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最高の食事とサービスを提供する
ノーマ京都の舞台裏を公開
ノーマ京都のすべて⑨

2023.8.9
最高の食事とサービスを提供する<br>ノーマ京都の舞台裏を公開<br><small>ノーマ京都のすべて⑨</small>

レネ・レゼピさん率いるnomaが京都でポップアップを開催。このニュースにどれだけ多くの人が沸き立ったことか。デンマーク・コペンハーゲンに拠点を置く精鋭集団が春の京都でどんな景色を見せてくれたのか。今回は、最高の食事とサービスを提供するnomaの舞台裏はどうなっているのか、とある日ののスケジュールを追ってみた。

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ノーマ京都の1日

華やかなポップアップの舞台裏は忙しい。世界一のレストランへの期待は大きく、レネ・レゼピさんやスタッフは、世界中の人が楽しみにやってくるその時間を、最高のものにしようと日々努めている。どこにもない料理や空間、ここが高級レストランであることを忘れてしまうほどナチュラルで心地よいサービスは、綿密な段取りの先に実現している。本国から帯同してきたスタッフも含め、皆がひとつになって、nomaの時間を動かす。当たり前のことを毎日繰り返しながら進む日々は、彼らの学びの時間でもある。そうやってnomaはどんどん進化している。

07:00
人のいないステージ
昼夜の活況が嘘のように静まり返っている。本国から連れて来たクリーニングスタッフが隅々まで掃除をしているフロアはとても清潔

08:00
|徐々に人影が増えてくる
シェフらが徐々に揃いはじめる。ポップアップ期間中は心身の健康をキープするのも仕事。8時頃のスタートが一定のサイクルをつくる

08:30
|仕込みの開始
豆の皮をむくなどの下準備は、若手のスタッフを中心にシェフも一緒になって行う。皆が協力してひとつの料理をつくり上げていく

09:00
|食材が次々と到着
北海道のハスカップベリーや岡山のレンコン、愛媛のデコポンなど、選りすぐりの食材が届き、ひとつずつ丁寧にチェックしていく

10:30
|セッティングが進む
居心地のよい空間にするために入念なチェックを行う。人が気づかないようなところも意識してととのえていくのがnomaの流儀

11:15
|午前のチームミーティング
レネさんの元にスタッフが集合。レネさんは曜日やポップアップの経過日数に応じて話す内容を変えながらスタッフをまとめている

12:00
|ランチの開演
この日の営業がはじまった。プラチナチケットを獲得したお客に最高のパフォーマンスを提供。途端に店が活気に満ちあふれる

15:45
|ディナーの営業準備
ランチ営業を終え、休憩を挟んだスタッフがディナーに向かって動きはじめる。食材から調理の手順まで細かなチェックをしている

17:15
|午後のチームミーティング
nomaのチーム力となる情報共有とディスカッションはディナー前にも。同じ課題や想いを毎日共有することでチームとして成長する

19:00
|ディナー最前線
各テーブルに次々料理が運ばれている最中、キッチンでは各部門のリーダーがスタッフの仕事をチェックしながら次の料理を準備

24:00
|翌日の準備はもうはじまっている
営業を終えた後はこの日を振り返り、翌日に備える。レネさんが描くnomaの世界をつくるためにスタッフは常に準備を怠らない

25:00
|幕が下りる
昼夜の営業が終わり、再び静まり返った店内。クローズ後はクリーニングスタッフがフロアを磨き上げ、翌日の舞台をととのえる

ノーマ京都ができるまで

◎2020年 1月〜2月
日本各地をめぐり、日本食文化、精進/懐石料理を研究。
食材生産者のリサーチを開始する。

◎2021年 後半
工芸作家のリサーチをはじめる。

◎2022年
一年を通して、さまざまな食材などを研究・テスト。
1月 工芸作家にファーストコンタクトを開始。
2月 工芸作家からのサンプル(第1回)が届く。
4月 来日
   アトリエ・エースへ対面でごあいさつ。
   日本各地でリサーチを開始(キッチン・デザイン)。
7月 日本各地の地域をあらためてリサーチ (キッチン・デザイン)。
11月 京都周辺の地域をあらためてリサーチ (デザイン)。

◎2023年
1月 テストキッチンのセットアップ。メニュー開発が本格的に始動する。
2月 エースホテル京都の空間設営。末日、noma×京都のメニューが完成する。
3月 nomaのチームが全員集合。
  3月15日〜5月20日 ポップアップレストラン開店!

読了ライン

 

理想のうつわを求めて、
宮崎・高千穂へ

 
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《ノーマ京都のすべて》
01|世界一のレストラン《noma/ノーマ》が京都にやってきた
02|【noma×日本料理】京都の野山を味わう“八寸”から
03|【noma×日本料理】ニッポンの海と懐石料理の文化を再発見
04|みんなでひとつを生む、nomaのつくり方。
05|世界一のレストランnomaのキーマンはヘッドR&Dシェフ・髙橋惇一さん
06|nomaが惚れた、ニッポンの食材
07|【noma×日本料理】限りなく無作為な自然をいただく。
08|【noma×日本料理】文化、食材への“探求”=nomaだ
09|最高の食事とサービスを提供するノーマ京都の舞台裏を公開
10|理想のうつわを求めて、宮崎・高千穂へ【前編】
11|理想のうつわを求めて、宮崎・高千穂へ【後編】
12|【noma×うつわ】うつわ選びへのこだわり
13|【noma×うつわ】noma×京都の料理を彩ったうつわ作家たち

text: Mayumi Furuichi
Discover Japan 2023年7月号「感性を刺激するホテル/ローカルが愛する沖縄」

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