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世界有数の放射能泉
鳥取県《三朝温泉》
|温泉教授・松田忠徳が惚れた名湯10選⑨

2024.3.12
世界有数の放射能泉<br>鳥取県《三朝温泉》<br><small>|温泉教授・松田忠徳が惚れた名湯10選⑨</small>

保湿やアンチエイジングの効能がある美肌をつくる温泉、胃腸や免疫力など体内に効く温泉……。温泉研究歴40年以上の大先生が、人気温泉地から秘湯まで、東西の名湯をセレクト。
 
今回は高濃度のラドンを含む世界有数の放射能泉として知られる鳥取県・三朝温泉を紹介。

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予防効果のあるラドンを全身で取り込む

木屋旅館の「楽泉の湯」。真下から湧き出る源泉に大地の力を感じる

「3日目の朝を迎える頃には病は消える」ことから、三朝と呼ばれるようになったとの伝承がある。大型温泉地ながら、湯治客向けの旅館、自炊宿が目につくのはうれしい。しかも大手のホテルも湯治客に対応している。かつての岡山大学病院三朝医療センターが“温泉療法”に力を入れていたからか。
 
私は昔から共同湯「株湯」が好きだ。建て替えられた現在の株湯にも「飲泉場」がしつらえられている。今日、飲泉場があるということは、その土地の人々が温泉をリスペクトしているバロメーターともなる。実は私が「たとえ一度の飲泉でも、胃粘膜の機能が活性化する」と知ったのは、旧三朝医療センターのデータによってだった。

木屋旅館で最も歴史を体感できる客室「萩」は1室限定

三朝は高濃度のラドンを含む世界有数の放射能泉といわれている。ラドンはラジウムが分解されて生じる微量の放射線である。その刺激で細胞が活性化し、新陳代謝が促進され、免疫力や自然治癒力が高まる。ラドンはガスなので、ラドンを体内に取り込むため、三朝では飲泉や入浴のほかに「ラドン熱気浴」にも力を入れている。
 
宿は国の登録有形文化財に登録されている、1868(明治元)年創業の「木屋旅館」がおすすめ。木造建築の温もりと美しさは、心身再生の湯治には最高の環境である。ご主人の御舩さんは早くから“予防滞在”に着眼してきた三朝湯治のプロなので、効果的な入浴法を教えてもらえるだろう。

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鹿児島県《妙見温泉》
 
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木屋旅館
住所|鳥取県東伯郡三朝町三朝895
Tel|0858-43-0521
料金|1泊2食付1万7750円〜(税・サ、入湯税込)
IN|15:00
OUT|10:00
キッチン〇/ランドリー〇/Wi-Fi〇
 
<温泉data>
泉質|含弱放射能ナトリウム塩化物泉
湧出温度|約56〜80℃
かけ流し|〇

text: Tadanori Matsuda
Discover Japan 2024年2月号「人生に効く温泉」

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