阿波おどりには毎年100万人以上の
観光客が訪れる「徳島県」
「47都道府県の魅力を再発見!」をテーマに、これまで編集部が取材してきた各地のモノ・コトを永久保存版として紹介する《Discover Japan的、日本再発見の旅》。今回は徳島県を取り上げます。新たな魅力を知るきっかけや、旅の計画を立てるのにもお役立てください。
一大祭の阿波おどりには
県の総人口以上の人が集結!
徳島といえば日本有数のイベントとして、400年以上の歴史を誇る阿波おどりがある。毎年8月中旬に開かれ、国内外から100万人以上の観光客が訪れる。
祭り名に冠された「阿波国(あわのくに)」とは、粟が多く収穫された県北部の「粟国(あわのくに)」が由来。県名は1585(天正13)年に豊臣秀吉の四国侵略により阿波を治めることになった蜂須賀家政が、名東(みょうどう)郡富田の荘を「徳島」と改名したことによるとされている。
全国生産量のほぼ100%を占める柑橘系果実のすだち、芋焼酎の原料としても使われるサツマイモ「なると金時」、全国トップの出荷量を誇る「春にんじん」など、名物果実や野菜の農業も盛ん。渦潮で有名な鳴門海峡に架かる大鳴門橋、日本三大秘境のひとつといわれる祖谷渓のかずら橋など、多様な橋にも注目したい。
名所・観光
大歩危・祖谷
日本三大秘境のひとつ。深く切り込んだ渓谷に翡翠色の川面が輝く「大歩危小歩危」や、群青色の山が連なる「祖谷渓」が見どころ。
問|三好市観光協会
Tel|0120-404-344
その他
鳴門の渦潮
脇町うだつの町並み
太龍寺
年中行事
阿波おどり
400年以上もの歴史をもつ、徳島県が世界に誇る伝統芸能。開催期間中は、例年国内外から100万人を超える観光客が訪れる。
会期|毎年8月中旬(2020年は中止)
会場|徳島県徳島市ほか
その他
ビッグひな祭り
ホタル祭り
日和佐うみがめまつり
美術館・建築
大塚国際美術館
西洋名画1000余点を陶板で原寸大に再現。美術書などで見たことがある名画が一堂に会し、日本にいながら世界の美術館を体験できる。
住所|徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦福池65-1
Tel|088-687-3737
https://o-museum.or.jp
その他
阿波おどり会館
徳島県立阿波十郎兵衛屋敷
徳島県立近代美術館
郷土料理
そば米雑炊
米の代わりに、そば米を使った雑炊。野菜や鶏肉、山菜などと一緒に煮込み、プチプチとしたそばの実の食感が小気味よい。
その他
たらいうどん
いももち
でこまわし
食
とくしま青柳
徳島県出身の和食界の重鎮、小山裕久氏が運営する店。地元の食材を使用した四季折々の懐石料理には、既存の概念にとらわれない遊び心が詰まっている。
住所|徳島県徳島市大道2-10-3
Tel|088-622-3405
営業時間|昼夜とも完全予約制
定休日|不定休
http://aoyagi-group.jp
クラフト
本藍染矢野工場のストール
江戸中期より藍の生産を担う徳島県。天然の阿波藍が醸す美しく調和のとれた色は“JAPAN BLUE”と称されている。
Tel|088-692-8584
http://yanokozyo.com
名産・土産
RISE & WINBrewing Co.のKAMIKATZビール
上勝町で自家醸造するクラフトビール。(660円)
Tel|088-666-3339
https://www.kamikatz.jp/
小男鹿本舗冨士屋の小男鹿
牡の鹿をモチーフとした蒸菓子。きめ細かな舌触りと上品な甘み。(1本2060円)
Tel|088-623-1118
http://www.saoshika.co.jp/
旅館・ホテル
四季美谷温泉 阿波ジビエの温泉宿
徳島駅から車で2時間の場所にある、隠れ家的な一軒宿。南つるぎで捕獲された新鮮なニホン鹿を“阿波ジビエ”として提供している。
住所|徳島県那賀郡那賀町横谷夏切3-3
Tel|0884-65-2116
客室数|9室(2階展望和室7室)
料金|1泊2食付1万円〜(サ込・税別、入湯税込)
http://shikibidani-onsen.com/
方言
ごっついおいしいんじょ!(すごく、美味しいですね)
その他
あばばい(まぶしい)
つまえる(元に戻す)
せこい(苦しい)ほか
なんでもランキング!
すだちの生産量→全国1位
藍の生産量→全国1位
渦潮の大きさ→世界1位
ご当地Q&A
寝ろくろという技法を使った素朴な陶器は?
大谷焼。200年以上の伝統を誇り、阿波藍染用のカメといった大物づくりで有名。助手が作業台の下に寝転び、ろくろを足で蹴ることで回す「寝ろくろ」は、国内唯一の技法。
栗のような食感と高い糖度が特徴の名産は?
なると金時。温暖かつ降雨量が少ない気候に加え、海のミネラルを含んだ良質な砂地で栽培することが味の秘密。黄金色の芋を「金時」と呼ぶことから名づけられた。
徳島県・基本データ
DATA
県庁所在地|徳島市
市町村数|8市・15町・1村
面積|4147㎢
人口|74万人
人口密度|177.5人/㎢
訪問観光客数(年間)|650万人
県の木|ヤマモモ
県の花|スダチ
県の鳥|シラサギ
気候
年平均気温|17.1℃
最高気温|33.1℃
最低気温|1.5℃
降水量|1760㎜
快晴日数|35日
降水日数|106日
雪日数|12日
観光
温泉数|26
宿泊施設数|607(ホテル符R洲旅館)
美術館数|4
博物館数|28
道の駅数|16
重要文化財数|48
史跡数|12
名勝数|4
天然記念物数|25
国立公園・国定公園|瀬戸内海、室戸阿南海岸、剣山、全3カ所
出身有名人
米津玄師/哀川 翔/大杉 漣/松友美佐紀/丸岡いずみほか
天然記念物
カスミサンショウウオ/阿波の土柱/母川オオウナギ生息地/船窪のオンツツジ群落ほか
女性がのびのび活躍できる徳島の風土を、SDGs視点で解説!
人間、地球及び繁栄のための行動計画として、持続可能な開発目標として国際的に採択されたSDGs。17の目標のうちゴール5の「ジェンダー平等を実現しよう」に注目してみると、徳島県は「女性役員の割合」が全国1位、「女性の農業経営者割合」が全国2位、「都道府県議会議員の女性の割合」が全国12位です。
重要な意思決定を行う場に女性が参加していることは、ジェンダー平等を実現するための重要なポイント。男女関係なく能力のある人材が活躍している組織が多い徳島県は、持続可能な自治体として今後も魅力を増しながら成長していきそうですね。
昔から働き者と言われてきた阿波女。徳島の風土には女性がのびのび活躍できる風通しの良さや、目指すべきロールモデルが多く存在しているのかもしれません。
edit&text=Keditorial,Miho Hasegawa,Minori Fujikawa,Satomi Koba,Natsu Arai
2020年7・8月号 特集「この夏、どこ行く?ニッポンの旅計画108」