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奄美大島《伝泊 古民家》で暮らすような滞在
伝泊のまちづくり|中編

2024.9.27 PR
奄美大島《伝泊 古民家》で暮らすような滞在<br> 伝泊のまちづくり|中編

2021年に世界自然遺産に登録された鹿児島県の奄美大島。奄美の伝統的で個性豊かな古民家に宿泊できる「伝泊 古民家」とは?

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誰一人、何一つ取り残さない社会を目指す。

伝泊は島の集落の人々とのつながりをもちながら、ともに「シマ」を元気にし、島の伝統文化を次の時代に継承したいと望んでいる。その活動をスタートさせ、指揮を執るのは伝泊の代表兼オーナーで建築家の山下保博さんだ。全国で空き家問題を抱える日本。ここ奄美大島も例外ではないという。

奄美大島出身の山下さんは深く島を想う気持ちから、島を活性化し、伝統や魅力が色褪せないようにと“まちづくり”に情熱を注いでいる。リノベーションした古民家を旅人に提供することもその一環だ。「島の伝統的構法を7割以上残した伝統的な建物で、ロケーションの魅力があること」など、いくつもの条件をクリアした民家を「伝泊 古民家」としてリノベーションし、展開している。

「高倉のある宿」。キッチンがあり室内は99㎡の広さ。1~8名で利用できる一棟貸し。八月踊り体験など、宿泊している古民家で集落文化体験ができるアクティビティも。内装は改装しているが、懐かしい五右衛門風呂体験も可能

山下さんはこう語る。「私は奄美の生まれでこの島で育ちました。懐かしい風景が残るこの島で、自然や文化やその心意気を消さずに未来へ伝えたい。島の魅力を一人でも多くの人に知ってほしい。その思いがスタートのきっかけです。とにかく島のみんなが優しいんですよ。先達がつないでくれた奄美の日常を観光にしたい」と、島の魅力を肌で感じてほしいと願う。

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用集落に佇む「水平線と朝陽の宿」。海に面したこの古民家は島最北端の笠利埼灯台にも近い静かな場所。水平線に昇る朝日は感動的、テラスで朝食をとるのもすてきな一日のはじまり。夕暮れ時はテラスで黒糖焼酎片手にゆったりと

奄美にやってくる旅人は、伝泊が運営するいくつもの古民家やスタイリッシュなホテルが選択できる。伝泊 古民家は奄美大島に8棟のほか、加計呂麻島、徳之島にもあり、現在18棟。元が民家のため、自分の祖父母の家にでも暮らすようなほっこりと落ち着く滞在がかなうのだ。

チェックイン時、島に住む伝泊コンシェルジュが観光の相談や集落体験をサポート

その伝泊にかかわるすべては、集落住民と観光客の交流の場でもある複合施設「まーぐん広場・赤木名」が中心となっている。建物の1階には総合フロントのほか、高齢者施設、島の特産品や物産を売るセレクトショップのほか、イベントスペースや食堂も併設。さらに2階には、宿泊施設「伝泊 赤木名 ホテル」と奄美の書籍が充実したライブラリーがある。「まーぐん」とは奄美大島の「みんないっしょ」という優しい言葉。伝泊が目指す基本が「誰一人、何一つ取り残さない社会」であることからその名がつけられた。

「奄美の未来を見据えたまちづくり」を目指す伝泊。奄美群島の各集落で継承されている独自の伝統文化や、島々の自然を残し、集落住民と観光客が交流することで、島を活性化させるためのスキーム

伝泊の取り組みは、2020年にはその活動や功績が広く認められ、「ジャパン・ツーリズム・アワード」において最優秀賞「国土交通大臣賞」を受賞。自分の生まれ故郷とのかかわりを絶やさず、先達から受け継いだ自然や伝統文化を絶やすまいと、奄美諸島で“まちづくり”に情熱を傾ける山下さん。そのほかのプロジェクトも現在進行形だという。進化し続ける伝泊から、これからも目が離せない。

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伝泊のまちづくり

1|奄美大島《伝泊》とは?

2|奄美大島《伝泊 古民家》で暮らすような滞在

3|奄美大島《伝泊 古民家》で“島暮らし”を体験!

text:Kyoko Sekine photo:Hiroshi Abe
2024年10月号「自然とアートの旅。/九州」

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