西郷隆盛の陰にはこの3人あり!
時代を動かしたキーマンの人物秘話とは……
今年は明治になってからちょうど150年。日本史上最大の出来事といっても過言ではない明治維新は、約270年続いた江戸時代の常識が通じなくなった変革期だった。そんな激動の幕末に生まれ、未来を切り拓いていった人物たち。彼らは何を考え、同時代を生きたのか。大河ドラマで西郷隆盛が注目を浴びる中、彼を支えた3人の人柄を表す逸話を紹介!
明治政府のリーダー! 大久保利通の知られざる人物秘話
■西郷と袂を分かつも想いは強く、死を知り男泣き
西郷が自決したと聞いた大久保は、むせび泣き、動揺を隠せず家の中を徘徊したという。「おはんの死とともに、新しか日本が生まれる。強か日本が……。」と呟いたといわれる。
■国のために私財を使い、死後に膨大な借金が残った
金銭には潔白であり、私財を蓄えることはなかった。明治政府は貧しかったため、予算のつかない公共事業に対しては私財を投じ、国の借金を個人で埋めることまでしていた。
■西郷とは対照的で写真が大好き! たびたび撮影
西郷隆盛とは異なり、当時の明治政府の中でも写真が好きな人物で、肖像写真が数多く残る。しかもポーズも多岐にわたっているので、よほどの写真好きだったのだろう。
大久保利通をもっと知りたい方はここへ! 鹿児島市 維新ふるさと館
幕末の薩摩や日本の様子と明治維新を支えた英雄たちの姿を映像やロボットなどを使った展示でわかりやすく紹介。幕末、明治維新が楽しく学べる。
【DATA】
鹿児島市 維新ふるさと館
住所:鹿児島県鹿児島市加治屋町23-1
時間:9:00~17:00(入館~ 16:30)
料金:一般300円、中小生150円
電話:099-239-7700
http://ishinfurusatokan.info
薩摩藩の家老で、西郷・大久保の上司!小松帯刀の知られざる人物秘話
■日本初の新婚旅行を行ったのは帯刀だった!
愛妻家として有名。新婚時代の1856(安政3)年、新婚旅行で霧島の栄之尾温泉に滞在したといわれる。日本初の新婚旅行を行ったとされる龍馬よりも10年早い記録だ。
■西郷隆盛が忠誠を誓った帯刀の度量の深さとは
西郷が自分より上位の帯刀の度量を試そうと、部屋で横になって待っていたところ、帯刀は従者に枕を持ってくるよう促した。それを聞いた西郷は非礼を詫び、忠誠を誓った。
■あの龍馬も帯刀の人柄や高い能力を評価した
寛容で雄弁明快な人柄で人望が厚く、若くして薩摩藩の家老に取り立てられた。坂本龍馬の新政府の人事構想では、西郷や大久保、桂らを抑えて、筆頭に挙げられていた。
小松帯刀をもっと知りたい方はここへ!園林寺跡(小松家墓地)
小松家の菩提寺でもある園林寺跡には、小松家歴代の墓があり、その中に帯刀も眠る。墓地へ続く道の入口には廃仏毀釈の被害にあった仁王像などもある。
【DATA】
園林寺跡(小松家墓地)
住所:鹿児島県日置市日吉町吉利5004-3
時間:見学自由
料金:無料
電話:099-292-2111(日置市日吉支所地域振興課)
www.kagoshima-kankou.com/guide/13110
産業の近代化を推進した気鋭の薩摩藩主!島津斉彬の知られざる人物秘話
■鮮魚を食べたことによる腸炎ビヴリオで死去した!?
斉彬は無類の釣り好きだった。死因は諸説あるものの、コレラや毒殺ではなく、鮮魚を食べた事による食中毒(腸炎ビヴリオ)が原因だったとする説がある。それにしても、幕末屈指の名君が食中毒で亡くなったとしたら、あまりに切ない……。
島津斉彬をもっと知りたい方はここへ!尚古集成館
島津斉彬の富国強兵事業の中心となったのが、「集成館」である。1865(慶応元)年に完成した機械工場は重要文化財に指定。世界遺産にも登録。
【DATA】
尚古集成館
住所:鹿児島県鹿児島市吉野町9698-1
時間:8:30~17:30
料金:一般1000円、中小生500円
電話:099-247-1511
www.shuseikan.jp
激動の時代に生き、従来の常識を覆して未来のために動いた人々。彼らの活躍を見返してみると、今の世の中を生き抜くためのヒントがありそうだ。幕末維新期が盛り上がる今年、時代を変えたたくましき男たちの生き方を今改めておさらいしてみてはいかがだろうか?
鹿児島編
(text:Discover Japan)
※この記事は2018年1月6日発売Discover Japan 2月号P65の内容の一部を掲載しています。