同じ。
双銀
双白と同じく銀一色の水引。白黄、双白と同様に白黒ほど直接的な印象を与えない弔事用。

慶事

白紅
慶事に使う最も正式な水引。紅はほとんど黒に近い玉虫色の濃緑で、次項の白赤とは異なる。
白赤
利用範囲が広く、慶事全般に使用する水引。儀式の際にも用いられる。白が左、赤が右。
金銀
白赤同様に、慶事全般に使うことができる。銀を左、金を右にして結ぶ。
金赤
白赤、金銀と同様に、慶事全般に用いることができる。金を左、赤を右にして結ぶ。

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text : Tomoko Honma photo : Atsushi Yamahira
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