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Maison KEI<メゾンケイ 御殿場>
三つ星シェフ小林圭ととらやのコラボレストラン【前編】

2021.5.8
Maison KEI<メゾンケイ 御殿場><br>三つ星シェフ小林圭ととらやのコラボレストラン【前編】
パリの店でも人気の「ヴァシュラン」。原型はクリームとメレンゲの伝統菓子。そこにとらやのあん、白味噌のアイスクリーム、フランボワーズ羊羮など和をプラス

500年の歴史を誇る和菓子店と2020年、パリで三つ星を獲得したフレンチレストランが御殿場にレストランをオープン。東京でも、京都でもない。なぜ御殿場?そこにレストランの未来はあるのか?早速、現地に行ってみました!今回は、その模様を前後編記事にてご紹介します。

とらやがフレンチレストランを開業!
「Maison KEI(メゾンケイ)」

伝統の数寄屋造をモダンに表現。2006年よりとらや新店舗は内藤廣氏が設計。小林シェフは京都一条店がお気に入り

それにしてもなんとビッグな取り合わせだろう。500年の歴史をもつ「とらや」の18代・黒川光晴氏と、2020年のフランス版ミシュランでアジア人シェフとしてはじめての三つ星を獲得した「レストランケイ」の小林圭シェフ。そもそも「メゾンケイ」の誕生は、11年前に二人がパリで出会ったことからはじまる。

「私がはじめて小林シェフにお会いしたのは2010年でした。当時私は『とらや』パリ店に勤務していました。その頃小林シェフはアラン・デュカスの店で5年もスーシェフを務めて独立したばかり。素晴らしいキャリアの持ち主ですが、とても気さくで。翌年の開店に向けて、お忙しいのに食材の調達や店づくりの現場を見せてくださるなど、ずいぶん勉強させていただきました。何よりその情熱には圧倒されるばかり。いつか一緒に仕事ができれば、と思わせられる実力と魅力のあるシェフでした」。

「レストランケイ」は2011年3月に無事開店し、その後も二人の交流は続いた。黒川氏は小林シェフの味へのこだわり、素材に対する姿勢。そして活気あるレストランを見て、あらためて小林シェフの店づくりに感銘し「いつか必ず」との思いを強くしたという。それが現実のものとなるのは、意外に早かった。

木をふんだんに使った店内は明るく気持ちがいい。テーブルは窓際に置かれ、客席間はゆったり。自然に身体も気持ちも寛ぐ

場所は富士山麓、御殿場市東山地区。都心から車で約1時間半。御殿場インターを降りて10分の場所だ。なぜ、御殿場か? 実は御殿場と「とらや」には深い縁があるのだ。富士山のふもとに広がる御殿場は、水が美味しいことでも有名で、お菓子づくりに適した自然環境を求め「とらや」は1978年より主力工場を開設している。2007年には東山地区の活性化を図り、和菓子で和む空間「とらや工房」をオープン。行列のできる人気店となった。地方でも魅力ある店には人が来る。黒川氏は地域活性化も意識したレストランを考えた。シェフはもちろん小林氏だ。準備期間5年、満を持して今年1月30日にオープン。

緑がかったグレーの外観は、シックな印象だが、温かみのある木の扉とガラス張りのエントランスにホッとする

「メゾンケイには地域に根ざし、お客さまに喜んでいただける店になってほしい。高級素材に頼ることなく、個性を生かした料理。そして、和の素材を使ったデザートを世界に発信していきたいです」(黒川)。

エントランスに置かれた小林シェフの作品集をご覧あれ。料理はアート、シェフはアーティスト

瞬く間に「予約の取れない店」になった。その成功の理由は、三つ星シェフ・小林氏の料理への興味、窓から富士山を望む感動のダイニング、スピーディで小気味いいサービス、そしてランチ3500円〜、ディナー4800円〜というリーズナブルな価格。これならわざわざ交通費をかけても御殿場まで来たくなる。ここには都会のレストランが失いつつある大切なものがある。「レストランは楽しい」という原点を思い出させてくれるのだ。

ほとんどのテーブルが窓際にセットされているので、窓いっぱいに緑が広がる。天候によって富士山も見える

現場を任されるのは佐藤充宜シェフ

御殿場の厨房を預かるのは佐藤充宜シェフ。2011年に渡仏。2015年より小林シェフ(左)の下で6年修業した右腕的存在。
 

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Maison KEI
住所|静岡県御殿場市東山527-1
Tel|0550-81-2231
営業時間|11:30〜、17:30〜
定休日|火・水曜
料金|ランチコース3850円〜、ディナーコース5280円〜(サ別)
テーブル数|14(個室 1、半個室 2)
アクセス|車/東名高速道路御殿場ICから約10分
電車/JR御殿場駅からタクシーで約15分
www.maisonkei.jp

text: Yumiko Inukai photo: Atsushi Yamahira
Discover Japan 2021年5月号「美味しいニッポントラベル」


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