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お金の贈り方
|贈り方の基本

2021.1.1
お金の贈り方<br><small>|贈り方の基本</small>

特別なシチュエーションや、日常生活でのこころづけなど、大人であれば何かと人にお金を贈る機会は訪れるもの。スマートにかつ美しく、お金を贈るコツをマスターしましょう。

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教えてくれた人
小笠原 敬承斎(おがさわら・けいしょうさい)
東京都生まれ。小笠原忠統前宗家(小笠原惣領家32世)の実姉・小笠原日映門跡の真孫。聖心女子専門学校卒業。英国留学の後、副宗家を経て、平成8年に小笠原流礼法宗家に就任。礼法の普及のため、各地で指導・講演、執筆活動を行っている
https://www.ogasawararyu-reihou.com

お金の贈り方Q&A

Q.なぜ新札を用意するの?
A.お金は本来、不浄のものです
贈答品としてあらゆる場面でお金をやり取りするようになったのは戦後のこと。お金はたくさんの人が触れるので、本来は不浄のものと考えられている。そのためお金を贈るときは、新札を用意する。このひと手間こそが“こころ”なのである。

Q.奇数がよしとされる理由は?
A.古来より陽の数でした
古くからの中国からの思想として、「奇数は陽の数字、偶数は陰の数字」という考え方がある。そのため奇数がメインに用いられるようになった。2万円の場合は1万円札1枚、5千円札2枚の計3枚にすることもある。

こころづけの包みをマスターすべし

急にこころばかりのお札を包みたいという時には、手持ちの懐紙などを使用して「こころづけの包み」をつくろう。慶弔にかかわらず、感謝の気持ちを包んで贈ることから「こころづけ」、または急場でも簡易に包むことができるため「当座金子包み」と呼ばれる包み方だ。緑紅の紙を使うと瀟洒な趣を演出できる。

①今回はA4サイズの紙を使用。まずは紙の両角を折る

②三角の袋状になった内側に紙幣を入れて下に折る。この場合、紙幣は三つ折りにしてもよい

③下部を、三角の部分が半分かくれるくらいにかぶせて折り上げる

④さらに、③のかぶせた部分の半分よりも少し短めになるように折り上げる

⑤両側を裏側へ折る

 

贈答の心得
 
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text : Tomoko Honma photo : Atsushi Yamahira
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