「HOTEL WHY」
徳島県・上勝町に世界初のゼロ・ウェイストアクションホテル が誕生!
【最先端のSDGs Part 1 泊まる】
いま、ホテル業界においてもSDGsへの取り組みが重要視され、ニューオープンの中にはSDGs特化型のホテルも登場。滞在を通して、これからの暮らしを考えるきっかけをもたらしてくれます。SDGsを切り口に滞在すれば、新しい旅の楽しみ方、ホテルの楽しみ方が広がります。
徳島の山あいにある過疎の町に2020年5月にオープンした「ゼロ・ウェイストアクションホテル HOTEL WHY」を、徳島出身のエシカルファッションプランナー・鎌田安里紗さんが訪問。滞在を通して浮かび上がる、ごみ問題という大きなテーマを体験します。
鎌田安里紗(かまだ・ありさ)さん
1992年、徳島県生まれ。エシカルファッションプランナー。生態系管理論を専門とする父に連れられ、幼い頃から上勝町を訪れる。現在は慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程に在籍し、エシカルファッションプランナーとして活動する。共同代表を務める一般社団法人「unisteps」では、エシカルファッション講座やコミュニティを提供中
チェックインも斬新!
客室にもSDGsが詰まっています
木の温もりあふれる客室は、リユース品が随所に取り入れられ、町の記憶が静かに息づく空間。ごみを出さない体験の第一歩にはじまる、心地いいステイが待っている。
チェックインの瞬間から
SDGsを体感できる
徳島市内から車で南西へ。穏やかな日本の原風景の中を走ること約45分、町の緑深い山々に抱かれて佇むHOTEL WHYに到着だ。
「空気が美味しい!」と声を弾ませながら、鎌田安里紗さんはホテルのチェックインへ。実は、この時点でゼロ・ウェイストへのアクションははじまっている。客室で使用する石鹸を、必要な分だけ自分の手で切り出すのだ。「チーズを切るみたい」と驚く鎌田さんを、CEOの大塚桃奈さんがサポート。「1泊なら、厚さ5㎜程度が目安ですね」。サービスのコーヒーや上勝晩茶も必要最小限を配分。いよいよエシカルな滞在がスタートする。
客室は全4室。全室がメゾネットタイプで、吹き抜けのリビングは明るく開放感にあふれている。ランダムなデザインの窓枠は、町の家々での役目を終えたものをリユース。さらに、ソファやテーブルなどの什器も、廃棄処分品を無駄にすることなく再生。消費の在り方を考えると同時に、それぞれのモノにまつわるストーリーに思いを馳せることができる。
リラックスして過ごすうち、客室に通常の“ごみ箱”がないことに気づく鎌田さん。その理由は、チェックアウトの際に明らかになる。
ゼロ・ウェイストアクションホテル HOTEL WHY
住所|徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7-2
Tel|080-2989-1533(9:00~17:00)
客室数|4室
料金|1泊朝食付1万1000円~(税・サ込)
カード|AMEX、DINERS、JCB、Master、UC、VISAほか
IN|15:00
OUT|10:30
施設|ラーニングセンター&交流ホール、コラボレーティブラボラトリー、
くるくるショップ、ごみ分別所&ストックヤード、コインランドリー
text: Aya Honjo photo: Natsuko Ishikawa
Discover Japan 2021年9月号「SDGsのヒント、実はニッポン再発見でした。」