奄美大島《伝泊 古民家》で“島暮らし”を体験!
伝泊のまちづくり|後編
2021年に世界自然遺産に登録された鹿児島県の奄美大島にある宿泊施設「伝泊 古民家」。ここでは伝統の八月踊り、島の名物“鶏飯”など、集落の暮らしを体験できるアクティビティや郷土料理が待っていた。
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集落での忘れられない体験
奄美大島滞在中、伝泊が提供するアクティビティに参加し、集落の人々と接した。海では双胴船「伝泊 Catamaran」を操縦してくれたベテラン漁師、「八月踊り」では集落の人々と一緒に踊るなど、いずれも心に深く刻まれる経験になった。中でも印象に残ったいくつかの食体験がある。
今回、集落に出て「島の名物“鶏飯”を民家でごちそうになる」という機会を得た。鶏飯のルーツは、薩摩の役人をもてなすためにつくられた手の込んだ郷土料理だ。私たちは、赤間さんご夫妻のご自宅にうかがった。ずらりと料理が並ぶテーブルに着き、鶏飯用のスープが入った鍋を中央に、隙間のないほど並んだ料理を囲んで食事がはじまった。心の込もった手料理は前日から準備にかかったという。赤間夫妻の優しさに触れ、美味しい鶏飯に大満足の昼食会となった。
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もうひとつが伝泊が企画する島じゅり(島料理)づくり体験。伝泊 古民家に泊まるゲストは、“京子姉”として親しまれる白畑京子さんに、島の料理を習うことができる。素朴で懐かしさを感じさせる奄美の味。ここでも島の人々の日常に触れ、心温まる食体験をした。
単に宿に泊まるだけではなく、古民家に泊まって、集落住民と交流することで、その集落でしか味わえない魅力を体験できる。そこに伝泊の“島の日常を観光に”、という想いが込められている。「集落住民は島の宝」という、伝泊の発信する言葉に納得である。
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シマッチュと唄い踊り明かす「八月踊り体験」
八月踊りで振る舞われる“島じゅり”
体験プログラム「八月踊り」では、島のおばあがつくる豪華な島じゅり(島料理)が振る舞われ、踊りの合間にシマッチュと一緒にいただける。時期によって内容は替わるものの、いずれも心に刻まれる美味しい品々。
八月踊りの後は集落の住民気分で
伝統の遊び「ナンコ」に参加
滞在中に訪れたい!
伝統的な製法でつくられる黒糖
黒糖焼酎がほぼすべて揃う酒販店
伝泊 古民家
住所|奄美大島、加計呂麻島、徳之島に点在
Tel|0997-63-1910
料金|1泊素泊まり9600円/人~(税・サ込。宿により異なる)
※各体験プログラム詳細は伝泊HPを参照
text:Kyoko Sekine photo:Hiroshi Abe
2024年10月号「自然とアートの旅。/九州」